S33.南山

1.動 機
南山は大子町の南部にあり、先月登った太郎山の西に聳える山。シモンさんのHPによれば結構展望が良いとあって、茨城の山の中で登りたい候補の一つになっていた。天気予報で、今日は一日ピーカピカの快晴と出たので、昨夜の深夜になってから急に「どこか近くの山へ行きたい」と奥様が言い出した。先日、一旦計画したのに行き先を変えたので、結局行けなかった南山に登ることにした。こっちは早くから誘っているのに、早く乗ってくれば、早出してもっと今日の快晴にふさわしい山に行きたいところだが、とりあえず近場のピークハントで満足することにした。地形図では、南山には4箇所から破線の道が登っている。南側の栃原金山跡の方から2ルートあり、西側のルートはシモンさんが歩いているので確実に歩けそうなのでこのコースを下り、登りは東の越ノ沢沿いのルートをとって周回コースにすることにした。

2.データ
a)山域:山域:南山(512m)
b)登山日:2005/03/07(月)晴
c)コースタイム: 
日立自宅 9:40 = 10:50 大沢栃原消防車庫 11:05 ---- 11:30 林道分岐 ---- 12:05 尾根分岐 ---- 12:30 南山(昼食)13:15 ---- 13:50鉄塔 14:00 ---- 14:45 林道分岐点 ---- 15:15 県道32号 15:35 ---- 15:40 大沢栃原消防車庫 15:45 = 17:30 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「常陸大沢(北西)」

3.記 録 
朝寝坊してゆっくりと出発し、登山口の栃原に11時前に着いた。部落消防団の車庫の脇に空地があったので駐車させていただく。越ノ沢に入ると、谷合の林道には雪が残っていたが、はじめは緩い坂で歩きやすく、風も無くて暖かい。林道もだんだん急坂になり、尾根道への取り付きで急坂になった。杉の枯葉の上に雪が乗っているので滑りやすい。一歩一歩足場を切りながら登った。やっと登りきった尾根を南山方向に歩くと、山頂直下がまた岩交じりの急坂になった。ナビで山頂が目の前だと確認しているので、奥様も黙ってついてくるが、どこを歩いているか曖昧だと只では済まなかっただろう。山頂近くなってから尾根にトラバースしたが、こちらには歩きやすい道があった。はじめからこの尾根に取り付けば楽だっただろうが、どこから入るのか分からなかった。
山頂には祠があり3本の空の一升瓶がお供えしてあった。雑木や杉に囲まれて展望はよくないが、南に尺丈山、東に里美の山が僅かに見えていた。三角点と山名板の前で証拠写真を撮って昼食にした。 展望が良いという鉄塔をめがけて道のない尾根を歩いたのだが、尾根を一つ間違えてカヤトの展望台に出た。八溝山方向の展望がよく、那須から塩原の雪山がうっすらと見えていた。向かいの尾根に鉄塔が見えていたので、少し引き返して歩きやすい道を辿ったら、楽に鉄塔に着いた。ここからは日光、高原山、塩原の山が薄っすらだが見えていた。振返ると南山のとんがった頂が目の前に見えていた。
少し引き返したところに、次の鉄塔への点検路が分かれていたので、これで一旦谷に下りて登り返したピークで南の尾根に入った。この尾根はシモンさんが登った尾根で、そのまま尾根筋をはずれないように林道まで下った。降りたところは破線の道の分岐点、ここから雪の深い林道を30分歩いて県道にでた。 布団たたきを持ったおじいさんに出合った。「南山の山頂まで登ったのかい、南山はここでは「北山」と呼び、山頂の祠を「御嶽山」、昔から「君ガトヤ山」と言っている。最近は、結構登っていく人がいるのだが、登りきれないで引き返してくる人が多い。周回コースで山頂まで登ったのは偉い」と褒められた。正直には褒められたのはポケナビなのだが、ちょっぴり嬉しかった。
(秋田蕗のフキノトウ、手前は山蕗)
お歳は91とのことだがかくしゃくとされており、長生きの秘訣を聞くと、「特に無いよ。嫁さんの出すものは何でも食べる。嫁さんの言いつける仕事は何でもやる。今日も干した布団のスギ花粉を叩けと言いつけられている」。話の成り行きで、秋田蕗の栽培畑を案内されて、でっかいフキノトウを採らせてもらう。大きいので「ここにあるよ、あそこにもあるよ」、と教えてもらいながら喜んで採っているうちに、すぐに袋はいっぱいになった。近所の90歳のおばあさんも出てきて「この辺は爺さん婆さんばかりだが、フキノトウは食べないよ。こんな苦いものをどうやって食べるのよ」。元気なお二人にあやかりたくて、一緒に記念写真を撮らせていただいて栃原を後にした。



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