S122 62会忘年登山(里見富士山と佳老山)

1.動 機
同期会登山会(通称下山学校)の今年2005年の忘年会幹事役を引き受けた。小来川温泉2泊で3日間前日光の登山を行うことで計画を進めていたが、天気予報が雪模様で思わしくなくなり、はるばる前日光まで出かけて山登りができなくなってはつまらないので中止した。代わりに、近くの横川温泉に一泊して、一日目薄葉沢の滝巡りと里見富士山登頂をやり、二日目は岩山の佳老山に登ることにした。一日目の滝巡りは見事な流れを楽しんでから標高わずか562mの富士山を征服し、夜は藁葺きの鄙びた温泉宿でゆっくりと団欒を楽しみ、二日目は絶壁の岩場歩きで少しスリルを味わいながら展望を楽しんできた。

2.データ
a)山域:里見富士山(562m)、佳老山(460m)
b)登山日: 2005/12/13(火)晴、12/14(水)晴
c)コースタイム: 
112月13日:里見道の駅(集合)9:55 = 10:05 塩の草部落 10:20 ---- 10:30 薄葉沢の滝めぐり 11:20 ---- 11:50 笠石(昼食)12:30 ---- 13:10 登山口 ---- 14:25 里見富士山 13:35 ---- 15:05 塩の草部落15:10= 15:30 横川鉱泉(泊)
12月14日:横川鉱泉 8:55 =(明神峠)= 9:25 福住分岐(3台デポ)9:30 = 9:35下関河内分岐9:40 ---- 10:30 佳老山岩頭 11:00 ---- 11:05 佳老山 11:10 ---- 11:40 福住分岐 = 11:50 下関河内分岐(昼食、解散)12:20
d)同行者:下山夫妻、小林啓夫妻、小林弘夫妻、浪野夫妻、大矢、大内、和子
e)地形図:1/25000「里美牧場(南西)」、「袋田(北東)」
(薄葉沢・富士山ルート)
(佳老山ルート)


3.記 録 
12月13日(火)
(暇で親切なガイドさん)
(薄葉沢の滝)
(名勝笠石)
里見道の駅10時集合と連絡したので、幹事役が遅刻しては格好がつかないと早めに出発して20分前に到着したが、案の定、遠路の大内さんはじめ、両小林ご夫妻、大矢さんがすでに到着済みだった。やがて、下山ご夫妻、浪野ご夫妻も揃ったので、定刻5分前に7台の車を連ねて出発した。塩の草部落の広い舗装道路の行き止まりに駐車して身支度をしているとき、65歳という土地の男性が現れた。例によって啓ちゃんが色々質問をしている間に、なんとなくこの男性がガイド役になって、みんな後ろに続いて歩くことになった。
舗装道の脇にハイキングルートの道標があり、車も入れそうな広い道が沢沿いに伸びていた。5分も歩くと、「塩の草滝・薬研の滝」の道標があり、ガイドさんは上の道にみんなを導いたが、下山先生一人は沢登りをやりたいと沢筋に降りていった。ここから次々と奇麗な滝が現れるが、ガイドさんはどんどん進んでいく。私は折角の奇麗な滝をゆっくり鑑賞したくて、滝が現れる毎に沢まで降りて写真も撮りながら遅れて歩いたが、滝の数は10個を数えた。以前我家だけで歩いたときの記録S26では、滝の数を6個と判断して6連滝と表現したが、下りで歩いたこともあって見落としがあったようだ。
最後の滝を過ぎたところで、路側の広場で一台の車が動けなくなって苦労していた。青年は滝見物に車で上から一人でやってきて、落ち葉にタイヤを取られて身動きできなくなったらしい。みんなで安全地帯まで車を押し上げたが、ガイドさんは、「この先で方向変換するといい」と言って同乗して下っていった。親切なもんだ。
ここから笠石部落道をのんびりと歩いて、名勝「笠石」を眺めに行った。「笠石」はスパッと切れた大きな岩が2段に重なったもので、形が珍しくて面白いと思って案内したのだが、受けは意外とよくなかった。ここで昼食をと考えていたが風が強くて寒いので、下の田んぼまで下って、日だまりで各自弁当を広げた。
昼食後、富士山に登るべく滝のほうに引き返していくと、途中の民家からくだんのガイドさんが飛び出してきた。「このへんはみんな身内みたいなものだよ」とのこと。予定の上の登山道分岐に来ても、ガイドさんは「もっと楽な道があるよ」と言いながら進んでいく。親切な人に弱い私は、みんなをガイドさんの後ろに従わせたが、中間の登山口に来てももっと下っていく。これはおかしいと下山先生の決定によりここでガイドさんと別れた。
(富士山の山頂にて)
(巴屋のイルミネーション)
中間の登山口から急坂を鍋足の山並みを振り返りながら登って、上の登山道からの道と合流してすぐに638mのピークで一休みした。少し下って登り返したところが富士山だった。祠があり、富士山の山名板が立っていた。展望はないので集合写真だけ撮って下りにかかる。赤い木柱を目印に下っていくと、途中で下山先生の「道が違うぞ」の声が飛んできた。方向変更してピニルテープがぶら下がっている手入れされたゆるやかな登山道を下って、無事駐車場所に到着した。
塩の草から横川鉱泉の巴屋旅館に車で走って10分で到着した。巴屋は藁葺きの母屋と温泉棟、トタン屋根の新館があり、元気なおばあさんが仕切っているが、若夫婦がしっかり働いている。6畳と4畳半の部屋が6部屋割り当てられたので、家族ごとに入った。まずはお目当ての温泉に入る。一緒に入った男性は「浴槽は狭いが、泉質は横川鉱泉で一番いい。日帰りだが、いつもここに来ている」と言っていた。
食事と団欒のために、8畳2間続きが用意されたので、食事前に炬燵を囲んで思い出などを話し合った。今まで同期会で登った登山ルートと参加者をリストにしたものを配布したが、下山先生から、はじめは人が集まらなくて苦労したとの思い出話があった。皆さんの印象に残っている山は、雪の箕輪山、山菜の三鈷室、長かった雲取山、展望の熊の山、エビの尻尾の赤面山、新年会の尺丈山、シロヤシオの釈迦ケ岳、などなど話しは尽きなかった。夕食には刺し身やなべ物などおいしい料理が並び、竹筒の燗酒をいただきながら舌鼓をうった。食後も持参のケーキや漬物、焼酎やワインで夜中まで話が弾んだ。宿の庭には見事なイルミネーションが光っていた。
12月14日(水)
温泉には朝7時から入れる。一風呂浴びてから朝食をいただいて外に出たら、車のフロントガラスが凍っていて、これを解かすのに手間取った。近くのコンビニでおにぎりを仕入れて、8時に揃って出発した。R349を北上して、明神峠を超えたすぐのところを左折して広域林道滝川大洪線に入り、長いくねくね道を走り、福住への林道分岐に3台の車をデポして4台で下関河内林道分岐に駐車した。ここから佳老山へは2日前に我家夫婦で下見しておいた。分岐から少し引き返したところに「佳老山参道入口」の道標があり、登山道に入る。沢沿いの道を歩いて、赤い道標No19のところから、上に見える岩を目印に急坂を草木に捕まりながら登っていった。登りついたところに大きな岩があり、この上に登ると下の稜線に尖った岩峰が見えた。これがために尾根伝いに登って来ることができなかったのだ。
(蟻の戸渡り)
(佳老山の岩頭にて)

稜線の上に向かって歩きやすい踏跡を少し歩くと、岩場に突き当たる。ハイキングルートではないのでロープはないが、表面がごつごつしていて足場には不自由しないので、みんな元気に攀じ登った。登った上は細長い狭い岩場になっている。東側が100m以上の絶壁になっていて足が竦む。蟻の戸渡りよろしく這いつくばったりしながら20mほどの戸渡りをめいめい色々な体勢で渡った。渡った先には大きな岩場が待っていた。これは少々やばいので巻いて進む。岩場から降りなければならないが、岩場の下りは登りよりも怖い。気を利かせた啓ちゃんプロが先回りして、一人一人足場の取り方を指導してくれて、おかげで無事全員降りることができた。
次の岩場にあがるために、崖のような急坂をトラバースした。うっかり踏み外したら谷底まで転落だ。慎重に一歩一歩進み、最後の急坂を攀じ登ったところが今日のハイライトの岩頭だった。ここも東側がスパッと切れ落ちているが、結構広いので落ち着ける。おやつを出してゆっくり展望を楽しむ。近くに矢祭山の桧山、その左に塩原の雪山、右に八溝山、大神宮山、大笹山が形のいい姿を見せている。2日前の下見のときには北に白く見えていた安達太良は雲の中だったが、東には三鈷室山や里見牧場が見えていた。
(熊神社前にて)
(福住林道を下る)

  ゆっくり展望を楽しんで、次の佳老山の山頂に登った。朽ちかけた石の祠の前に、H14年に改築したばかりの立派な熊野神社が建っており、お参りをして全員集合写真を撮った。神社の前に三角点があり、東側の展望が開けていた。里美牧場などの展望を楽しんでから下りにかかった。車馬立入り禁止の表札の表参道を下って、福住林道に出て未舗装の林道をくねくねと下って、デポした車で下関河内林道分岐に戻った。
下関河内林道分岐は日当たりが良かったので、林道に敷物を敷いてコンビニで用意したパンやおにぎりで昼食をとった。ここで解散して、広域林道を北上したり下関河内林道を東に下ったりしてR349に出て、各自家路についた。



戻る

inserted by FC2 system