T33 セツブンソウと秩父御岳山

1.動 機
早春の花便りでセツブンソウの名前を聞くと無性に見に行きたくなった。一昨年の栃木の群落地(山行記録27)は、前日観光協会に問い合わせたところ、もう盛りを過ぎたとのことだったので、少し遠くなるが、節分草祭り実施中だという秩父の節分草園に行ってみることにした。ついでに62会の仲間が一昨年登った御岳山に落合から周回ルートで登り、余った時間で四阿屋山のロウバイやフクジュソウを楽しんできた。

2.データ
(御岳山歩行ルート)
a)山域:秩父御岳山(1081m)、四阿屋山(772m)
b)登山日:2006/03/15(水)晴
c)コースタイム:
日立自宅 3:35 = 3:50日立南IC = 5:25高坂SA 5:35 = 5:50 花園IC = 6:55 道の駅大滝 7:25 ---- 7:30 御岳山登山口 7:45 ---- 8:40 13号鉄塔 ---- 9:25 管理道 9:30 ---- 10:05 御岳山頂 10:40 ---- 11:10 トンネル 11:15 ---- 11:55 清めの滝 12:00 ---- 12:10 御岳山登山口 ---- 12:20 道の駅大滝(昼食) 13:00 = 13:35 堂上節分草園 14:20 = 14:30 四阿屋山 15:30 = 15:35 道の駅薬師の湯 15:50 = 21:00 常陸太田 21:40 = 22:00 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000「三峰」

3.記 録 
a)ドライブ
高速料金の夜間割引に間に合わせるためと、東京を渋滞前に通過するために、我家にはありえないような早起きをして4時前に日立南ICから常磐道に乗った。外環道をスムーズに通過して、高坂SAで小休止して花園ICを6時前に下り、これから先の一般道も渋滞がなく、大滝村の道の駅に7時前に到着した。目の前に見える御岳山を見上げながら持参の朝食をとった。
b)御岳山
(朝日を受け始めた御岳山)
(登山口の地蔵堂と道標)

朝食後、R140を400m行った旧道分岐に入ったところに普寛神社があり、ここから右の細い道を入ると小さな地蔵堂があり、駐車スペースがあった。直進する方向に杉の峠林道、左の谷筋に御岳山遊歩道入口の道標が立っていた。今日は林道を登って行って谷筋に下ってくる予定だ。
林道を20分歩いたところに「登山道入口」の道標があり、ここから山道に入った。沢を渡 ると「三峰線13号に至る」の黄色い標柱があり、点検道をかねているようだった。少し登ると工事中の林道をに出、また山道に入って行くと再び林道に出た。今度は向かいの法面が高くてはっきりしないが、登ってみると古い板で作った階段道が落ち葉の下に現れた。これで安心して急坂をジグザグに登っていくと13号鉄塔に到着した。振り返ると雲取山などの奥多摩の山々が見えていた。すぐに林道に飛び出すと、向かいに鉄パイプで組んだ梯子があり、登って踏み跡を辿ると今度は広い作業道が現れた。適当に方向を決めてよく手入れされた植林の中の作業道を進むと、道路作業中の人がおり「御岳山にはこの道で行けますか」と尋ねると「これは私道だ。登山道ではない」とそっけない。かまわず進むと、今度は伐採された材木を回収している人がいて、今度の人は「この先に行くと強石からの登山道に合流するよ」と親切に教えてくれた。登山道はよく手入れされていて気持ちがいい。御岳山の尖った山容も樹間に見えてきて元気が出てきた。気持ちよく歩いていくとまた林道に突き当たった。丁寧に作った階段道を降りると、この林道の意義を説明した大きな説明板が立っていた。これに付いていた略図でやっと何度も林道を横切る訳がわかった(文頭の地形図の管理道はこの略図を想像で転写したもの)。
向かいの階段道を登るとまた登山道に戻り、眼下に建設中の管理道がくねくねと伸びていた。少し登ると地域のためと思われるテレビアンテナが現れ、これを通り過ぎると今度は急な崖が待っていた。この上が山頂かと期待してロープや鎖を使って登りきると、まだ先になだらかな雑木林の道が続いていた。少し下って登り返したところに、「猪狩山・古池・三峰口駅」の道標があり、短い急坂を登るとやっと山頂の祠が見えてきた。
(御岳山頂上近くに建設中の管理道)
(登りにも崖がありました)

(奥社前での証拠写真)
山頂手前に赤い祠、奥に風格のある普寛神社の奥社があった。今日の無事に感謝してお参りした。奥社の奥には三角点と方位案内板があり、360度の展望が待っていた。雲取山、飛龍山、雁坂峰、甲武信ケ岳、両神山などがずらりと並び、浅間山、谷川岳、赤城山などの白い峰々も見えていて、嬉しくなっていつまでも眺めていた。登ってきた青年に奥社前で証拠写真のシャッタを押してもらって下りにかかった。
下りは反対方向の落合方向に向かったが、のっけから急な崖の下りである。ロープや鎖を使いながら慎重に下った。鞍部まで下りると地形図の分岐よりもずっと手前に落合への道標があり、「伐採作業中につき作業者と話し合いしながら歩いてください」の注意書きがあった。道標に従って下ると、植林の中をジグザグに作業道が作ってあって歩きやすかった。今日は作業もなく、どんどん下るとトンネルの上を越えて管理道に出た。この管理道に車で入れば、登り側の管理道合流点からこのトンネルまで歩行時間はわずか1時間半ほどだ。御岳登山の魅力がなくなってしまいそうだ。
(山頂直下の崖下り)
(手入れされた作業道)

ここからは沢沿いの登山道になり、何度も壊れかけた木の橋を渡りながら下っていった。7人の男性グループと2人の女性、一組のご夫婦に出会ったが、こちらからの登りは登り道一方でしかも急坂が続くので大変そうだった。登山口近くまで降りたところに小さな滝があった。水量が少なくて迫力はなかったが、休んでいた男性から「清めの滝だよ」と教えられた。その昔は奥の院に登るときここで身を清めてから登っていったのだろうか。
駐車場に降りると車は4台に増えていた。道の駅に移動して、名物だという「ごもっともそば」を頂いた。なかなか美味でありました。
c)堂上節分草園
道の駅で花情報を確認してから、20kmばかり走って両神堂上の節分草園に移動した。節分草祭り実施中なので園入口近くの路側に駐車場が作られて、案内者が駐車場所を指定していた。300円也の入場料を払って中に入ると、広い園内に一面散りばめたように白い花が咲き誇っていた。すばらしい眺めだが、栃木の星野四季の森で初めて節分草に出合った時にはもっと新鮮な感激があったように思うが、あまりに多くて有難さが薄まってしまうのだろうか。それでも、一つ一つの花を眺めて歩くと、やはり可愛くて美しい姿をしている。八重があったり、アズマイチゲがあったり、何度もシャッタを押した。
(見たかったセツブンソウ)
(アズマイチゲも咲いていた)

d)四阿屋山
節分草園の人に薦められて、時間もまだ早いので近くの四阿屋山に回ることにした。道の駅薬師の湯から山に向かい駐車場に走ったが、一昨年登ったとき(山行記録48)には反対側の岩尾根を登ったので、この道は初めて通る。大勢の人が歩いて下ってくるのに出合った。駐車場から舗装道が福寿草園まで延びているが、四阿屋山への山道に入って両神山や二子山を眺めながら尾根道を歩いて、一昨年歩いた道で福寿草園に下りた。最初に目に入ったのは一面の黄色い花だった。満開のロウバイが甘い香りを漂わせながら迎えてくれていた。50本もありそうだったが、「満月ロウバイ」「素心ロウバイ」「和ロウバイ」など名札がかかっていた。福寿草の花は盛りを過ぎて葉が茂り始めていた。
(満開のロウバイ)
(葉が茂ったフクジュソウ)

福寿草園から駐車場まで舗装道を戻ったが、満開の紅梅や白梅が咲いていたり、登ったばかりの御岳山見えたり結構楽しかった。 駐車場から道の駅に立ち寄って、後は急ぐこともないので運転を和子と交代しながら一般道をゆっくりと走って、常陸太田で夕食をとってから我家に夜10時頃に帰りついた。



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