T71 雲上の楽園虎毛山

1.動 機
水戸アルパインの7月例会で、「雲上のオアシス虎毛山と高松岳登山」と銘打って前夜発温泉一泊の山行が計画された。あいにくの梅雨空になったが、いつもの仲間に励まされて、元気に雨中の行軍を楽しんできた。虎毛山の山頂には湿原があり、チングルマはすでに盛りを過ぎていたが、イワイチョウやワタスゲなど可愛い花が清楚な姿で迎えてくれた。
(虎毛山登山ルート)

2.データ
a)山域:虎毛山(1433m)
b)登山日:2006/07/01(土)曇一時雨
c)コースタイム:
6月30日:日立自宅 19:30 = 19:40日立電鉄南営業所19:55 = 20:55水戸駅前 = 21:35那珂IC = 常磐道 = 磐越道 = 東北道 = 古川IC =
7月1日: = 3:15秋の宮温泉 5:20 = 5:35林道終点登山口5:50 ---- 6:40渡渉点 ---- 7:00休憩 7:15 ---- 7:40夫婦檜7:45 ---- 8:30 高松岳分岐8:40 ---- 9:35虎毛山山頂(湿原散策、昼食)11:00 ---- 11:35 高松岳分岐11:40 ---- 12:15夫婦檜12:20 ---- 13:05渡渉点13:20 ---- 14:00林道終点登山口14:10 = 14:25秋の宮温泉(泊)
d)同行者:水戸アルパイン18名(男8、女10)、和子
e)地形図:1/25000「鬼首峠(北東)」

3.記 録 
雨の中バス停で待つのを避けるため、マイカーで電鉄営業所に行って駐車させてもらう。東海、勝田といつもの順序で仲間が増えてきて、総勢20名が揃って那珂ICで高速に乗った。大型バスが用意されたので、全員2席を使って横になって眠れた。中郷、安達太良で休憩したのは覚えているが、気がついたときには秋の宮温泉のおなじみ荘の庭に停車していた。まだ3時15分なので宿もまだ寝静まっていて、玄関は閉まったままだった。 玄関が開いてから広間で、持参の朝食を取ったり、また一眠りしたり、出発時間までゆっくりと休んだ。5時20分に宿で準備してくれた車4台に分乗して登山口に向かった。車は国道から地方道に入り、更に細い林道に入ってどんどん走った。「対向車が来ると苦労するんだがね」と言いながら林道終点の一番奥の登山口まで全員を運んでもらった。

林道はここから先にも延びているが、ここの橋が壊れたままのようで、車はここまで。小広い駐車場があるが先着の車はなかった。 登山口には「雲上のオアシス虎毛山」の看板があり、ここで準備運動をしてから5時50分に歩き始めた。2本の丸太の橋が渡してあったが、危ないので下流側に回れとあり、一旦沢に降りて流れを石伝いに渡ってから登山道に入った。

登山口から沢沿いに広い登山道が伸びており、何人かづつおしゃべりしながら歩いていけた。登山道脇には秋田蕗やヤグルマソウの大きな葉っぱが茂っており、シシウドやツルアジサイ、ヤグルマソウ、カラマツソウの白い花がそこかしこに咲いていた。渡渉点手前の土砂ぐずれ跡には、フキノトウがいっぱい咲いていて、帰途の収穫を楽しみに通過した。

50分で渡渉点に着いた。渡渉点と言っても、立派な橋を渡る。渡ったところに、登山道の案内板が立っていた。表示によると登山口からここまで3.6km、山頂まで3.2km、ここの標高630mとなっている。山頂まであと800mの登りだ。
ここからはコンクリートで作った模擬丸太の階段道になった。しっかりと汗を搾られた。

階段道と根っこ道の急登を登っていくと、アスナロの幼木が目立ち、アスナロヒノキとクロベの木が混じって生えている。説明板によると、両方とも急斜面を好む樹木だという。
2本の大木が根っこを繋いで仲良くしている夫婦檜のところで一休みした。
虫の多い山で、前の人の足で追い立てられた虫が顔の周りに付きまとって煩くてしようがない。腹を立てて手でたたいても顔が痛いだけで、虫は捕まるものではない。用意のいい人は、蚊取り線香を腰に付けたり、虫除け薬を首周りに噴霧したりしていた。

更に登ると、今度はブナの大木が茂る美しい登山道になった。 急斜面をひたすら登るとピークに出て一休み。マイズルソウの群生地で、高松岳への分岐点になっていて道はなだらかになった。
山頂近くになると、ハクサンシャクナゲ、ウラジロヨウラク、サラサドウダンなどの花が目を楽しませてくれた。

山頂には二等三角点と石で出来た立派な標柱が立っていた。集合写真と、めいめいの証拠写真を撮った。
天気が良ければここからは、栗駒山が目の前に見えるらしいが、今日は何も見えない。すぐに湿原の散策に出かけた。
霧でかすむ湿原では、チングルマはほとんど果穂になっていたが、代わりにイワイチョウが目立っていてきれいだった。モリアオガエルの卵が見られる池塘の近くには、ヒナザクラやモウセンゴケ、ワタスゲが群生しており、チングルマも残っていた。湿原には白い花ばかりでなく、ピンクのウラジロヨウラクやハクサンチドリ、イワカガミも咲いていた。

山頂には丈夫な2階建ての避難小屋が建っており、中は綺麗に掃除されていた。その中で昼食を取り、四方山話に花を咲かせた。迎車の時間に合わせると、下山開始までにたっぷり時間があったので、一人湿原の花をもう一度眺めに出かけた。湿原の端まで歩いて花の写真を撮っていると、急に雨が降り出して慌てて小屋に引き返した。下山はみんな雨具をつけての歩きになった。色とりどりの雨合羽の列は綺麗だった。
下る途中で、雨にも負けず大きなザックを背負って登ってくるパーテイに出合った。虎毛山頂で一泊して、明日高松岳に縦走する元気な人たちだった。

下山の途中で、下山リーダは一人キノコ採りに登山道を離れていった。たっぷり収穫したウスヒラタケは、翌朝の味噌汁の具になったが、なかなか美味いと評判が良かった。
雨で泥んこの道を歩いたので、登山口の渡渉点でみんな靴やスパッツの洗濯をして、迎えの車に乗った。
宿に帰って、温泉につかって美味しいビールを飲み、山の幸いっぱいの夕食を頂いて、明日の好天を祈りながら早めに就寝した。

4.虎毛山で見た花々  
チングルマ
チングルマの果穂 
イワイチョウ
ヒナザクラ 
モウセンゴケ
ワタスゲ
ハクサンシャクナゲ
マイヅルソウ
ツマトリソウ
ウラジロヨウラク
ハクサンチドリ
イワカガミ



戻る

inserted by FC2 system