U812.北海道南部の山
(アポイ岳)

1.動 機
アポイ岳は襟裳岬の近くにあって花の百名山に選ばれており、特別天然記念物に指定されている高山植物群落があるという。標高800mほどに過ぎず、地元の人々にとっては幼稚園児・小学生から登ることのできるとても親しみやすい山らしいが、海抜0mから登るので決して楽な山ではない。今回は北海道南部の山の3日目、アポイ山麓自然公園から山頂まで登って、幌満お花畑を回って下ってきた。登りは雨中の登山になったが色とりどりの花を楽しみ、下りでは晴れ間も出てきて展望も少し楽しんできた。

2.データ
a)山域:アポイ岳(811m)
b)登山日:2007/08/03曇一時雨
c)日程
平取温泉4:55 = 7:00アポイ山麓自然公園7:20 ---- 8:40避難小屋9:00 ---- 9:40馬の背 ---- 10:20アポイ岳山頂10:30 ---- 10:55お花畑 ---- 11:35馬の背11:45 ---- 12:05避難小屋12;15 ---- 13:10アポイ山麓自然公園13:20 = 19:00比羅夫ホテル(泊)
d)同行者:水戸アルパイン(男8、女7)、和子
e)地形図:1/25000 「様似」「アポイ岳」


3)山行記録
アポイ岳下山後、次の宿泊地の比羅夫までのバス移動に6時間かかるので、平取温泉を5時前の早立ちになってバスの中で弁当を食べた。バスはR237を南下、海岸線のR235、R236,R336とどんどん襟裳岬に向かって東進するが、途中から雨が降り出し、社中で雨具の準備をした。様似の町に近付くと正面にアポイの山容が目に入ってきた。海抜0mから見ると811mのアポイも堂々とした山容である。
様似の町を過ぎたところで左折するとすぐにアポイ山麓自然公園のキャンプ場に着き、その先の広い駐車場でバスを降りた。雨は止んだので雨具を脱いでビジターセンタの横から歩き出した。川沿いの林道を進んで橋を渡り、少し行くと登山道の入口になるが、赤い熊出没の警告が目立つ。熊撃退ガスを持ち、鈴を鳴らしながら歩いた。登山道の途中にも要所に熊よけ用の鐘がぶら下がっていた。
(登山口にて)
(熊出没の警告がある登山口)

右に折れて小川を渡ったが、この小川を渡るところには「アポイ岳の貴重な高山植物を守るため川で靴の泥を洗い流し外来植物の侵入を防ぎましょう」立て看板があり、ニュージーランド並に植生保護に気を使っている様子が伺えた。
道端の野苺を口に入れながらはじめは緩い傾斜の道を登った。それでも低山なのでたっぷりと汗をかかされ、途中からまた雨が降り出し雨具を付けた。4合目近くから急登になり5合目の避難小屋について雨宿りした。
(エゾシャクナゲ)
(5合目の避難小屋)

ここまでは樹林帯の中の登りで、エゾエンゴサクやシャクナゲがところどころに見えるだけだったが、ここから馬の背まで岩っぽい道になり、石や丸太の階段で整備された部分もあるが岩の露出した道を足場を選んで登った。周りに色々な花が賑やかになってきた。イブキジャコウソウが登山道にへばりついており、キンロバイの黄色い花やホソバトウキなどの白い花が周りを飾っている。アポイマンテマやアポイハハコなどアポイの花も見えてきた。
(5合目からは岩っぽい登山道)
(イブキジャコウソウ)
(キンロバイ)
(ホソバトウキ)
(アポイハハコ)
(アポイマンテマ)

この急坂では視界も一気に開けて気が晴れるところらしいが、今日は雨脚がどんどん強くなってきて視界はゼロである。馬の背に立ち寄ったが、何も見えなかった。下りに立ち寄った時にはぐるりと視界が開けて、後にアポイ岳から吉田山の山並み、前の様似の海岸にはローソク岩や親子岩の奇岩が見下ろせたのだが。
(登りでの馬の背、視界ゼロ)
(下りでの馬の背、アポイ岳への稜線を振返る)

馬の背からは登山道は一旦平坦になり、幌満お花畑への分岐からまた勾配がだんだんきつくなり、樹林で覆われた頂上に着いた。この途中でクルマユリを撮っているとき、カメラが動作不良になった。雨具のポケットに収めて歩いていたのだが、防水が悪くて水が溜まっていたのだった。これ以後アポイの記録写真は撮れなくなった。時々和子のカメラを借りてシャッタを押した。。
山頂に着いてもまだ雨はやまず、集合写真と各自の証拠写真をとってすぐに下りにかかった。下山は幌満お花畑に向かって下った。下りの途中で雨も止んできたので、もしかしてヒダカソウに出会えるかもと期待したが、盗掘のためか季節がづれたためかお目にかかれなかった。ポツポツとヒメエゾネギの丸い花が咲いているだけだった。
(クルマユリ)
(アポイ岳山頂にて)

だんだんと視界が開けてきて、振返るとアポイ岳の山容が美しかった。馬の背と避難小屋とで休みながら下ると、2合目付近でおおきなエゾジカの姿が見えた。熊でなくて助かった。
駐車場に下りて、バスに乗ってからが長かった。距離250km、海岸を眺めたり牧場を見たり、途中コンビニや道の駅で休憩を取りながら5時間以上のドライブだった。
留寿都村に近付くと、まずは富士山のような貫気別岳が見え始め、その続いて右肩にもっと高い羊蹄山が見え始めた。羊蹄山が山頂まで姿を現して、台風も来ているはずなのだが、明日予定通り羊蹄山に登ることが出来るかもと期待させた。
ホテルのバイキングを腹いっぱい食べ、温泉で汗を流して、明日の羊蹄山を夢見ながら眠りに付いた。
(ひまわり畑と羊蹄山)




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