U82.孫との初登山(茶臼岳)

1.動 機
二人の孫は、今までは山に誘っても「疲れるう」と言ってつれなかったが、今年の夏休みはどうしたことか「行っても良いよ」に変わった。気が変わらないうちにと、早速、那須の茶臼岳登山を実行した。
ロープウエーを使って1730mまで稼いで、山頂に登って峰の茶屋から牛ケ首へと山腹を一回りする楽ちんコースにした。初めは「あんなとことろまで登るの」と文句を言っていたが、雲海や朝日岳などの展望、もうもうと噴出す噴煙、可愛い花々、天気も良くて変化のあるコースを気持ちよく歩くことが出来て、「疲れたけど面白かったよ」が二人の感想だった。


2.データ
a)山域:茶臼岳(1915m)
b)登山日:2007/08/14(火)晴
c)コースタイム:日立自宅 6:10 = 7:20 道の駅ばとう7:25 = 9:00 ロープウエー麓駅P9:20 ---- 9:25 上駅9:35 ---- 10:40 茶臼岳11:05 ---- 11:45 峰の茶屋跡12:25---- 12:45牛ケ首 12:55 ---- 13:20 ロープウエー山頂駅13:45 ---- 13:50 麓駅14:10 = 16:20 道の駅ばとう16:20 = 17:40 日立自宅
d)同行者:さーちゃん、あき、和子
e)地形図:1/25000 「那須岳」

3.山行記録
さーちゃんは5年生、あきは3年生になり、それぞれ自分の生活が忙しくなって、今年の夏休みのお泊りは12日から16日までと短い。宿題も持参しているので、何をやって過ごさせるか難しい。駄目もとで「山に登ってみよう」と水を向けると、今までは、親が誘ってもジジババが誘っても「疲れるう」と言ってにべもなかったのに、意外にも「どこのお山に登るの」の返事が返ってきた。週間百名山の「那須岳」を見せて「ロープウエーで登れるよ」と誘うと、写真を眺めてまんざらでもなそう。お気に入りのお八つを買いに出かけて、それから一日分の宿題を前倒しでやらせるのも一仕事だった。
朝6時過ぎに、寝ぼけ眼の二人を車に乗せて出発したが、終点まで仲良くぐっすりと眠っていた。ジジババは朝食のパンを食べながら走ったが、二人は朝食抜きだ。
空いている板室側から入って、360円のボルケーノハイウエーを走って9時前にロープウエーの駐車場に着くともうほぼ満車状態だったが、運良く数台の車が出てくるところで、誘導員の案内で奥のほうに駐車できた。二人に「朝ごはんは」と誘ってもまだ食欲がないので凍ったアミノバイタルを飲ませた。
「いま12分間隔の運転中です」の放送を聴きながら身支度をしてロープウエー乗場に上がると、長い列が出来ている。大人1100円、子供550円の往復乗車券を買って乗り込むと、111名も乗ることが出来る大きな大きな箱になっており、並んでいた全員が入り込んだ。二人は運転者に窓際を譲ってもらって、眼下の雲海や目の前の朝日岳の鋭鋒を眺めて喜んでいる。
ロープウエーから下りて、テラスから眼下の麓駅や雲海を眺めているうちは機嫌が良かったが、目の上の茶臼の岩山を見せて「あそこまで頑張ればいいのよ」というと、「あんなところまで登るのお」と心底嫌そうな顔をする。
山頂駅の標高は約1700m、ここのところ35℃を越して暑かった下界とは別世界だ。「100m高くなると0.6℃気温が下がる。1700mのここでは日立より何度気温が低いか」と理科と算数の問題を出した。
ロープウエーで300m登る。100人乗りに大型化されていた
山頂駅からでも茶臼のてっぺんはまだまだ遠くに見えたようだ。

牛ケ首への広い道を大勢の親子ずれ家族連れと一緒に歩き出し、数分で茶臼岳への別れに来ると、テレビの撮影隊が大勢で機材を準備していた。その脇のずるずると滑りやすい砂礫の斜面を登り始めた。広い斜面をどこを登ってもいいのだが、これが返って二人を悩ませる。少し歩いては立ち止まり、「疲れた」と言ってはお八つを口に入れている。岩がゴロゴロしたところまで登って一休み、少し朝食らしいものを口に入れた。
(休み休みだが元気な足取りで)
(何回もお休みしました)

これから上は噴煙の跡か岩が黒く焼けたり、硫黄で黄色く染まったところなど変化があって元気が出たのか、足取りが早くなってすぐに山頂の鳥居へとたどり着いた。天気が良くて山頂からは360°の大展望、南月山や朝日岳、三本槍岳など那須の山、塩原の山、その上に日光連山、尾瀬の山、会津の山全部見えるが孫達には興味があるはずもない。早速お八つを出してほおばっている。ついには「冷たい飲み物が欲しいよ、自動販売機ないの」ときた。
(山頂に近付くと元気が出てきた)
(山頂に着くとすぐにお八つの時間)

石の祠の前で集合写真をとって、お鉢をぐるっと回って峰の茶屋跡方面に下った。こちらには家族連れはやってこないが、何人もの登山者とであった。歩きにくいごろ石だらけの登山道を私が先導して35分下って、避難小屋の上の牛ケ首への分岐点に到着。目の前にそびえる岩だらけの剣ヶ峰や朝日岳、後方で噴煙を上げる茶臼の姿が二人にも印象的だったようだ。
分岐点にはテーブルとベンチがあり、ここにバーナを出して、さーちゃん好みのスープを作っておにぎりの昼食にした。あきは頑固にカップラーメンにこだわった。
(峰の茶屋跡への下りはごろ石)
(峰の茶屋跡上の分岐点)
(峰の茶屋跡上の分岐点からの展望:大倉山−隠居倉−剣ケ峰−朝日岳)

ゆっくり昼食をとった後、今度は茶臼岳の西斜面を牛ケ首に向かった。歩きやすい道で、二人がどんどん先を歩いていく。無間地獄の下は気持ち悪がって急ぎ足で通り過ぎていった。
(峰の茶屋跡からなだらかな裏道を歩いた)
(熱くて硫黄の匂いがきつい無間地獄の噴煙)

牛ケ首で一休みしてロープウエー山頂駅に向かって下っていった。この道はざれていて滑りやすく、二人とも「今日一番嫌な道だ」とぼやきながら慎重に歩いた。それでもあきは男の子らしく、私とあまり変わらないペースで付いてきたが、さーちゃんは和子に助けられながら慎重に下りてきた。
(牛ケ首で一休み)
(この下りの砂利道が一番嫌だったと)

山頂駅の自動販売機で念願の冷たい飲み物を飲んで、ロープウエーで展望を楽しみながら下った。山麓駅にはあきの大好きなカブトムシの飼育箱があったので、暫くここで立ち止まって時間が過ぎた。温泉で汗を流して帰る予定で着替えも用意してきたのだが、二人の「早く帰りたい」の一言で、もくろんでいた殺生石にも立ち寄ることもなく真っ直ぐ日立に帰ってきた。
家の風呂で汗を流した後、焼肉鍋を囲んで、「しんどかったけど、結構面白かったよ。またどこかの山に連れて行って」とジジババが喜ぶことを言ってくれた。




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