U123.雨巻山から高峰へ

1.動 機

(雨巻−高峰縦走ルート)
初冬の暖かい好天のなか、栗生から三登谷山展望コースを登って、三登谷山−雨巻山−高峰−池亀までの縦走を楽しんできた。今年始めに山の会のFuさんから「雨巻山から高峰に縦走した。栗生から三登谷山への展望コースが特に良かったよ」との情報を貰った。雨巻山にも高峰にも何回か登っていたが展望コースは使ったことがなく、雨巻山から高峰の間も歩いたことがなかったので、真似して同じコースを歩きたくなった。車2台が必要なので、なかなか機会がつかめなかったが、先週の上山ハイキングを一緒に歩いた大矢さんが付き合ってくれることになり、やっと実現することになった。

2.データ
a)山域:三登谷山(433m)、雨巻山(533m)、高峰(550m)
b)登山日:2007/12/17(日)晴
c)コースタイム:日立自宅 7:10 = 8:00 R50入口 8:15 = 8:35 池亀駐車場 8:40 = 9:00 栗生 9:08 ---- 9:30 尾根 9:35 ---- 10:05 分岐 ---- 10:10 三登谷山10:20 ---- 10:25 分岐 ---- 11:10 雨巻山(昼食) 11:50 ---- 11:55 展望台 12:00 ---- 12:25 三角点---- 12:40 R286 ---- 12:55 登山口 ---- 13:35 パラグライダ基地 13:50 ---- 13:55 高峰 14:10 ---- 14:20 分岐 ---- 15:05 池亀駐車場 15:10 = 15:30 栗生 15:40 = 17:00 日立自宅
d)同行者:大矢夫妻、和子
e)地形図:1/25000 「中飯」「羽黒」

3.山行記録
R50近く、県道61沿いのコンビニで待合わせして、2台の車で出発した。R50の稲田交差点で県道289に入り、更に小塩のところで地方道に曲がり、地形図に調整池があるところまでどんどん奥に入ると、右上に駐車場があった。そこには「関東ふれあい遊歩道・仏頂山登山口」の道標が立っていた。
ここに大矢車をデポして、川本車で一旦県道289に出てから県道257に曲がり、しばらく走って山本部落で県道297に曲がって峠越えをして栗生部落に入った。坂を下ったところで右に雨巻山への沢コースの林道を見送り、ごみ集積場の先に「三登谷山登山口」の小さな道標を見つけた。目の前には芳賀富士がミニ富士の姿をみせていた。休止畑の草地に駐車して歩き始めた。
始めは杉の植林の中の緩やかな道で、足慣らしに丁度いい。
(三登谷山登山口から芳賀富士)
(始めは植林)

だんだんと坂道は急になり、尾根に上がった頃には汗ばんできて衣服調整をした。尾根には展望場所が作ってあり、雨巻山の右に加波山、筑波山が見えており、更にその右に半分削り取られた富谷山が痛々しかった。
(尾根からの展望)

やがて岩っぽい痩せ尾根になり、立ち木が薄くなり展望は更に良くなった。岩場の上で休憩中の土地の登山者は、「今日は富士山は見えなくて残念だが、赤城山まで見えて良い眺めでしょう」と自慢していた。下を覗かなかったので気が付かなかったが、三登谷山への分岐に上りついて振り返って見ると、このあたりは断崖絶壁の上だったのだ。
(岩の痩せ尾根)
(分岐点から痩せ尾根を振り返る)

分岐から5分ほどで三登谷山の山頂に着く。北の展望が開けていたが、天気はいいのだが北には雲が出ていて日光や那須の山々を見ることは出来なかった。代わりに、送電線の鉄塔が延々とどこまでも伸びているのが美しい光景だった。
(三登谷山山頂にて)
(三登谷から送電線展望)

分岐点まで引き返して雨巻山に向かった。はじめ急降下してから上り返し、雨巻山まで栗生や大川戸へ下りる分岐を何度か分け、アップダウンも何度も繰り返しながら歩いた。この間は歩いたことのあるコースなのに余り覚えがない。それでも、立ち木の間から展望コースの岸壁や、御嶽山や足尾山の山並みが見えていて、展望を楽しみながら歩くことが出来た。これが冬枯れの山歩きの楽しいところだ。
雨巻山に近付くと、「階段の道」と「岩の道」の別れがあり、トップの大矢さんは階段は沢山だと言いながら「岩の道」を選んだ。岩を越えて少し歩いて登り着いた山頂は、広場のようになっていて、数々のテーブルやベンチが置いてあった。先客は立ち上がろうとしているお二人だけで、広い山頂は貸切のようだった。少し早いが、テーブルにザックを広げバーナを出して昼食の準備を始めた。ところが、食事が出来上がった頃から次々と登山者が集まりだし、団体さんもやってきて、山頂は満員の状態になってきた。早々にテーブルの上を片付けて賑やかな中で食事を済ませた。
新しい道標を担ぎ上げてきたグループがあり、その中に、fuさんが雨巻山の主だと言っていたデイダラボッチさんの声が聞こえてきた。挨拶すると「今日で今年の雨巻山登山が98回になる」とおっしゃる。高峰へのルートや山頂からの展望(仏頂山・高峰、水戸の県庁)の説明をしてもらい、山頂の証拠写真に入っていただいた。
(雨巻山直下の岩コース)
(デイダラボッチさんと)

次の団体さんが上がってきて、追い出されるように次に向かった。
5分も歩くとデイダラボッチさんお奨めの展望台があった。上に上がってみると、吾国山、加波山、筑波山から右に関東平野が広がっていた。残念ながら浅間山も富士山も見えなかったが。
(山頂は超満員)
(展望台)
(展望台からのパノラマ)

雨巻山展望コースと門毛への道を右に分けたあたりから、登山道に少し笹が出てきたが、岩瀬町の境界杭に沿って伸びる道ははっきりしていた。399mの三角点峰への登りの途中から振り返ると、今下ってきた雨巻山がどっしりと聳えていた。
三角点石を越え、石の祠を通り過ぎても登山道ははっきりしていた。色々な情報を調べて、三角点からは道がはっきりしないと覚悟していたが、県道に出るまで広く刈り払いがされており、数箇所には「高峰−雨巻山」の道標も立っていて迷いようもなかった。むしろ、最近刈られたばかりの篠や立ち木の切り株が尖っていて、ここで転んだら痛いだろうなと怖かった。
(三角点から雨巻山)
(刈り払いされた登山道)

県道に出たところは県境を栃木県側に50m寄ったところで、「茨城県」と書いた県境板が右手に見えていた。降り口には、今下りた登山道方向に雨巻山、反対方向に高峰を指す道標が立っていたが、高峰を指す方向には高い擁壁があって進めない。県道を右に行くか左に行くか悩んだが、茂木方向に少し歩くと地形図の林道の別れがあり、「仏頂高峰遊歩道」の標柱と大きな「仏頂山・高峰遊歩道案内図」があった。
(県道への出口の道標)
(林道分岐点)

舗装された林道を登っていくと、高峰方向への分かれ道が何度も出てきたが、これを無視して県境まで歩くと、右手に数台の車が停まっており、左手にfuさんが教えてくれた「仏頂高峰遊歩道」の標柱がある階段が上がっていた。
これで間違いなく高峰に登ることが出来ると安心して階段を登り始めたが、山頂に登りつくまでの落差300m、殆どが階段になっていて嫌になってきた。それでなくても一本調子の登りはきつくて、ゆっくりゆっくり登っていると、下ってくるご夫婦に「登りは大変ですね」と慰められた。
(高峰登山口)
(遊歩道は階段の連続)

途中、左から合わさる道があって「Bライン」の立札があり、右に遊歩道と平行して登る道が現れた。この道と遊歩道との境にはテープが張られて仕切られており、何のための道かと訝ったが、パラグライダ発進基地まで上がってMTB用の道だと分かった。パラグライダ発進基地の草原が見えるところまで来ると、左の急斜面にひらひらとするテープが平行して張られており、その間を数台のMTBが駆け下っていった。茂木方向に下りたり、林道の七曲に下る何本かのMTBコースが作られており、今日の日曜日多くの若者がやってきているのだった。楽しみにしていたパラグライダの発進は一台も見ることが出来なかった。
(MTB走行路)
(パラグライダの代わりにMTB)

草原からの展望は広く、お八つを頂きながら、はるかに見える難台山を眺めて数年前に歩いた「難台山・加賀田山Uの字形ハイク」の話をしながらしばらく休んだ。草原ピークから下ると広場になっており、板で作った南斜面に出っ張った台が何台かあり、北からは轍の残った道が上がってきていた。前歩いた時にもあったかな?
(パラグライダ発信地からの展望)

高峰山頂で4人の証拠写真を撮ろうと用意していると、大矢夫人が「あれ日光?!!」と声を上げた。雨巻山の左に雪化粧した日光連山がくっきりと見えていた。那須方面はまだ雲がかかっていたが、今日は午後になってから雲が晴れてきたのだ。嬉しくなって証拠写真は後回しで、雪山にカメラを向けた。
(高峰山頂にて)
(雨巻山の向こうに日光連山)

高峰から奈良駄峠方向に下り始め、池亀への破線の道を過ぎたあたりに、右に下る薄い踏跡を見つけて近道をしたくなり、直進したそうな大矢さんの顔色を無視して踏み込んだ。だんだんと道がはっきりしてきて喜んだが、途中から怪しくなってきた。それでも引き返す気にはなれず、薄い踏跡らしきものを辿って下り続けると、左下の谷に作業道らしき道が現れた。強引にこれに下りて、数本の倒木を乗越えて進むと車道に飛び出した。そこは五大力堂への林道で、幸いにも駐車場のすぐ傍だった。
(近道は藪道だった)
(林道に出たところは駐車場近く)

駐車場所に戻って、大矢車で栗生まで走ったが、朝は川本車のカーナビの指示に従って走ったので曲がった地点の記憶が定かでなく、走る道筋がはっきりしなかった。それでも4人の記憶を集めて、何とか栗生にたどり着くことが出来たのでした。




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