V93.日光のかくれ三滝巡り

1.動 機
連日雨の天気予報の合間に、一日だけの晴れ間が報じられ、機会があれば歩いてみたいと思っていた、日光のかくれ三滝に出かけることにした。霧降の滝は日光三名瀑の一つだが、その上流に小さな滝が三つ続いていて、霧降駐車場から2時間ほどで一回りできるらしい。それぞれ美しい滝だったが、余った時間で、日光三名瀑の中でまだ訪れたことがない裏見の滝と、その近くの寂光滝も見物してきた。
(日光の滝巡りコース)


2.データ
a)山域:かくれ三滝(850m)
b)登山日:2008/09/17(水)
c)コースタイム:日立自宅 7:00 = 8:20 茂木道の駅(朝食)8:50 = 10:15 霧降の滝駐車場10:25 ---- 10:35 霧降の滝観瀑台10:40 ---- 10:50 大山登山口 ---- 11:15 徒渉点(橋落下) ---- 11:30 徒渉 11:40 ---- 11:55 玉簾滝 12:05 ---- 12:15 マックラ滝休憩所 ---- 12:25 マックラ滝12:30 ---- 12:50 丁字滝13:05 ---- 13:30 霧降の滝駐車場(昼食) 14:00 = 14:15 寂光滝駐車場 ---- 14:25 寂光滝 14:30 ---- 14:35 寂光滝駐車場 = 14:50 裏見滝駐車場 ---- 15:00 裏見滝 15:10 = 15:20 裏見滝駐車場 15:30 = 17:05 芳賀道の駅 17:10 = 19:00 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「日光北部」

3.山行記録
1)霧降滝
我家を出てR293を走り、茂木道の駅で持参の弁当の朝食をとって、霧降の滝無料駐車場に着いたのは10時15分だった。身支度を整えて先ずは霧降の滝を眺めに大勢の観光客と一緒に観瀑台まで歩いた。今日は休日ではないが、若者も大勢滝を眺めていて賑やかだった。この滝は落差75メートルあってなかなか豪快な滝だが、何度も眺めたことがあるので観光客の間から写真だけ撮って引き返した。
(日光三名瀑:霧降滝)

2)かくれ三滝
お土産屋や食堂のある広場に戻ってトイレを使って一休みし、いよいよかくれ三滝探訪に出発した。広場から北向きの広い道を進んで、草刈り中の男性に隠れ三滝への道を確認した。「このまま進むと看板があり、刈り払いされた登山道を歩くと霧降高原道路に出る。車道を暫く歩いて橋を渡ると丁字滝への道標があるので、後は道標通りに歩けば大丈夫」と教えてくれた。
(隠れ三滝歩行ルート)

暫く歩くと草の生えた広場があり、数台の車が停まっていた。大山ハイキングコースの案内板があるが、丁字滝の表記がない。霧降高原道路まで出たところで、草刈おじさんのお言葉に逆らって車道に下りないで、さきほどの案内板通りに沢に向かい、丸太の階段道で急坂を100mばかり下った。
(大山ハイキングコース登山口)
(急な階段を下る)

沢まで下って石伝いに小さな沢を渡ると、向かいから家族連れらしき3人がやってきて「橋が流されていて川を渡れないので引き返してきた」とおっしゃる。このまま引き返すのは階段道を100m登り返さなければならないので、「少し状況を見に行きます」と言って先に進んだ。直ぐに沢に出くわしたが、橋の残骸らしき一本の丸太のわきに適当に石が頭を出していたので、容易に対岸に渡ることが出来た。
家族連れが引き返したのはこの沢かと思って先に進んだが、その先にもっと大きな沢が現れ、橋の半分が斜めになって激流に現れており、残りの半分は跡形もなかった。これが問題の霧降川で、流れはきつく頭を出した岩の間隔は広く、その岩も苔むしていてとても石伝いには渡渉できそうもない。家族連れもここまでは来たのかもしれない。(失礼しました。)
このまま引き返したのでは沽券にかかわると、通行止めらしきロープを越えて薄い踏跡を辿って上流側に遡っていった。徒渉できそうな場所を探して、何度か小さな沢を飛び越えたり、危なっかしい一枚板で渡ったりしながら霧降川沿いを遡っていったが、どこまで行っても適当な徒渉点は見つからなかった。ここまで遡ってはもう引き返す答えはない。やむなく、水深は深いが流れの穏やかな砂地のところで、靴と靴下を脱いで裸足になって徒渉した。
(橋は流されていた)
(裸足で渡渉)

霧降川を渡ると広い遊歩道があり、ところどころに「大山へ○○km、ツツジ台へ○○km;の道標が現れる。「丁字滝」の分岐を過ぎ、急坂を登ると「玉簾滝」の道標が現れた。踏跡を辿って川沿いに下ると、川いっぱいに広がった「玉簾滝」が現れた。岩伝いの遡っていくと数人のカメラマンが三脚を構えていた。
滝は幅広に膜になって流れるので、そう言えば簾(すだれ)のようにも見える。この滝は何年も前に同期の山歩き会で大山から霧降の滝まで下った時に見たことがあるような気がする。遊歩道に戻る道を登ると休憩舎があり展望台になっていた。岩伝いに沢を遡る必要はなかった。
(玉簾滝)

玉簾滝から進むと、大山からのハイキングルートが合流し、上から数人のハイカーが下ってきて、マックラ滝の方に歩いていった。後を追いかけると舗装道に飛び出した。
その先に丸太の橋があり、橋を渡ると木の葉越にマックラ滝が見えていた。どんどん歩いていくと霧のような水の飛沫が飛んできた。水に濡れた岩の上を伝いながら滝壺のそばまで近寄ってマックラ滝を見上げた。なかなか美しい滝だった。
(マックラ滝)


思ったよりも見応えのあるマックラ滝に満足して、登ってきた道を丁字滝の分岐まで引き返した。霧降川を丸太の橋で渡って、急坂を登っていくとどうどうと言う滝の音が聞こえてきた。丁字滝の道標を見て下っていくと、水量の多い丁字滝が現れた。お腹が空いてきたので、ここでお八つを出して一休みした。
(丁字滝)

丁字滝から遊歩道を先に進むと広い舗装道路に飛び出し、橋を渡ってその広い道を歩いて行くと霧降高原道路に出て、そこは「かくれ滝入口」のバス停だった。高原道路を500mも歩いて行くと、朝歩いて来た霧降滝からの道との合流点になり、そこから来た道で駐車場に戻った。広場の食堂でうどんとそばで空腹を満たして、次の日光の滝に向かった。
R120を走り、日光市街で県道194号に入り、一本道を終点の寂光滝の駐車場に入った。ここには「寂光の滝見学者休憩舎」があり、「自由にお使いください」とあった。女峰山への登山口にもなっていて、登山届けの受付箱があった。
(女峰山登山口)
(寂光院)

鳥居をくぐったところに本道から分かれる踏跡があり、本道は女峰山への道かと思って、踏跡の方に進んだ。すぐにどんどんという大きな滝音が響いてきて、沢のなかの岩を乗越えていくと寂光の滝が現れた。滝の下の滝壺近くから写真を撮って引き返そうとすると、ちゃんとした道が斜面を登っていた。その先に寂光滝の謂れを書いた説明板があり、そこからだと落差50mの七段の滝が上から全部見ることが出来た。更にその上には寂光院の社が立っていて、そこから駐車場まで立派な石段道が下っていた。脇の踏跡に入ったので余分な苦労したようだ。
(七段の寂光滝)

寂光の滝から県道194号を引き返し、今度は裏見の滝の道標を見て県道195号を走っていくと、小さな橋を渡ったところに裏見の滝の駐車場があった。トイレから出てきた犬を連れた男性に裏見の滝までの道を尋ねると「その階段道を100mぐらい登ると平らになって、後は楽に滝に行けるよ」と教えてもらえた。
丸太の階段は結構登り甲斐があったが、すぐになだらかになり、下に美しい激流を眺めながら歩くと、木の橋で沢を渡った先に立派な滝展望台があった。
(丸太の階段道)
(観瀑台への木道)

本流の滝は崖の上のV字の間から滔滔と流れ落ちてきているが、周りの崖の至る所からも水が流れ出していて、一つ一つ全部が滝になっており、それらが一体となって素晴らしい景観を作っていた。日光三名瀑に名を連ねるだけのことはある。
裏見の滝はその裏に回りこむことが出来ることからその名が付いたのであり、崖の中段に滝裏に回る回廊があり石地蔵も見えていたが、、今は進入禁止になっていると聞いた。展望台の柵を乗越えなければそこには行けないが、今は水量が多くてとてもそんな無謀なことをする気にはなれなかった。
(日光三名瀑:裏見の滝)

美しくて素晴らしい数々の滝に感銘して、帰りの車の中では一つ一つの滝の思い出に話が尽きなかった。




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