V113.紅葉の袋田・滝めぐり

1.動 機
袋田の滝トンネルの今までの展望台の50m上に、エレベータで上がる新しい展望台が出来た。物珍しさに釣られてこの展望台に登ってみたくなり、秋の紅葉見物を合わせて出かけてきた。展望台だけでは面白くないので、袋田の滝の周りを一周ハイキングして紅葉を楽しみながら、四方から滝を眺めてきた。

2.データ
a)山域:袋田の滝、生瀬の滝
b)登山日:2008/11/14(金)晴
c)コースタイム:
日立自宅 9:25 = 10:50 袋田駐車場所 11:00 --- 11:15 滝美荘 ---- 11:35 かずま峠 11:40 ---- 11:55 崖上展望所 12:00 ---- 12:15 徒渉点 12:20 ---- 12:30 生瀬滝河床 12:35 ---- 13:00 生瀬滝展望台---- 13:15 吊橋 ---- 13:50 新上展望台 14:00 ---- 14:05 従来下展望台 ---- 14:30 駐車場所 15:10 = 16:30 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「袋田」
(袋田の滝めぐり歩行ルート)

(滝巡りルート高低差)

3.山行記録
R461の月居峠を越えて袋田の滝への近道に入って、町営駐車場を見下ろすと満車の様子だ。「みらんど袋田」の向かいに路側が広くなっていたところを見つけて駐車して歩き始めた。紅葉の時期の袋田は休日は人が多くて大変だろうと思って平日を選んで来たのだが、観光バスも何台も入ってきていて、滝本の街中を大勢の観光客が列を作って歩いている。
この人出では新展望台はさぞかしごった返していて大変だろうと思い、先ずは崖の上から滝を眺めようと滝見荘裏の擁壁を登って、かずま峠への登山道に入った。茶畑を過ぎて砂防ダムの上を渡ったところから急登が始まる。ザレた斜面で、ロープは張ってあるがずるずる足元が崩れて歩きにくい。晩秋とはいえ、今日は暖かくて一汗かいた。
(滝見荘前から登り始め)
(かずま峠までのザレた急登)

かずま峠まで登ると周りにカエデの紅葉が色付いていて美しい。生瀬滝方向の尾根道を歩くと、紅葉越しに月居山や袋田の街が見えてくる。
(車と人で混雑の)
(紅葉の尾根道)

何回かピークを越えて袋田の滝の真上の崖上に着くと数人の男性が休んでいた。ここは四度の滝全体を真上から一望にすることが出来、袋田の滝の特別展望台だ。8年前に同期会の山歩きで初めて案内してもらってから以来何度も登ってきた。
(崖上展望所から)

上からの四度の滝の展望を楽しんでから、生瀬の滝に向かう。こんなところを下ったかなと訝りながら急坂を下ると、向かいにR461が驚くほど近くに見え、下に生瀬滝上流の浅瀬が見えてきた。暫くまとまった雨が降らなかったので流れは少なく、河床の岩盤が露になっていて徒渉には問題なさそうだ。川岸のゴツゴツした岩肌を下りて、狭い流れをエイヤッと飛び越えて、河床の石を拾いながら対岸まで慎重に渡った。
(徒渉六態)

対岸の一軒家の前には車道が入ってきているが、8年前の記憶をもとに「奥の滝」の道標に従って右の山道に入った。川沿いの踏跡を辿ると、やがて下に生瀬滝が見えて来て、更に生瀬滝下流まで歩いて、ザレた斜面を古い材木などを掴みながら河床まで下った。
上流には一軒家の前に紅葉に囲まれた生瀬滝があり、下流側には新しく出来た展望台の上を大勢の観光客が動いているのが見えていた。
(河床からの生瀬滝)

河床からの生瀬滝を楽しんでから一軒家の方に引き返し、途中に高みに登る分岐を見つけて登っていった。正規の登山道に戻る所にバラ線がはってあり、これをかわして袋田方向に進むと月居山への石段道に出合った。今日は月居山には登らないで、急な石段道を下って生瀬滝展望台に立ち寄った。生瀬滝は小さな滝だが、紅葉に彩られて良い眺めだった。
この展望台からも鉄の階段が続く。大勢の観光客が息を切らせながら登ってくる。「後どれくらい?」と聞かれ「もう一踏ん張り」と答えると、「嘘だ。さっき下でもそう言っていた」と座り込みそう。「あと50段」と付け足すと笑いながら登り始めた。
(展望台からの生瀬滝)

階段を下りきると通路にはもっと大勢の人が行き来しており、吊橋の上も、滝展望台の上も観光客で鈴なりだ。吊橋の上まで来ると、人が多いだけに揺れ方も一通りではない。先ほど滝を見下ろした絶壁を見上げてシャッタを押そうと思ったが、大きく揺れるので構図がなかなか定まらない。
(吊橋から崖上展望所を見上げる)

トンネル展望台の入口は、四度の滝を斜めに見上げて絶好のビューポイントだ。三脚を構えたカメラマニアや、携帯片手の人でごった返している。
(トンネル入口から)

入口の料金所で300円の入場券を買ってトンネルの中に入ると、長い長い行列が出来ていた。エレベータへ乗る順番待ちの行列が別の入口近くまで伸びていた。新しい展望台には階段はなく、エレベータに乗らなければ上がることは出来ない。「只今40分待ち」のアナウンスがあったが、今日はこのために来たのだと覚悟を決めて、行列の最後尾に並んだ。
長い行列も少しずつ進んで、20分もたって従来の展望台の前を通過し、やっと向かいのエレベータの前にやってきた。エレベータは2機あり、係員が16人ずつの乗客を下ろしたり乗り込ませたり整理に汗を流している。
(エレベータ30分待ちの行列)
(16人乗り2機のエレベータ)

エレベータを降りた階は、目の前に立ち木が茂っていて滝は全く見えない。下り客がエレベータに乗る列を作る専用の広場にしかならない。
階段を登って一段上の階に上がると、柵の前は何重にも人垣が出来ていたが、暫く待って最前列に出ると、四度の滝を上から下まで眺めることが出来た。紅葉との釣り合いも良くてなかなかの景観だった。ただ中段辺りが木の葉に遮られているのが少し残念な気がした。
(新展望台二階から)

最上階はもっと良く見えるのだろうともう一段上がってみたが、こちらは滝の下部が立ち木に遮られて全く見えなくなっていた。「自然景観を大切にした設計になっている」との説明板があったが、この見晴らしのままでは、今のうちこそテレビニュースに誘われて大勢の人が押し寄せているが、そのうち飽きられてしまうのではなかろうか。
(新展望台三階から。生瀬滝も見える)

また列を作ってエレベータに乗って下のトンネルまで下り、従来の展望台にも立ち寄った。四度の滝が目の前に大きく広がっていて、上の展望台から眺めるよりも迫力があるように思ったのは私だけだろうか。
(下の従来の展望台から)





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