W111.中国地方の名山めぐり
(大山・蒜山・三瓶山)

1.動 機
水戸アルパインの秋の特別企画として、中国地方の百名山・大山、二百名山の氷ノ山、蒜山、三瓶山を3泊4日で巡る特別企画が出た。蒜山には40年以上も昔に登ったことがあるが記憶が定かでなく、大山は麓をドライブしただけ、氷ノ山、三瓶山はほとんど知識がなかった。楽しみに参加したが、中二日が雨の天気予報になり、氷ノ山を割愛して中1日が観光旅行の休養日になった。1日目は晴天の大山登山、2日目は雨中の蒜山縦走、3日目は足立美術館、出雲大社、石見銀山の観光ドライブ、4日目は初冠雪した三瓶山を歩いて、4日間の変化の多い面白い山行旅行を楽しんできた。

2.データ
a)山域:大山弥山(1709m)、下蒜山(1100m)、中蒜山(1123m)、上蒜山(1202m)、女三瓶山(950m)、男三瓶山(1126m)
b)登山日:2009/10/31(土)晴、11/01(日)曇後雨、11/02(月)曇時々雨と雪、11/03(火)曇一時小雪後晴、
c)コースタイム:
アクセス(10/31): 日立自宅 2:10 = 日立電鉄南営業所 = 水戸南 = 水戸IC = 羽田空港 7:00 = 8:10 鳥取空港 = 10:50大山夏道登山口
(10/31)大山登山: 大山夏道登山口 11:10 ---- 夏山登山道---- 弥山 ---- 分岐 ---- 元谷 ---- 16:50 大山自然博物館駐車場 = 休暇村蒜山高原(泊)
(11/01)蒜山縦走:休暇村蒜山高原 = 犬挟峠登山口 8:35 ---- 下蒜山 ---- 中蒜山 ---- 上蒜山 ---- 槍ヶ峰 ---- 百合原牧場 15:40 = 16:30 休暇村大山鏡ヶ成(泊)
(11/02)観光:休暇村大山鏡ヶ成 8:15 = 足立美術館 = 松江城 = 出雲大社 = 石見銀山 = 17:50 国民宿舎さんべ荘(泊)
(11/03)三瓶山:国民宿舎さんべ荘 = 東ノ原駐車場 8:40 =(リフト)= 鞍部 ---- 女三瓶山 ---- 男三瓶山 ---- 女三瓶山 ---- 大平山 =(リフト)= 13:10 東ノ原駐車場
帰途(11/03):東ノ原駐車場 13:20 =国民宿舎さんべ荘(入浴) = 米子空港 20:05 = 羽田空港 = 水戸IC = 水戸南 = 那珂町 =東海西口 = 日立電鉄南営業所 = 1:10日立自宅
d)同行者:水戸アルパイン会員12名(男6、女6)、和子
e)地形図:1/25000 「伯耆大山」「蒜山」「三瓶山東部」

3.山行記録
(1日目:アクセス)
日立自宅 2:10 = 2:20 日立電鉄南営業所 2:25 = 2:35 東海 = 2:50 那珂町 = 3:20 水戸南 = 3:50 水戸IC = 友部PA = 4:35 三郷料金所 = 5:25 羽田空港 7:00 = 8:10 鳥取空港 8:40 = 9:10 道の駅はわい 9:20 = 10:50 大山夏道登山口

前夜早めに寝て朝2時前に起床し、我が家を2時10分に出発して2時半電鉄南営業所発のバスに乗った。東海、那珂、水戸で仲間が乗ってきて総勢14名で4時前に水戸ICから常磐道に乗った。みんな寝不足だ、友部PAで早めの休憩をして羽田まで居眠りしながら走った。
羽田に到着してから朝食をとり、7時発の飛行機を待った。出発前の天気予報では2日目から雨模様だったので、みんなでいやな天気になったと嘆き合っていたのだが、リーダから予定変更の説明があった。「2日目、3日目は雨が降りそうだ。初日は氷ノ山に登ることになっていたが、唯一の好天日に氷ノ山に登るのはもったいないので、展望メインの大山に登ることにしたい。2日目は蒜山を登り、その日に氷ノ山まで舞い戻るのは時間的にも難しいので氷ノ山は諦めて、3日目は観光だけにし、4日目に三瓶山登山にしたい。」との話だった。氷ノ山を楽しみにしていた仲間もいたが、お天気には勝てない。一日休養日ができたのが熟年には丁度よかったと思った。
定刻に飛び立った飛行機の窓からは、山頂に雪をいただいた山々が次々と現れてきた。飛行経路が定かでないので山座同定がままならなかったが、富士山や、八ケ岳、御嶽山、北アルプス、白山らしき山々が見え、やがて、訪れたことがない若狭湾の半島や島も見えてきて目を楽しませてくれた。
鳥取空港に到着すると、これから4日間お世話になるチャータバスが待っていた。大型ではないが、14名が各自2座席をとれて、これからの長旅もゆっくりとできる。鳥取空港から大山までは鳥取県の海岸沿いのR9や山陰道を延々と走る。日本海の風を受ける風車が立ち並ぶ美しい砂浜の海岸線だった。途中休憩した「道の駅はわい」の展望台からは大山は霞んでいたが、三山が綺麗に並んだ蒜山が見えていた。
(飛行機からの富士山)
(鳥取から米子までバス移動)


(1日目:大山登山)
大山夏道登山口 11:10 ---- 12:10 3合目 12:20 ---- 13:00 6合目 13:10 ---- 14:05 弥山 14:30 ---- 15:20 分岐 15:30 ---- 16:00 元谷 16:05 ---- 16:20 大神山神社 16:25 ---- 16:50 大山自然博物館駐車場 17:00 = 17:55 休暇村蒜山高原(泊)

今日は夏山登山道で弥山に登って、分岐まで引き返して行者コースを歩いて大神山神社にお参りして下山する。
(大山登山ルート)

(大山登山ルート標高差)

海岸線から南に曲がって大山に向かうと、すぐに立派な山が見えてきた。もう大山が見えてきたかと早合点したが、本当の大山はそのあとに姿を現した。あとで調べたら初めの山は鉄塔が林立している孝霊山という山らしかった。
まずは大山自然科学館下の広い駐車場に入った。トイレを使ってからもう少し先の夏山登山口にバスで向かったが、途中で渋滞になり、下車して歩道を夏道登山道の合流点まで歩いた。合流点で多くの登山者を見送りながら準備運動をして歩き始めた。
(大山麓までバス乗り入れ)
(夏山登山口で準備運動)

夏山登山道は階段の道だ。丸太や蛇籠で整備された道がどこまでも続く。しばらくは展望もない単調な階段道は辛かったが、周りの木々が紅葉し始めていて慰めてくれた。途中、行列から外れてOzさんと阿弥陀堂に寄り道して登っていくと、この頃から早朝に登り始めた登山者の下りに出会うようになった。多くは登り優先で待ってくれており、登山道は広くて歩きながら交差できることも多いが、人気の山らしく子供連れの家族や年寄り連れなども多く、しょっちゅう立ち止まって休憩しながらやり過ごした。予想以上に人の多い山だった。
(山頂まで階段の連続)
(登山ラッシュ)

5合目あたりから樹間に宝殊山の岩峰が見えるようになり、6合目の避難小屋の前で一休みしながら展望を楽しんだ。登るにつれて展望はさらに良くなり、眼下には宝珠山の下に元谷の巨大な砂防ダムの列が見えてきたし、崩壊が進む剣ヶ峰の北壁の痛々しい姿が目の前に現れてきて、噂を聞いていた大山の崩壊ぶりを実感した。
日本海は霞んでいたが、バスからは立派な山に見えていた孝霊山がはるか下に小さな山としか見えないのに驚いた。
(宝珠山と元谷)
(崩壊進む北壁)

雑木の中の急な長い階段道を登っていくと木道になり、やがて濃い緑の藪に突入した。これがダイセンキャラボクらしい。ダイセンキャラボクの木道は山頂近くまで続き、低木なので周りの展望が利いて嬉しかった。
多くの登山者と交差しながら避難小屋上の弥山山頂に立った。狭い山頂で順番待ちで集合写真と各自の記念写真を取り合った。
(山頂近くのキャラボク群落)
(弥山登頂バンザイ!)

三角点のある弥山の山頂はここから100m先で、そこまでは歩けそうな踏跡が伸びているがロープで立ち入り禁止になっている。あまり危険は感じなかったので危険防止よりも植生復元の意味が強いのだろう。その先の剣ヶ峰への稜線は南北両方が崩壊していて、今でも砂が流れ落ちているように見えた。痛々しいが、景色としては素晴らしい眺めだった。
(弥山と崩壊進む剣ヶ峰南壁)

下山前に、山頂直下の避難小屋で一休みした。小屋の外には発電機が唸っており、中には売店があって記念品やカップラーメン、ビール、ジュースなどを売っていた。時間はもう14時半、店主は店じまいを始めていた。
往路を分岐点まで下って、元谷に向って行者コースを下り始めた。夏道登山道よりももっと急な階段道だったが、紅葉の間から、宝珠山や剣ヶ峰北壁の岩壁が見えていて夏道登山道よりもずっと楽しい道だった。
(分岐点から元谷に下る)
(元谷の河原)

元谷に下りつくと、石だらけの広い河原が広がっていて、上流側には巨大な砂防ダムが見えていた。上の登山道から眺めたのでは想像もできなかった大きさだ。河原には何人もの登山者が展望を楽しみながら休んでおり、人影を入れないで北壁の写真を撮るのに苦労した。
(元谷から巨大な砂防ダムと紅葉越しに大山北壁を仰ぐ)

元谷で一休みして大山寺への道を下った。階段も少なく紅葉の多い気持のいい山道だった。15分も下ると大神山神社の奥社に着いた。焼失があり200年前に再建されたものらしいが、立派な構えの神社で無事の登山のお礼のお参りをした。
神社の奥には燃えるような紅葉が夕陽を受けており、その前の灯篭も立派に見えた。
(大神山神社にお参り)
(神社裏の紅葉)

下る途中の神門や狛犬さんも由緒ありそうだったし、延命長寿の御神水、古持地蔵、高綱の等身地蔵、暗夜行路ゆかりの石碑などありがたそうなものが多く、中でも長い長い自然石の参道が歩きにくかったが一番印象に残った。
写真などに時間をくって、先頭集団から後れをとったので、大山寺にはお参りしないで山門前から見上げただけで通過した。
(長かった石畳の参道)
(大山寺山門)

参道周りの街並みを通過してバスの待つ大駐車場についたのは午後5時、後ろを振り向くと大山の西斜面全体が夕日に燃えて見事だった。もう少し北側から日が射して北の岩壁にも夕日が当たればもっと綺麗だろうと思ったが、贅沢というものだろう。
(夕日に燃える大山)

バスは大山から大山環状道路と大山蒜山スカイラインを繋いで今日の宿舎の休暇村蒜山高原に向かった。途中、今や盛りの紅葉を楽しみ、日没を拝み、大山の南壁も眺めることができたが、蒜山に着いた時はもう暗くなっていた。
(夕日)
(バス車窓からの大山)

宿に着いてラドン温泉で汗を流してから夕食をいただいた。夕食がビュッヘタイプだったので少々食べ過ぎたが、山旅には勿体ないようなゆったりとした広い部屋で、朝までゆっくりと眠ることができた。


(2日目:蒜山縦走)
休暇村蒜山高原 8:10 = 8:25 犬挟峠登山口 8:35 ---- 9:45 雲居平 ---- 10:30 下蒜山 10:40 ---- 11:30 フングリ峠 ---- 12:25 中蒜山(昼食) 12:55 ---- 13:50 上蒜山 ---- 14:10 槍ヶ峰 ---- 15:10 百合原牧場 15:15 ---- 15:30 駐車場 15:40 = 16:30 休暇村大山鏡ヶ成(泊)

雷注意報付きの雨の予報だったので、途中でエスケープしても蒜山踏破の気分になれるように最高峰上蒜山側から歩き始める案が浮上しかかったが、結局は予定通りに歩きやすい下蒜山側から歩くことになった。
(蒜山縦走登山ルート)

(蒜山縦走登山ルート標高差)

朝目覚めると空には一部青空も覗いており、そのうち朝日も登ってきた。とても雨が降りそうな気配ではなく、皆さんの顔色も明るかった。それでも、早朝には頭を出していた目の前の上蒜山の山頂は、時間とともにガスの中に隠れてきた。
ビュッヘタイプの朝食で腹を満たして、バスで犬挟峠に向かった。車窓から見る上蒜山と中蒜山は雲に隠れていたが、下蒜山は尖った山頂をはっきりと見せていて山頂近くの急登が思いやられた。
犬挟登山口は犬挟峠の少し手前にあり、駐車場と立派な休憩舎があり、大きな登山道案内図と道標が立っていた。
(朝日)
(犬挟登山口)

登山口で準備運動をして歩き始めた。初めは緩やかな登山道で「昨日の大山とは大違い」と言いながら歩いて行ったが、尾根に近づくと階段道になりなかなかの急登になった。尾根に上がるとさらに傾斜がまし階段道が続いた。3合目過ぎると岩っぽい急登になってきて、太い鎖もつけられている。このあたりで雲の中に入ったようで霧雨の中を歩くようになったが、岩は滑りにくい性質のようだし鎖は重そうなので鎖を使わないで何とか頑張る。逆コースで歩いてここを下るのは大変そうだ。
長い岩の重なりを頑張ると5合目で、急に目の前が開けてきた。広々とした笹原の雲居平の始まりだ。目の前に下蒜山の山頂が雲の中に見え隠れし、眼下にはうっすらと緑の蒜山高原が広がり、名前のわからない中国地方の山々が連なっていた。
(尾根まで急登)
(雲居平)

霧雨も大粒になってきたので、雲居平の標柱のところでみんなで雨具をつけた。下蒜山山頂近くの登りにかかるとまた急坂になってきた。はじめは笹の中をジグザグに登り、最後は岩場の直登になった。ここを頑張ると9合目、ここからはなだらかに歩いてやっと下蒜山の山頂に到着した。三等三角点と山名標柱が立っていた。残念ながら一面ガスに囲まれていて何も見えない。集合写真と証拠写真を撮って次に向かった。
(山頂近くの急登)
(下蒜山山頂)

下蒜山から中蒜山までは長かった。はじめ紅葉した雑木の下の笹の道をなだらかに下り、少し急坂を踏ん張りながら下ると雲居平と同じような笹原に出た。雨は降りみ降らずみだが、風が強くて寒く中蒜山の姿も見えないので休んではおれない。
急坂を下るとフングリ峠の標柱があり、ここから中蒜山の急登が始まった。笹の中のどろんこになりかけた急坂を登るとコンクリート製の小さな避難小屋が見えてきた。
(フングリ峠まで下る)
(登りは急坂)

避難小屋のところが分岐で、少し入ったところが中蒜山の山頂だった。四等三角点と山名標柱の前で集合写真を撮って、避難小屋に引き返して中で昼食をとった。
避難小屋の少し手前に塩釜へ下るエスケープルートがある。雨中行軍に嫌気がさしかけてきて、数人はもうここから下りたい気分になっている。この気配を感じ取ったリーダは「ここから塩釜に下る道には嫌らしい急坂があり、上蒜山に登って百合原牧場に下ると道は良い30分余計にかかる。どっちにする?」と問いかけた。当然のようにみんな上蒜山ルートに意見一致した。(登山口の案内板では1時間以上の違いがあったはず、上蒜山にも登らせてやろうとするリーダの親心に違いない)
(避難小屋)
(中蒜山山頂)

中蒜山と上蒜山の間は笹の中のなだらかな道だった。泥んこ道で足を滑らさないように気を遣いながらも、草紅葉のような灌木の紅葉を愛でながら登り返していくと上蒜山の山頂に出た。二等三角点のあるピークは少し分岐を行ったところだが、こっちのほうが標高が高い。ここで集合写真を撮って下りにかかった。
(上蒜山へなだらかな道)
(三山制覇)

上蒜山からの下り道はいくつかの肩を超えながらなだらかに下る気持ちのいい道だった。八合目の槍ヶ峰は蒜山随一の展望台らしいが、今日はかすかに蒜山高原が見えるだけで、休暇村の建物探しだけで通過した。
このあたりの紅葉が最高潮のようで、ガスに霞み加減だったが周りの紅葉が綺麗だった。
(槍ヶ峰へ)
(蒜山高原に下る)

3合目からはジグザグの急坂になり、2合目から植林の中に突入した。登山道は滑りやすく、みんな植林の中を勝手な方向に競争するように下った。
植林を抜けると牧場の道になり、なだらかな道を気分よく歩いた。3か所のゲートを通過し、おおきく曲がる車道を歩いてバスの待つ駐車場に到着した。びしょぬれの雨具を脱いでバスに乗った。
今日は休日だが、歩いている間誰とも出会わなかった。展望が売り物の蒜山に雨の日に登る酔狂ものはいないということだろう。
(植林もありました)
(牧場を歩く)

蒜山大山スカイラインを走って休暇村大山鏡ヶ成に入り、宴会場で祝杯をあげて三山縦走の完歩を祝いあった。


(3日目:観光)
休暇村大山鏡ヶ成 8:15 = 9:25 足立美術館 11:25 = 12:05 松江城(車窓) = 13:00 出雲大社 14:00 = 15:15 石見銀山 16:50 = 17:50 国民宿舎さんべ荘(泊)

今日も雨模様の天気予報で、足立美術館、松江城、出雲大社、石見銀山と観光しながら明日の登山口近くの国民宿舎三瓶荘に向かう。松江城には天守閣に登ってみたいとの声があったが、時間的に車窓から眺めるだけになった。

(足立美術館)
ゆっくりと朝食をとって8時過ぎにホテルを出発して、米子道や山陰道などを1時間走って安来の足立美術館の駐車場に入った。朝も早い時刻だが、もう数台の観光バスが入っていた。
売店前を通って美術館に入ると、すぐに見事な日本庭園が目に入った。広いガラス窓から眺められるようになっている庭園は、バックに山を借景にして、砂地、芝生、石、流れ、松などを見事に配置した美しい日本庭園だった。近くの山の上から一条の滝も流れ落ちていたが、これは人工滝であることが見え見えだ。
(足立美術館の庭園)

美術展示場には日本画を中心にたくさんの作品が展示されていて、2時間の見学時間があっという間に過ぎて行った。
「くらべてみよう! 墨と色」:横山大観、川合玉堂、菱田春草など知っている画家の名前があり、味わい深い墨の世界、鮮やかで豊かな色彩の世界を見比べながら歩いた。。
「日本画家のことばと作品」:展示された名品のわきにそれぞれの画家の残したことばを紹介してあり、画家の考えも知って、作品を一層味わい深く見ることができた。
「横山大観名品選」:部屋いっぱいに広げられた屏風絵「紅葉」の豪華絢爛さに圧倒された。
「童画の魅力」:子どもたちの笑顔や、可愛い動物のしぐさなどを見てほのぼのとした気持ちになった。
「北大路魯山人陶芸展」、料理家として知っていた魯山人の焼き物に並んでいた。陶芸はよくわからない。
(魯山人の焼き物展示室)
(大観名品展示室)

(出雲大社)
みんなそれぞれ愛する人が幸せな結婚ができるようにとお参りしたが、今は御本殿が改修中で御仮殿でのお参りだった。ご利益は大丈夫かな。お参りの後、名物の出雲そばで昼食にした。
(出雲大社の御仮殿)
(大国主命と大波)

(松江城)
松江城に近づくと渋滞で、そのもとは満車の駐車場だった。入場しようと思っていたとしても無理な話、反時計回りに一周した。お濠の中を行き交う屋形船が目を引いた。
(松江城駐車場)
(松江城とお濠)

(石見銀山)
観光の最後は石見銀山。着いたのは15時15分だったが、あまり広くない銀山公園駐車場はまだ満車状態だった。少し歩くと銀山地区の立体模型があり、歩くルートを眼で確認した。
はじめ遊歩道を歩いて、石見守の墓や安養寺を眺めて清水谷精錬所跡に立ち寄った。
(石見銀山の地形模型)
(精錬所跡)

遊歩道の突き当りの龍源寺間歩に入って、昔の採掘現場の様子を見た。メインの間歩自体も頭が当たりそうな狭いトンネルだったが、採掘したのはそのトンネルから脇に掘られた狭い横穴とのこと、身体を横にしてやっと潜り込めるほどの広さしかない。手で掘るのだから、掘り出す岩の量はできるだけ少なくしていたということらしい。
(龍源寺間歩)
(間歩から狭い採掘抗を覗く)

石見銀山から今夜の宿舎の三瓶荘までは暗い道を走って1時間かかった。いくつもの露天風呂がある温泉に入ってから、山海の珍味が並んだお膳に舌鼓を打った。


(4日目:三瓶山)
国民宿舎さんべ荘 7:40 = 7:50 東ノ原駐車場 8:40 = (リフト) = 8:50 鞍部9:00 ---- 9:25 女三瓶山 9:35 ---- 9:50 兜山 ---- 10:05 ユートピア 10:10 ---- 10:40 山頂避難小屋 10:55 ---- 11:00 男三瓶山 11:05 ---- 11:45 ユートピア ---- 12:00 兜山 ---- 12:15 女三瓶山 12:20 ---- 12:35 鞍部 12:40 ---- 12:45 大平山 12:50 ---- 12:55 鞍部 13:00 = (リフト) = 13:10 東ノ原駐車場 13:20 = 13:30 国民宿舎さんべ荘(入浴)

予定では、女三瓶、男三瓶、子三瓶、孫三瓶と一周して、室内ノ池に下って太平山に登り返すことになっていたが、思いがけず夜中に降った雪で予定変更になった。
(三瓶山登山ルート)

(三瓶山登山ルート標高差)

朝起きて、外に出てみて驚いた。前庭から見える孫三瓶山や子三瓶山の山頂付近に雪が積もっている。特に子三瓶山は真っ白だった。昨夜、食後に露天風呂に入った時に少し霙が降ってきていたが、こんなことになっていようとは夢にも思わなかった。
これを見てリーダはすぐに予定を変えた。男三瓶から子三瓶への下りがそれでなくても危ないところ、男三瓶から引き返し、時間があれば後で太平山から孫三瓶まで往復するということになった。
バスで8時前に東ノ原の駐車場に着くと、スキー場は真っ白、女三瓶山も樹林の下を白くお化粧していた。リフトの予定を聞くと8時半から運行するという。(NETでは9時運転開始となっていた)これなら30分待っても、リフトに乗った方が早そうだ。往復切符を買って準備運動をしながら運転を待った。
(初冠雪した孫三瓶、子三瓶)
(三瓶温泉スキー場から女三瓶)

降車場所の除雪に時間がかかって運転開始が10分遅れたが、リフトに乗って太平山と女三瓶の鞍部まで上がった。リフトに乗っている10分間は寒かった。
鞍部からアンテナ塔が林立する女三瓶の山頂はすぐそこに見えた。
(リフト活用)
(リフト降場から女三瓶)

女三瓶山まではジグザグに切った道を登っていく。誰も歩いていない道に20cmぐらい積もった雪をラッセルしながら登っていく。ところどころ現れる紅葉が新雪に映えて美しい。
振り返ると、山頂に真っ白になった展望台を持つ太平山、丸い頭の孫三瓶が見え、眼下には東ノ原のスキー場も見えていた。
(雪道をなだらかに登る)
(女三瓶山頂)

女三瓶山頂には展望台がある。ちょうど視界も晴れ渡ってきて、大平山−孫三瓶山−子三瓶山−男三瓶山の連なりが見渡せ、その中の火口にハート型の室内ノ池がこじんまりと見えていた。天気が良ければこれらを全部回ったわけだ。
(女三瓶からの展望:太平山−孫三瓶−子三瓶−男三瓶、中に室内ノ池)

ゆっくりと展望を楽しんでから女三瓶山を下った。あまり急ではないが、やはり雪の積もった下りは登りよりも滑りそうで怖い。気を遣いながら慎重に下った。
女三瓶を下ると、今度は兜山への急な登りが岩だらけの道に雪が積もっていて大変だった。一歩一歩慎重に登った。兜山から振り返ると女三瓶の鉄塔群が輝いており、室内ノ池が可愛かった。
(女三瓶から下る、向かいは子三瓶)
(兜山へ岩場急登)

兜山から少し下るとまた岩場の急坂登り、これをこなしてやっと平らな雪道になった。ユートピアというところらしいが、この際本当に気持ち良くほっとするところだった。
ユートピアで一息入れて歩き出すと、三度目の急坂が待っていた。足を滑らせると谷に落ちてしまいそう。一歩一歩足を運びながら、下りはどうなるのだろうと少なからず心配になる。頼りになるリーダがいるからなんとかなるだろうとついて歩いているが、夫婦二人だけだったらとっくに撤退しているところだ。
(ユートピアの雪原)
(またまた急登)

最後の急坂を登り切ったが、この頃から粉雪が舞い始めた。目の前に小さな避難小屋があり、入口に「閉鎖。老朽化のため閉鎖します。床が抜けるかもしれないので注意」の看板が取り付けてあった。扉は施錠されておらず、中を覗くと木の床に板間がある立派な作りだった。雪を避けて全員中に入り、丁度追いついてきたご夫婦も中に入ってきたが、床はびくともしなかった。暖かいコーヒを作りパンを食べて元気をつけた。
一休みして、平らな山頂部の深い雪を踏んで少し先の山頂まで歩いた。ただっ広い山頂には一等三角点と山頂標柱が立っていた。天気が良ければ360°の大展望なのだろうが、粉雪舞う今の天気では何も見えない。集合写真と各自の記念写真を撮ってすぐに下りにかかった。子三瓶側に下るのは、登ってきた女三瓶側よりももっと厳しい岩場があるので、ここからピストンで引き返す。
(避難小屋で一休み)
(最高峰登頂バンザイ!)

下りでは、滑ると危険なところにはロープが張られた。ロープを掴んでいれば、とりあえず大怪我をすることはないだろうと、心配していた岩場も安心して下ることができた。避難小屋で一緒したご夫婦は我々を追い越して急坂を下って行ったが、そんなにベテランには見えなかったお二人だったが、人は見かけによらないもの、大したものだ。
下る途中で、3グループと交差したが、「思わぬ雪で苦戦している。ラッセルしてあったので助かったよ」と口々に言っていた。
(下りはロープも張られた)
(ジグザグ下り)

女三瓶から鞍部まで下り、子三瓶まで行くのは時間的にも無理だが、5分で登れる大平山までは登ってみようということになった。
大平山の山頂は三瓶4山の展望台になっていて、記念写真を撮ったりしながら男三瓶の山頂が頭を出すのをしばらく待ったが、ついに全貌を現すことはなかった。
(太平山からの男三瓶山)

鞍部に引き返し、往復切符を使って下りもリフトの御厄介になった。待っていたバスに乗って三瓶荘に引き返して、露天風呂の温泉で汗を流した。
(下りもリフト活用)
(三瓶温泉で極楽気分)

(4日目:帰途)
国民宿舎さんべ荘 14:30 = 14:30 三瓶山周回 15:10 = 17:30 米子空港 20:05 = 21:25 羽田空港 21:50 = 23:30 水戸IC = 24:00 水戸南 = 0:25 那珂町 = 0:45 東海西口 = 0:55 日立電鉄南営業所 1:00 = 1:10 日立自宅

三瓶温泉で汗を流してからバスで米子空港に向かったが、バスは出発前に三瓶山の周りを一回りしてくれた。この時間になると青空も出てきて、北の原からは堂々とした男三瓶山を仰ぎ見ることができた。中海からは初冠雪した美しい大山が見えていた。
(北の原から男三瓶山)
(中海越しの初冠雪の大山)

米子空港から飛行機に乗り、航路の混雑で少し遅れたが無事羽田空港に到着、待っていた日立電鉄のバスに乗って茨城に戻ってきた。3泊4日とはいっても、初日は2時半発、最後は午前様、熟年集団の旅とは思えないハードスケジュールだった。それでも、絶好の天気で大山に登り、雨の中で蒜山を縦走し、雪の積もった三瓶山を歩いたのだ。頑張ったお陰で、なかなか経験の出来ないような変化の多い面白い山行をすることができた。


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