X54.蓬田岳

1.動 機

去年の5月17日、水戸アルパインクラブで蓬田岳を周回するコースを案内してもらったが、その時はあいにくの雨で予定の岩登りコースを登るのを止めて一般コースを登った。蓬田岳にはいろんなコースで登ったことがあるが、この時登るのを止めた岩登りコースがとても面白いコースのように思えて、この時以来何時か登ってみたいものだと思っていた。この時は芝桜の盛りも過ぎていたので、新鮮な芝桜も眺めてみたいと思い、芝桜の盛りの時期を狙って出かけてきた。芝桜は遅霜にやられたのか少し淋しい感じだったが、ハイキングは去年教わったジュピアランドからの周回コースを歩き、念願の岩登りコースを登り、下りは蓬田新田コースを下って蓬田岳ハイキングを十分に楽しんできた。

2.データ
a)山域:蓬田岳(952m)
b)登山日:2010/05/13(木)晴
c)コースタイム:日立自宅 8:00 = 8:10 日立南IC = 9:00 差塩PA 9:10 = 9:20 小野IC = 9:40 ジュピアランド駐車場 9:50 ---- 11:05 養豚場 ---- 11:15 糠塚登山口 ---- 11:35 岩登りコ-ス分岐 ---- 12:10 展望岩 12:20 ---- 12:30 蓬田岳山頂 13:10 ---- 13:20 沢又南コース分岐 ---- 14:05 ジュピアランド駐車場 14:30 = 14:40 十石山入口 14:15 =(R49)(R6)(R245) = 17:15 日立自宅
(蓬田岳周回コース)

d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「田母神」
3.山行記録
出勤渋滞前に我家を出発して、日立南ICから小野ICまで久しぶりにETC通勤割引を使った。以前なら走行距離を100km以下にするために、日立市内の一般道を走って日立北ICから高速に乗るところだが、100kmを越えてもOKという通勤割引制度の改正で随分と楽になった。
小野ICで高速を降りて平田村に入ると、秀峰蓬田岳が目の前に迫り、車を降りてシャッタを押した。登山口のジュピアランドに入ると、数人の係員が近寄ってきてにっこりと挨拶し「駐車料金500円頂戴します」とご挨拶。今日は芝桜祭りの真っ最中だった。
風が強くて気温も低く、ヤッケを着こんで芝桜園に向かったが、今年の芝桜はまだらである。今年何回も繰り返された遅霜にやられたのか、花の殆んど咲いていないところが目立ち、土地の人達があちこちで植え替えなどご苦労されている。10時前だが、もう大勢の観光客が押し寄せており、幼稚園生集団の賑やかな声も響き渡っていた。
芝桜の中を歩いて、右の鉄塔点検路に入った。ここから養豚場近くまでは去年と同じコースを歩いたが、今年は天気がいいので、ワラビ採りや山菜採りのご夫婦に何度も出合った。
(麓からの蓬田岳)
(鉄塔点検路)

養豚場近くになると左に糠塚登山口への近道があるが、養豚場の道を確かめたくて直進した。養豚場近くにはいくつもの建物があり、舗装された道が入ってきていた。左に曲がって登山口に向かうと、大きな建物が壊された後のようで、広い敷地で残材整理が行われており、悪臭も流れてきていた。道はすぐにダートな道に変わったが、ところどころ駐車できそうな空き地もあり車で入るのに支障はない。
10分も歩くと鉄塔点検路からの近道と合流し、その先に登山口の表示板があった。広い駐車場があり、1台だけ軽自動車がぽつんと駐車していた。ここを起点にして周回すれば500円の駐車料金は不要だったな、とせこい事を考える。
(養豚場)
(糠塚登山口)

右に沢を見て、足下にヒトリシズカやシロバナエンレイソウなどを愛でながらゆるやかに歩いて行くと、岩登りコース登山口の表示があり、右に一般登りコースが別れている。
岩登りコースに進み、どんな道になるのかとわくわくしながら登っていったが、だんだんと急登にはなるものの普通のありふれた登山道が続いた。ヒトリシズカやユキザザを愛でるゆとりがある。
(岩登りコース入口)
(急登)

沢に下りて丸太の橋を渡ると、道は沢を歩くようになった。大小の石が転がる沢を登っていくので、確かに雨の日には厭らしい。
ここを過ぎると水場があった。パイプから流れ出る水量も多く、コップも置いてあったので渇いたのどを潤した。
(沢沿い)
(水場)

この辺りから大岩が続くようになった。クジラ岩とかモスラの頭などの大岩が続くが、道はこれを巻いているので岩を登るところは一ヶ所もない。誰でも歩けそうで「岩登りコース」というのは看板違いのように思えた。
大きな岩の脇の細い道を通り過ぎ、岩沿いに登って行くと大岩に赤ペンキで「展望岩」と書いてあった。後ろには狭い隙間がある岩があり、これがモスラの鼻抜けで去年苦労して通り抜けたところだ。
(クジラ岩)
(展望岩の下を通過)

展望岩に上がってみると、去年は見ることが出来なかった展望が広がっている。安達太良山は雲の中だったが、近くの東山、宇津峰、一盃山などが眺められた。
吹き飛ばされそうなほどの強い風のなか、しばらく展望を楽しんでから展望岩を降りた。去年は空身で通過したモスラの鼻抜けを、今度はザックを背負って通過できるかどうかトライすることにした。鼻抜けを通過できなければ展望岩下の別ルートで山頂に向かおうと思っていたが、和子が先に潜り込んでなんなく通過してしまった。負けてはおれないので、体の硬い私もこれに続き、あっちを向いたりこっちを向いたり苦労しながら何とか通ることが出来た。
(展望岩から)
(モスラの鼻抜け)

ここから笹の茂る急斜面を登っていくと2体の神様を祭った大岩があり、斜度がゆるやかになった。まわりにはオオカメノキの白い花が咲いていたが、赤いミツバツツジはまだ蕾のままだった。笹原の中を山頂部まで上がると、三角点の前で数人の団体さんが談笑中、しばらく手前の岩の上に上がって展望を楽しんだ。展望岩よりも視界が広く、宇津峰から大滝根山、矢大臣山まで見渡すことが出来た。
一等三角点の前で証拠写真を撮ってから、真新しい通信設備の土台に座って弁当を食べながら展望を楽しんだ。
(山頂の岩)
(一等三角点)

下山は、去年下った探検ルートに変えて、蓬田新田ルートを下ることにした。尾根筋を10分歩くとT字路になり、左に曲がってジュピアランドに向かった。杉林の中にすごい急坂が続いた。9年前に啓ちゃんと一緒に歩いて以来ここは歩いたことがなく、こんなに急坂が続いたかと驚きながら下った。何回も岩場も出てきて、糠塚登山口からの岩登りコースよりもよっぽど「岩登りコース」らしかった。
(蓬田新田コースを下る)
(岩場もあり)

ジュピアランドまで下ると、スピーカから明るい歌声が流れ、園内を歩く人は朝よりも多くなっていた。陽の光が芝桜を華やかにしており、多くの人が、綺麗に咲きそろった畑を選んではシャッタを押していた。
(ジュピアランドひらたに下り着く)

芝桜をゆっくり楽しんでもまだ14時過ぎ、帰るには早過ぎる。地図を広げてみると、近くに十石山という718mの山があった。見当を付けて小綱木の集落から林道に入ってみたが、林道の先に「立入禁止」の立札が立っていたので、諦めてそのまま帰ることにした。R49とR6を繋いで日立までゆっくりと帰ってきた。


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