X117.多高山と赤雪山
(栃木県の山ピークハント)

1.動 機
好天気の日曜日、またぞろ栃木の山のピークハントに出かけることにし、ヤマケイ分県登山ガイドの中から「栃木県の山」No.43(多高山)とNo.44(赤雪山)を選んだ。多高山には老越路峠からの最短コース往復登山をし、赤雪山には老越路峠から長石林道を12kmほど走った登山口から往復登山をした。ピークハントを済ませた後、近くの天然記念物名草巨石群を眺めてから帰って来た。

2.データ
a)山域:多高山(608m)、赤雪山(621m)
b)登山日:2010/11/21(日)晴のち曇
c)日程:
日立自宅 7:40 = 7:55 日立南IC = 8:55 田沼IC = 県道66 = 9:35 老越路峠路側 9:45 ---- 10:20 多高山山頂 ---- 10:25 岩場 10:35 ---- 10:40 多高山山頂 10:45 ---- 11:10 老越路峠路側 11:15 = 11:25 長石林道路側 11:30 ---- 11:50 反射板峰 ---- 12:20 赤雪山山頂(昼食) 13:05 ---- 13:30 反射板峰 ---- 13:55 長石林道路側 14:00 = 14:10 厳島神社上駐車場 ----(巨石群見物)---- 14:50 厳島神社上駐車場 15:00 = 県道218 = 県道208 = 県道66 = 15:30 田沼IC = 16:10 笠間PA 16:20 = 16:45 日立南IC = 17:00 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「番場」「ヤマケイ栃木県の山No.43&44」
(多高山−赤雪山−名草巨石群の歩行径路)

(多高山ルートの高低差)
(赤雪山ルートの高低差)


3.山行記録
(アクセス)
今日は簡単なコースで短時間で歩けるので、我家をゆっくりと出発した。ETC休日割引も常磐道も北関東道も空いていてすいすいと走り、日光連山を眺めながら気分よく走って田沼ICで高速を下りた。県道66号もゴルフ場までは広い道、その先も対向車が少なく、老越路峠まで快調に走った。

(多高山)
老越路峠に到着すると「多高山登山口」の小さな道標が立っていた、土が積まれた広場には日曜日なのに車が出入りしていたので、作業の邪魔にならないように路側に駐車した。
足利の松田へ抜ける長石林道の入口に「基幹林道前日光線」の案内板があり、その前でマウンテンバイクの青年に高年の男性がなにか説明をしていた。この男性は麓の飛駒町在の男性で、街からここまで歩いてきたとのこと。「若いころ近くに友達がいて良く登っていたが、久しぶりに一緒に登ってみようかな」とおっしゃったが、登山口を下見して「今は籔になっているようだ」と言って車道を歩いて下って行った。
身支度をして登山口に入ると、車道沿いにできたフェンス沿いに登山道があるようだが、ススキが覆っていて煩そうで、下草のない植林の中を登って行った。
(老越路峠に駐車)
(植林を登る)

植林を過ぎると急斜面の雑木林になり、立木を掴みながら登って行くことになった。足元がずるずると滑って歩きにくく、小さい山なのにひと汗かかされた。上から下ってきた宇都宮のベテラン御夫婦も「急坂で下りも足場が悪くて気持が悪い」と嘆いておられた。「この山は30分で登れる山で物足らない。はるばる日立からやってきたのだから次にどこかの山に登るのだろ」と聞かれ「赤雪山に登る積り」と答えると「我家も赤雪山に登るよ。また会いましょ」と言って別れた。
後述するように、下山時にフェンス側を下ったら、黒いプラスチック階段が作ってあって、こっちを登った方が滑らなくて登りやすかったようだ。
(雑木林の急登)
(階段道もあった)

30分で登り着いた山頂には三角点と壊れかけた石の祠があったが、立木に囲まれて展望は余り良くない。このあたりの山には疎くて山座同定には身が入らないが、次に登る赤雪山だけは南西方向の鉄塔の脇に確認した。
ガイドブックに足利CC方向に少し下ったところの岩場が展望がいいと書いてあったので、「ゴルフ場駐車場」の道標を見て岩っぽい道を少し下ってみた。岩陰に小さな祠があり、その前が狭い岩棚になっていて、その前がスパッと切れ落ちた断崖になっていた。筑波山も見えると言うので、近くの山々の向こうに霞む山並みを伺ったが、2本の松の木が育っていて展望を邪魔するのもあって今一つはっきりとしなかった。
(山頂の祠)
(岩場からの展望)

下り道では、なだらかな山頂部から急斜面に下るところで、右の尾根に分かれる踏跡があって危うくそっちに誘われそうになった。急坂をジグザグに下ったあと、登った道よりも左に向かう踏跡を辿ったら、黒いプラスチックの階段道に出くわした。階段道は上方に伸びており、ここから下方にも登山口までよく踏まれた道が続いた。登山口近くには石の祠が2体あって、この道が古い登山道であった事を示していた。入口にだけ茂っていたススキに惑わされたのが登り急登の苦労の始まりだったようだ。
駐車場所に戻ると、10人ほどのマウンテンバイクの若者が長石林道から出てきて、「基幹林道前日光線」の案内板の前でこれから先の進路の相談を始めた。聞けば長石林道は全面舗装の立派な道らしい。安心してこの林道に車を進めた。

(赤雪山)
長石林道は舗装はされているが、林道なので道幅は狭い。足利から抜けて来るのに便利な道らしく、結構な車がやってきて何度か交差のために道の譲り合いをしながら10分強走った。峠に着くと「田沼町飛駒」の境界札があってここが赤雪山の登山口、「赤雪山1.4km名草巨石群1.8km」の道標が立っていた。ガイドブックでは名草巨石群から赤雪山まで歩き通す往復登山が一般的らしいが、ピークハンターの我家はここから赤雪山まで往復する。
はじめの急斜面は丸太の階段で整備されている。歩幅が少し広いが、滑らないだけ助かる。上から何組かのグループと出合いながら登って行くとすぐに平坦な第一ピークの山頂部になり、向かいに二こぶの山が見えた。これが赤雪山だと早合点したが、地図を見ると赤雪山はその後ろだった。ここからもう二つピークを越えなければならない。
山頂部を越えたところに送電鉄塔があり、「赤雪山0.8km名草巨石群2.4km」の道標が立っており、その裏に「東京電力作業道、ハイキング道ではありません」の注意札が取り付けてあった。その道は広く下山時に誘いこまれそうな道で、注意札が必要な事が理解できた。
(長石林道峠の登山口)
(第一ピークの鉄塔)

鉄塔のところから紅葉の急坂を下り、同じだけ登り返すと、大きな反射板を取り付けた鉄塔が立っていた。ここから松田川ダムの眺めがいいと書いてあったが、立木が茂っていてその水面は全く見ることが出来なかった。
(雑木林の急登)
 (第二ピークの反射板)

反射板のピークから少し下ってまた登り返す。次の570mピークで丁度12時、和子はシャリバテでもう限界、ここで弁当にすると云っていたが、「赤雪山まで0.3km」の道標を見て山頂まで頑張る気になった。
(紅葉の急登)
(570mピーク)

鞍部まで下ると左に分岐があり、「駐車場まで1.1km」とあり、そばには「赤雪沢駐車場」の道標もあった。これが赤雪山の最短ルートのようで、三つもピークを越えなくてもいいだろうから一番の楽チンコースのように思えた。
お腹を空かせてからここからの急坂の登りはきつかった。励ましながら山頂に登り着くと、件のご夫婦が昼食を済ませたところだった。証拠写真のシャッタを押していただいてから、しばらく山談議に花が咲き、「ここから仙人ヶ岳までの4.2kmは気持ちのいい縦走路ですよ」と勧められたが、仙人ヶ岳には水戸アルパインで連れて行ってもらったことがあるので、また登る気にはならないだろう。
(最後のの登り)
(赤雪山山頂)

この山頂も立木に囲まれて展望がよくないので、弁当を食べてすぐに下山にかかった。570m峰から下る途中で北の展望が開けたところがあって、足尾や前日光の山並みが広がっていたが、日光連山は男体山の山頂がちょっぴり頭を出しているだけだった。

(第二ピークからの展望)


(名草巨石群)
赤雪山から登山口に下ったのはまだ14時前、時間は十分にあるので予定通りすぐ近くの名草巨石群に立ち寄ってみることにした。峠を出発して下ると、200m先で左の未舗装の道から一台の車が出て来た。これが名草巨石群へ入る林道で、分岐から500mも入ったところの左に巨石群の下の入口から上がってくる入山林道と合流し、さらにくねくねと曲がる道を1kmも走ると車道はお終いになりトイレのある駐車場があった。
駐車場のすぐ下に苔むした大きな岩が重なっており、その前に青い帽子をかぶった幼稚園児たちが引率者と一緒にボランテアさんの説明を聞いていた。園児たちの車はこの駐車場にはなかったので、下の駐車場から歩いて登ってきたらしい。高度差150m、1kmの参道を元気に登ってきたらしい。らくちんしているジジババとは大違いだ。説明を聞くと、ここが天然記念物巨石群の一番上にある御船石らしい。
(ピクニックの園児達)
(御船石)

少し下ると道が二手に分かれ、左の広い車道を下ると奥の院の上に出た。奥の院は大きな岩の上に立てられており、その前に大岩が重なった「お供石」があり、その上に赤い橋で渡るようになっていた。
(奥の院)
(お供石)

「お供石」の下に下りると、その隙間が「胎内くぐり」になっていたのでくぐってみる。さらに下ると「弁慶の手割石」と名付けられた綺麗に割れた石があり、その先が石段の参道になっていた。中年男性グループが汗を拭きながら登ってきたので「この下にも巨石がありますか」と尋ねると「なーんにもないよ」とのことだったので、下ったとは別の山道を登って駐車場所に戻った。
赤雪山の山頂で、宇都宮の男性が「名草の巨石群は有名だが大したことないよ」と云って奥さんに窘められていたが、なかなかいい雰囲気の神域であった。
(胎内くぐり)
(弁慶の手割石)

駐車場所から入山林道を走って巨石群入口に下り、県道218,208,66を繋いで田沼ICに向かった。田沼ICが愛車のナビに入っていないので、ICに入るのに少し回り道をしたが、高速に乗ってからは混雑もなく、笠間PAでトイレ休憩をして17時に無事我家に帰りついた。


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