A115.紅葉堪能・生瀬富士

1.動 機
 新しい登山靴を買ってもらった。早速足慣らしをしたくなり、久しぶりに生瀬富士に登ることにし、先週の天神山の時に見た袋田の紅葉がもっと綺麗になっているだろうと、袋田側から登ることにした。10年前には生瀬富士には袋田の滝側から登るのを常にしていたが、このHPを書き始めてからは裏の立神部落側からばかりで、袋田からは入っていない。町営駐車場前の登山口から入って生瀬富士に登り、立神山、かずま、滝展望所を経て下るコースで周回してきたが、久しぶりの厳しい急登、急降下続きのコースにすっかり音を上げた形になってしまった。それでも紅葉はまさしく真っ盛りで、嬉しい秋の贈り物を貰った。

2.データ
a)山域:生瀬富士(410m)、立神山(420m)
b)登山日:2013/11/18(月)晴
c)コースタイム:日立自宅 9:30 = 10:45袋田町営駐車場11:05 ---- 11:05登山口 ---- 11:30斜面への道標 ---- 11:40林道 ---- 12:20生瀬富士(昼食)12:55 ---- 13:20立神山13:25 ---- 12:40 400ピーク ---- 13:50生瀬滝道標 ---- 14:00かずま ---- 14:10滝展望所 ---- 14:20かずま ---- 14:45滝美館前 ---- 15:05袋田町営駐車場15:25 = 16:35日立自宅
(生瀬富士周回ルート)

(生瀬富士周回ルートの標高差)

d)同行者:和子
e)地形図:「袋田」

3.山行記録
 朝ゆっくり我家を出たら、袋田の町営駐車場に着いたのは10時45分、平日とは言え紅葉の真っ盛り、多くの観光客が滝の方に歩いて行っており、無料駐車場は満車状態、何とか車を押しこんで、トイレを使ってから身支度にかかる。新しい靴の紐締めに手間取って歩き始めたのは20分後。
 駐車場から道向かいに生瀬富士登山口の道標を見て民家の間を歩いて行き、次々こまめに出てくる小さな道標に誘われて谷あいを行く登山道に入った。記憶が定かでないが、途中から左の尾根に上がったような気がするが、分岐には道標がなく、そのまま谷あいの道を緩やかに登って行った。
 30分近く歩いたところにやっと左に曲がる道標があり、ここを上がるとまた谷あいを進む道になる。そのまま歩いて行くとまた左に上がる道になり、今度はジグザグに登って尾根に出た。尾根道を少し進むと林道にぶっつかり、そこは植林が伐採されていて、向かいに大きな岩がある生瀬富士の山頂が見えていた。
(長い谷あいの道)
(生瀬富士が見えた)

 林道を少し進むとまた登山道に入り、始めは緩やかだったが、途中から急登になり、ロープが張ってあってこれを掴みながら登って行った。
 急登を登って行くと砂岩の岩場になった。余り高い岩場ではないが、久しぶりの岩場登りに緊張気味、岩角を掴み足場を確かめながらゆっくりと登っていった。
(急になり)
(岩場登って)

 その上に真っ赤に紅葉したカエデの群落があり、なかなか綺麗である。黄色も綺麗だが、赤いところを選んでシャッタを押しながら一休み。
 少し進むと、次にまた岩場が出てきた。今度の岩場は斜度も急で、高さもある。根っ子やロープを掴みながら慎重に登る。10年前に九大山岳部OBの方々を案内して、「低い山なので多寡を括ってきたが、結構な岩場もあってビックリした」との感想を貰ったところだ。
(紅葉に慰められ)
(二つ目の岩場)

 二つ目の岩場を登りきると、そこはもう山頂で「生瀬富士420m」の小さな山頂札が立木にかかっていた。山頂に岩の上に丸い「地籍図根三角点」の金属柱が埋め込んである岩があり、その上に上がると360°の超展望。条件が良ければ日光や那須の連山が見えるところだが、今日は気温が上がって霞んでいる。すぐ目の前の立神山の右向こうに奥久慈男体山を挟んで白木山と女体山が見え、左には鍋足のギザギザの山並み、里美牧場の風車、三鈷室山などが見えていた。風を避けて岩の陰に座り込んで弁当を広げた。
 昼食を終わって北の岩頭に行ってみようかと思ったが、その方から明るい笑い声が聞こえてきて、家族連れの姿が見えたので行くのを遠慮した。(ここまでの急登で気分的にも随分疲れていたので、余分な歩きはもう十分だったと言うのが正直な話)
(生瀬富士から奥久慈の山)
(山頂岩頭部)

 生瀬富士の山頂から次の立神山へは転げるような急坂下り、ロープで確保しながらゆっくりと下る。
 その途中の右左にも真っ赤に色付いたカエデが何本も見られた。青空と赤いカエデの葉っぱのコントラストが綺麗だった。紅葉を見て一息入れながら下って行った。
(急坂下り)
(紅葉真っ盛り)

 50m下って50m登り返す。やっとの思いで登りきると三角点のような標石があり立神山の山頂札が立っていた。
 振り返ると生瀬富士の山容が見えており、あれを下って登り返したんだと感慨深く見返す。
(急登)
(立神山から生瀬富士)

 立神山からも同じぐらい下って登り返すと、次の300mぐらいのピークからは眼下に袋田の温泉街が広がり、その左上に奥久慈男体山から月居山への縦走路の山並みが見えていた。
(袋田温泉街)
(月居山と奥久慈の山)

 400mピークから尾根筋を下って行くと赤ペンキで「生瀬滝に至る」と書いた大きな道標が右斜面に登山道に案内していて、ここから急坂下りが続いた。
(生瀬滝へ道標)
(どんどん下る)

 ジグザグになったりしながら大きく下って、何度か小さな上り下りを下り返してやっと「かずま」の道標を見てホッとした。以前ここを歩いた時は、生瀬富士からこんなに長い道のりだったという記憶はなく、脚力の減退を身に染みて感じた次第。分岐点に大きなカエデの木の群落があり、本日一番の絶景に見えた。
(かずま峠の紅葉)

 かずま峠で紅葉を鑑賞しながら一息入れて、袋田の滝を上から眺めようと先に進んだ。ひと山越えて10分ほど歩いた先の高みから、樹間に袋田の滝の上部分が見えていてシャッタを押した。四度の滝の下の方が見えないのは樹が茂ったからかとここから引き返したが、帰宅後V113.紅葉の袋田の滝めぐりを見直してみると、滝の下部分まで見える崖上展望台は更に5分ほど先に行ったところだった。まあ滝は陽が陰って見応えがなさそうだったのでまあいいかと自分を慰める。
 向かいには月居山が見えており、元気ならここから生瀬滝まで歩いて行って滝上を渡って月居山に立ち寄るところだが、そんな元気は残っていない。かずまに引き返していると、若くて明るい感じのいいご夫婦に出会った。「生瀬滝まで行くの」と訊くと「滝を眺めて引返します」と、「気を付けて」と老夫婦を気遣ってくれる優しいご夫婦だった。生瀬富士で明るい笑い声と高い話声を聞いて家族連れかと思ったのはこのご夫婦だったのかもしれない。
(展望所からの袋田滝)
(月居山)

 「かずま」まで引返して、滝本に向かっての下りにかかる。ここからの下りは岩場は無く土の登山道だが、150mの下りは長い。急斜面のトラバース道では足を踏み外さないようロープに捉まりながら慎重に下って行った。
 下りきったところに狭い堰堤の上を渡るところがあり、バランスが悪くなっている自覚があるので、よちよち小股で慎重にわたった。
(かずまから急坂下り)
(堰堤を渡る)

 堰堤を渡りおえるて左に下ると荒れた茶畑があり、雑草が混じったお茶の木は伸び放題に伸びていた。奥久慈茶の出荷制限は解除されたはずだが、風評被害でまだ大変なのだろうが、これから先どうなるのだろうか。
 「かずま」から30分近く下ると、見覚えのある滝美館の看板の脇に出た。振り返ると300m峰が見え、その手前の山肌の一面がお日様を受けた紅葉、黄葉で綺麗だった。
 旅館街に出て自動販売機で冷たい飲み物を買って、黄葉の下のベンチで一休みした。まだ滝に向かう観光客が後を絶たないが、我家はもう歩く元気がなく、「滝はもう日が陰ってくるからつまらない」と言いながら駐車場に戻った。
(やっと温泉街へ出た)
(一休み)

 駐車場に戻る途中、歩いてきた山並みの紅葉の写真を撮ってみたが、丁度陽が雲に遮られて色が出なかった。残念! 
(入口からの袋田滝)

 駐車場に戻って靴を履き替えて我が家に向かった。近くの工場の退勤時間の前に着くよう、珍しくどこにも立ち寄らないでまっすぐに帰った。腰も気分も随分と疲れたが、新しい靴の履き心地は良かったし、綺麗な紅葉も充分に味わうことが出来て嬉しい山行になりました。




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