F21.つるしひな祭り

1.動 機
 観光茨城のHPに「ひなまつり-桃の節句の起源は平安時代までさかのぼるといわれています。昔からの伝統を受け継ぎ、茨城県内の各地で今年もひなまつりが行われています。古くは江戸時代、明治時代からのひな飾りを眺めながら、各地の町並みを散策してみてはいかがでしょうか。」とあり、近在で今行われているものとして、東海テラパーク つるし雛展と那珂のひなまつり(曲がり屋、中央公民館、歴史民族資料館、総合センタらぽーる)が紹介されていた。桃の節句にはまだ早いが、また寒さがぶり返して来たこの時期、室内で楽しめる雛まつりは嬉しい行事だった。

2.データ
a)山域:東海原電、那珂市、瓜連
b)登山日:2018/2/7(水)
c)コースタイム:森山12:10 = 12:30東海テラパーク13:10 = 13:15レストラン13:55 = 14:15那珂中央公民館14:25 = 14:25一ノ関ため池親水公園14:30 = 14:30曲り屋14:45 = 15:05総合センタらぽーる15:35 = 15:40古徳沼15:45 = 17:10森山
d)同行者:和子

3.山行記録
3.1 東海テラパーク
 R246を南下して原研入口前交差点の手前の原電入口を入っていくと、2年前と同じように赤い円錐筒が交互に立ててあってジグザグに走るしかないようになっていた。入口の警備員にOKを貰ってジグザグに走っていくと、先に閉まっているゲートがあり、立っていた警備員に「つるし雛見学」と伝えるとゲートを開いて入れてくれた。指差された左側に曲がるとテラパークの玄関が見え、駐車場は前庭の脇にあった。
 玄関前には原電のマスコットのテラちゃんが笑顔で出迎えてくれ、扉の中にはつるし雛が飾ってあった。テラとは地球を意味するラテン語だとのこと。
(駐車場から東海テラパーク)
(テラちゃんお出迎え)
 玄関右のガラスドアを通って受付に行くと、「つるし雛展をどうぞ。他の展示物の見て原子力クイズもやってみて下さい。答のヒントは裏に書いてある展示場所にあります。」と一枚の紙を渡された。問題は五つだが、一つは消してあった。
 受付前のギャラリーがつるし雛の展示室になっていて、つるし雛で飾られた入口の奥の部屋には色々な雛飾りが展示されているのが見えていた。
(ギャラリー・つるし雛展示室)
 部屋の中には対のみみずくの人形が置かれた円形のソファーがあり、その真ん中のテーブルには。可愛い猫の人形など飾ってあり、その上の傘から全周つるし雛が下げられていた。
 部屋の周りには飾り棚が造られて可愛い人形がずらりと並び、壁にも人形絵や振袖衣装など飾ってあった。
(みみずくちゃん(?)カップル)
 後の飾り棚のアップ写真です。猫や犬などの動物の人形や雛飾りなど、どれも手作り感いっぱいで見ていて楽しい気持ちになります。 
(可愛いお雛さんたち)
 炬燵にもぐり込んで気持ち良さそうに眠っているジジババと孫たちの微笑ましい家族の情景もあった。
 全体的な印象が、2年前に始めてここに来た時見た人形展と似た感じがし、入口の壁際に書いてあった5人の製作者を2年前の写真に写っていた女性名と比べてみると同じだった。写真を比べると、展示作品の中にも同じ作品が数点認められた。
(炬燵で仲良し家族)
(作者名)
 雛人形展をゆっくり見てから、原子力展示ホールやサイエンスプレイランドを見て歩いて少し勉強をした。
 46億年前の地球誕生から生物発生、人類誕生までの長い歴史を絵で解説した絵巻。
(動物発生から人類誕生までまで)
 茨城県の名所、名勝と東海村12景は全部知っていて訪れた事もある。
(茨城名所あれこれ)
 サイエンスプレイランドの奥の方に鎖で囲まれた囲いの中で、天井から細い線で吊り下げられた大きな銀ピカ玉の振り子が揺れている。フーコの振り子といい、地球が自転していることを証明する装置、北極上では振動面が一日一回転し、北緯30度では半回転すると言う。北緯36度の日本では0.6回転することになる。これを示すために床面から24本の小さな棒が円形上に等間隔に配置されていて、そのうち8本が倒されていた。三角関数やコリオリの力など何年か振りに勉強しました。
(フーコの振り子)
(説明板)
 地球の仲間たちという説明図には。太陽から水星、金星、地球、---、冥王星と順に直径比例の大きさで表示されていた。これにそれぞれの星の「太陽からの距離、公転周期、赤道半径、表面の物質組成、他7項目」の中に地球の自転周期が0.997日と表示されていた。太陽の大気の主な成分がクイズの問題の一つだった。
 茨城の偉人たちの説明図に、私の好きな黄門さま(徳川光圀)など8名の胸像が描かれ、その功績が添えられていた。
(太陽系惑星)
(茨城の偉人達)
 原子力発電の歴史から最新の安全管理システム、未来の原子炉まで見て回って、その中に答えを見つけ出して書いたクイズの紙を提出すると、見事な花丸印を貰った。賞品にハンカチも頂きました。
 テラパークから出ると、前庭に入るときには気が付かなかった「サッチャー首相ご視察記念樹」の立札が目に入った。説明文は
    ここから発電所の方をご覧になって、奥側(右側)の東海発電所は、わが国最初(昭和41年運転開始)の商業用原子力発電所でイギリスから導入したものです。
    去る昭和57年9月18日、イギリスのサッチャー首相がご来日の折、この東海発電所を親しくご視察されました。
(◯を貰いました)
(サッチャー首相ご視察記念樹)
 駐車場に戻って車に乗ってゲート前に行くと、入ってくる車があってゲートには入れない。車が一台ゲートを通過して入ってきたが、前の車は動こうとしない。随分離れたところに停まっていて運転手が乗っていないようにも見えたので、我家がゲートに向かって動き出したら係員に制止された。ジグザグ道を入ってくる車がもう一台いたのだった。

3.2 那珂市中央公民館
 次は那珂市に入る手前のレストランに入って簡単な昼食をとって、那珂市中央公民館に向かう。すぐ近くに曲がり家があるので都合がいい。
 「那珂のひなまつり」の旗が立つ公民館の会場に入ると、那珂つるしびなの会のお知らせがあって「9月からつるしびな講座の先生の指導のもと、つるしびなを製作します」とあった。
(那珂市中央公民館)
(那珂つるしびなの会)
 広い公民館に入ると「日本の四季・初春 春」の看板が立っていて、傘のように放射状に伸びた棒の先からいっぱいつるし雛が垂れ下がって飾られていた。
(つるし雛)
 その奥が展示会場、段飾りが2台、その前にずらりとつるし雛が飾られていた。
(つるし雛展示会場)
 2体の段飾りメインにそれぞれの写真を載せたが、那珂つるしびなの会のお知らせを見ると、今回のメインは前に飾られているつるし雛だったらしい。段飾りやケース入りの親王飾りなどは既製品かもしれないが、つるし雛が近隣の女性たちが長い月日をかけて作られたものらしい。その気でつるし雛を近くで良く見ると、一つ一つ違った感じに作られた動物や植物の人形は見ていて楽しくなる味わい深いものだった。
(段飾りお雛様@)
(段飾りお雛様A)
 段飾りの横囲いの裏には、また一味違った抽象的な形をしたつるし雛や親王飾りが展示されていた。
 そのうち老人ホームの人達が大勢入ってきて賑やかになった。お雛飾りを眺めて嬉しそうな車椅子のご婦人たちの嬉しそうな表情は、見ているこちらも嬉しくさせてくれるいい笑顔だった。
(細かい飾り物)
(老人ホームの来場者)
 
3.3 一ノ関ため池親水公園
 中央公民館の前は広い一ノ関ため池、その縁が親水公園になっていた。ため池をバックに親水公園には七福神の大黒様と恵比寿様の石像が並んでいて、その隣に「微笑」と題した石碑が立っていた。内容は後から読もうと思って写真に撮っておいたのだが、拡大しても「根本正の生涯と功績」の題字が見えるだけだった。根本正が何者かNETで調べると、未成年者喫煙禁止法や未成年者飲酒禁止法を制定し、地元茨城のため、水郡線開通に力を尽くした那珂市出身の元衆議院議員さんらしい。
 七福神が後ろ向きだったので、ため池の方から写真の撮り直しをした。
(一ノ関ため池と七福神)
(大黒様と布袋様)
 親水公園から溜池を見ると、50羽近い白鳥が鴨と一緒に泳いでいて賑やかだった。
(白鳥)
 白鳥を見ながら左の岸辺まで歩いていくとソシンロウバイの大きな木があり、まだチラホラ咲き残りの花が咲いていた。和子は白鳥と組み合わせてシャッタを押していた。
(ソシンロウバイと白鳥)
3.4 曲り屋
 ため池の左に藁屋根の古民家があり、前に「那珂のひなまつり」の旗が何本も立っていて、これがつるし雛を飾ってある曲り屋だった。
 少し左側から見ると曲り屋であることがよく判る。
(つるし雛まつりの旗と曲り屋)
(曲り屋)
 居間に飾られた雛飾りは前庭から見えるが、老人ホームの人たちで混んでいたので、先ずは玄関から土間に入ると右に藁作りの馬が居た。昔の曲り屋では馬も同居するのが普通の事だった。
 土間の奥には薪火焚きの竃があり、その前の板間で何やら細かい作業をしているご婦人があり、聞くと「展示に間に合わなかったつるし雛を仕上げているの」とのことだった。
(馬小屋)
(つるし雛仕上げ中)
 表に出て前庭から居間を見ると、土間側の部屋には公民館にあったと同じ「日本の四季・初春 春」の看板が立っていて、タケノコがポコポコと頭を出している竹林があり、その後に満開の梅の花が咲いていた。散り落ちた花びらもあり、早春の風景になっていた。
(梅の花とタケノコ)
 隣の居間には段飾り雛が2連飾られていて、その前に手作りの小さなお雛様が並び、周りには子ども用の小さな和服が彩りを添え、これらを囲むように沢山のつるし雛が賑やかに飾られていた。
(段飾り雛とつるし雛@)
(段飾り雛とつるし雛A)
 曲り屋の庭にもソシンロウバイが咲いていて、プロ風情の男性が大きなカメラを構え、曲り屋をバックにロウバイを狙っていた。真似してみたが上手い写真にはならなかった。プロはもっとロウバイの近くから狙っていた。
(ソシンロウバイと曲り屋)
3.5 総合センタらぽーる 
 次の総合センタらぽーるは瓜連支所近くにあって少々離れている。車のナビに行き先指定して15分走って到着。らぽーるとは
    市民の保健・福祉・生涯学習の向上を図るための活動拠点施設として建設され、主に保健センター・福祉センター・生涯学習センターの3つで複合されています。
(総合センタらぽーる)
(松カッポ、ドングリ)
 玄関から入ったところが広いロビーで、奥の方に段飾りとつるし雛が見えていたが、その入口に縦書きの「三界萬霊」と横書きの「横手市」の札が付けた何かがあり、裏に回ってみたら小舟だった。三つの迷いを運び出すということ?
    三界は欲界(淫欲・食欲・睡眠欲など、本能的な欲望が強い世界)、色界(形あるもののことで、欲望を離れた浄妙な物質からなる世界)、無色界(欲望も物質的な面も超越した、精神的な要素のみからなる高度な世界)の三つの迷いの世界という。
 秋田県の横手市と那珂市には下記の歴史があり、姉妹都市の関係だとのこと。
    今から遡ること約420年前の1602年、佐竹氏の家臣、戸村城主であった 戸村氏が秋田に移りました。 1672年に戸村氏が横手城代となり、以降、秋田藩廃藩まで戸村家当主が 横手城代を継承してきたという歴史的に深い関わりがありました。
(姉妹都市・横手市)
(山塊萬霊を運ぶ小舟)
 ロビーの中ほどに、入口側と裏側と両方から眺められるよう、背中合わせに雛飾りが並べられていた。入口側から見ると、黒留袖と段飾りが並び、その前の赤毛氈の上に手作りの御姫様と動物の人形が並べられ、手前に対の大きく高いつるし雛飾りが立っていて華やかさを引き立たせていた。
(雛飾り・入口側)
 裏側から見ても似たような配列で、赤い振袖と段飾りが並び、その前にぼんぼり、赤毛氈の上に子どもと動物の人形、一番前に嫁入り衣装の御姫様が並べられ、手前に入口側と同じく対の立派なつるし雛飾りが立っていた。
(雛飾り・裏)
 入口側の動物の人形と、裏側の嫁入り衣装のお姫様のアップ写真を並べます。
(動物とお姫様の人形)
(お嫁入り人形)

3.6 古徳沼
 らぽーるの住所は那珂市古徳となっていたので、古徳沼が近いのだろうとナビで検索して車を移動した。古徳沼の駐車場から沼の方を見ると、湖畔の休憩舎に数人の男性がカメラを持って何か相談しているように見えた。
 湖畔に上がるとこちらが餌やり場なのか白鳥がいっぱい泳いでいて賑やか。大きなカメラを三脚に据え付けて湖面を眺めている。すぐ近くに白鳥がいっぱい泳いでいるのに何を待っているのか質問してみたが「なかなかいいチャンスが来ないんだ」と訳のわからない呟きが返ってきた。休憩舎の中の人たちも同じチャンスを待っているのだろう。
(休憩舎)
(シャッタチャンス待ち)
 どんな写真を撮るのか、そのチャンスを待ってみたい気もしたが、お日様が陰ってきて寒くなってきたので、仲良く泳いでいる鴨や白鳥たちを入れて我家流で適当にシャッタを押して帰途についた。
(古徳沼@)
(古徳沼A)
 那珂市のひな祭り展示場はもう一か所、那珂市総合公園内の歴史民族資料館があったのをうっかり忘れ、ここまでのお雛様で十分満足して我が家に帰ってきた。



inserted by FC2 system