V31.大子アルプス鋸21峰


1.動 機
月待ちの滝から生瀬富士の間の稜線に、地形図上にピークが現れる峰が21峰も連なっている。シモンさんが茨城鋸21峰と命名して、ぼとくさんとの「八溝山から筑波山へ」の2回目に縦走した。ヤマザクラの高見山からこの連山を眺めたりしながら、いつか歩いてみたいと思っていたが、縦走するには車が二台欲しい。今回、啓ちゃんが快く付き合ってくれることになり、やっと縦走が実現することになった。啓ちゃんの付けた命名は「大子アルプス」、シモンさんのと合わせて「大子アルプス鋸21峰」を表題とした。
(高見山から眺めた鋸21峰)

2.データ
a)山域:釜田三角点(334m)、赤坂三角点(413m)
b)登山日:2008/03/01(土)晴一時曇
c)コースタイム:日立自宅 8.00 = 8:40 道の駅さとみ 8:45 = 9:10 立神集落P 9:15 = 9:25 月待の滝P 9:40 ---- 10:00 #1---- 10:04 #2 ---- 10:12 #3---- 10:22 #4---- 10:35 #5釜田三角点 10:42 ---- 10:52 #6 ---- 11:02 #7 ---- 11:25 車道 11:35 ---- 11:45 #8 ---- 11:54 #9 ---- 12:07 #10(昼食)12:45 ---- 13:00 #11 ---- 13:15 #12 ---- 13:35 #13 13:40 ----14:00 #14 14:05 ---- 14:15 #15 ---- 14:25 #16 ---- 14:30 #17 ---- 14:37 #18 ---- 14:49 #19赤坂三角点 15:00 ---- 15:08 #20 ---- 15:28 #21 ---- 15:34 アンテナの峰 ---- 15:40 生瀬富士分岐 15:50 ---- 16:30 立神P 16:35 = 16:45 月待の滝P 16:55 = 18:20 日立自宅
d)同行者:啓ちゃん、和子
e)地形図:1/25000 「袋田」
(大子アルプス/鋸21峰縦走ルート)


3.山行記録
シモンさんは月待ちの滝から鋸21峰を縦走して生瀬富士を越えて袋田の滝に下りた。今の我家では少しきついことが心配で、無理な時には生瀬富士を割愛することにして、下山口の車を立神集落に置くことにした。
無理して早起きも止めにして8時に我家を発車、集合場所の道の駅さとみで啓ちゃんと合流して、立神部落に9時10分に到着した。ここに啓ちゃんの車をデポして北上、月待ちの滝の第二駐車場に10分で到着して身繕い、滝見物は後回しにして道路沿いの擁壁にあるスロープから9時40分に登り始めた。
スロープを上がり竹林沿いの道を歩くと、白山神社の標石があり、その先に石の鳥居と社があった。鈴を鳴らして歩き始めた。雑木林の尾根筋にしっかりとした登山道があり、やがて右側が切れ落ちた崖の縁を登るようになった。結構な急坂が続き、今日の気温が高いこともあって、すぐに一枚脱いだ。
(月待の滝から登山道へ)
(崖っぷちの登山道)

下には久慈川と大子町川山の集落が見渡せた。このコース全体にわたって、樹間になったりはしたが、右側に八溝山から大子の山並みが見渡せて飽きさせなかった。
1番目のピークを越え、続いて3つ(プラス1)の小さなポコを越え、杉と桧混栽の植林の中の急坂を登りきるとやっと三等三角点が目に入った。5番目のピークだ。ここまで55分、シモンさんたちの45分に比べやはり時間がかかっている。
(久慈川と大子の街)
(334.3m釜田三角点)

三角点峰から気持ちのいい尾根歩きが続き、小さなポコと6番目のピークを越えて、7番目のピークの登りも急坂になった。
(21回登り)
(21回ピークを踏み)

7番目のピークからは下りが大変だった。急な下りを立ち木に掴まりながら下った。この季節、コースには落葉が厚く散り敷いていてまるで布団のようだ。うっかり足を滑らして尻餅をついたが、軟らかい布団の感触で気持ちが良かった。
尾根筋を真っ直ぐ歩くと車道の擁壁に突き当たるので、左の谷に下って車道に出た。すぐ向かいに次の山への山道が見えていたが、峠の向こうがどうなっているのか見たくて車道を東に回ってみた。擁壁が尽きたところで擁壁沿いに上り始めたが、だんだんと急登になってきたので諦めて、車道に下りて元のところまで引き返した。啓ちゃんは登りルートを探しながらそのまま登っていった。
引き返したところからの山道沿いには国土地理院の標石が並んでいて歩きやすく、8番目のピークへの80mの登りも楽に登ることが出来た。啓ちゃんがなかなか現れないので心配したが、手に大きなサルノコシカケを持って「癌の特効薬ゲット」と言いながら攀じ登ってきた。このサルノコシカケを写真に撮って川柳を添え、フォト五七五の川柳仲間に紹介するのだという。
(21回下る)
(古い車道を横切る)

10番目のピークを越えたところの陽だまりで弁当を広げた。啓ちゃんの豊富な話題で、いつもとは一味違った賑やかな昼食になった。しかし、ここまでで、まだ半分も歩いていないことに話が来ると、ゆっくりとはしておれない。腰を上げて次に向かった。
この後、10番からの下りにあったばら線に惑わされたが、シモンさんたちが苦労した12番からの下りには藪はなく、はっきりとした踏跡があった。このコースもぼとくさんの山靴通信に紹介されて以後随分歩かれて道が良くなっているのだろう。13番への登りは真瀬久保からの破線の道に出合って、助かった。
雑木林と植林が入れ替わり現れるが、このルート沿いの植林は見事に枝打ち下草刈りがされていて、歩いていても気持ちがよかった。
(その後も急登、急下降が続く)
(植林も手入れ良くて気持ちいい)

地形図には14番峰の西面、南面は崖記号になっているが、その通り片側が開けていて素晴らしい展望だった。歩いて来た月待ちの滝からの峰々を振り返り、良く来たもんだと嬉しくなった。
(#14の崖)
(歩いて来た峰々を振り返る)

遠くは霞んでいて、期待していた日光や那須の雪の連山は見えなかったが、高笹山・八溝山から堂山、南に南山、太郎山など大子の山々がずらりと並んでいた。
(#14からの大展望)

登ったと思ったらすぐに下るということを繰り返したが、16番ピークへの登りでは足元が滑って慌てて掴んだ立ち木の棘が手の平を刺して血を流し、「手袋をしないからよ」と和子のお叱りを受けた。
19番の山頂にはまた三角点があった。標高413.2mは今回縦走の最高地点だ。残りもあとわずかだ。三人揃った記念撮影をした。南には樹間に男体山のような山が見えており、シャッタを押した。
(413.2m赤坂三角点)
(男体山と女体山)

次の20番はすぐだった。、最後の21番へ向かう下りで、同じところで落ち合いそうに思えて私一人違う方向に下りはじめた。尾根がどんどん違った方向に進むので、あわててトラバースして二人に追いついて無事だったが、要らぬ体力を消費した。
21番で無事完歩したことを祝いあったが、ゆっくり休むこともなく次に向かった。次の鉄塔の峰はなぜか峰の数に入れられていないが、ピークを越えたところに#147鉄塔が立っており、シモンさんに連れられて入久野瀬から鉄塔沿いに生瀬富士に登った「生瀬富士裏縦走」時に、ここを通過したことがある。
生瀬富士と立神との破線の道の分岐点で一休みし、これから生瀬富士に登るかどうか相談した。体力も十分に使い、21峰を完歩して十分に満足したし、生瀬富士には何度も登ったことがあるので、今回はパスしようと衆議一決した。
谷沿いの破線の道を下り始めたが、谷底は道も荒れており、まだ雪も残り氷も張っていて歩きにくい。左の尾根に登っていって、鉄塔点検路に入ってその道なりに下山した。点検路も一部凍結していて気を使いながらゆっくりと歩いた。
(破線の道を下る)
(鉄塔点検路)

無事、立神部落に下山し、デポしていた啓ちゃんの車で月待の滝駐車場に向かった。途中の土手に、朝は気付かなかった大きな氷柱群があり、一時停車してシャッタを押した。本山越えしてきた啓ちゃんは、本山の氷柱は今はもうなかったという。
駐車場に着いてから、朝は見なかった月待ちの滝まで下りてゆっくりと眺めた。なかなか美しい風情の滝ではある。
(氷の芸術)
(月待の滝)

里美のJA直販所まで一緒に走ってきた啓ちゃんと別れて、途中のスーパで夕食の食材を買い込んで帰宅した。今日の山行は、距離こそ大したことはなかったが、上り下りの多さで疲れ果て、夕食後、満足感と共にぐっすりと眠った。




inserted by FC2 system