W44.四ツ又山から鹿岳縦走
(アカヤシオオフ下見山行T)

1.動 機
パソコン通信で交流している仲間が定期的にどこかの山に集まって、直接顔を合わせて交流するオフという行事を行っている。毎年4月末は前橋の在のトラベエさんの計らいで西上州の山に集まってアカヤシオの花を愛でるアカヤシオオフが行われる。トラベエさんから、本番の1週間前にアカヤシオの開花状況を見る下見山行をするので、希望者は同行OKとの連絡が入った。
和子は少々の難所でもベテランの先導があれば平気で歩くのだが、私と二人では怖がって足が先に進まない。西上州の山は岩山が多く、夫婦二人の山歩きには無理なところが多く、登った山も少ない。絶好の機会とトラベエさんの好意に甘えて下見山行にくっついて歩いた。
下見は2日続きの好天気のもと、四ツ又山、鹿岳、物語山と3っの山を歩いたが、アカヤシオは満開状態だった。我家としては満開のアカヤシオに酔いしれて満足いっぱいの山行だったが、一週間先にはこれらの山のアカヤシオは散ってしまいそうだ。トラベエさんには次週の山をどこにしようかという大変な宿題が残った。

2.データ
a)山域:四ツ又山(900)、鹿岳(1015)、物語山(1019)
b)登山日:2009/04/18(土)晴、19(日)晴
c)コースタイム:
1日目: 日立自宅 6:15 = 道の駅下仁田(集合) 8:50 = 大久保路側PA 9:25 ---- 大天狗峠 ---- 四ツ又山(昼食) ---- マメガタ峠 ---- 鹿岳 ---- 木々岩分岐 ---- 下高原 ---- 17:20 大久保路側PA = 下仁田旅館(泊)
2日目: 下仁田旅館 = 下仁田駅(集合) = スポーツランド下仁田 8:05 ---- 登山口 ---- 物語山(昼食) ---- 登山口 ---- 14:10 スポーツランド下仁田 = = 18:00 日立自宅
d)参加者:トラベエさん、ウシコさん、和子
e)地形図:1/25000 「荒船山」

3.山行記録
1日目:四ツ又から鹿岳縦走
日立自宅 6:15 = 6:25 日立南IC = 7:25 佐野藤岡IC ---- 7:55 太田桐生IC = 8:10 波志江PA 8:15 = 8:40 下仁田IC = 8:45 道の駅下仁田 8:50 = 9:15 大久保路側PA 9:25 ---- 9:35 登山口 9:45 ---- 10:35 大天狗峠 ---- 11:14 四ツ又山第一峰 11:20 ---- 11:25 第二峰(昼食) 12:05 ---- 12:10 第三峰 ---- 12:20 第四峰 12:25 ---- 12:55 マメガタ峠 ---- 13:55 鞍部 ---- 14:00 一ノ岳 14:25 ---- 14:30 鞍部 ---- 14:45 二ノ岳 15:15 ---- 15:40 木々岩分岐 ---- 16:30 下高原 ---- 17:20 大久保路側PA 17:30 = 17:50 下仁田旅館(泊)
(四つ又山−鹿岳縦走ルート)

(四ツ又山−鹿岳縦走ルートの高低差)

事前に1日目は四つ又山と鹿岳を歩くと連絡があったので、ガイドブックを読んでみると、鹿岳は二瘤の岩山で相当な難所のようだ。まあ、ベテランに先導してもらえば何とかなるか。
久しぶりに早起きして、6時過ぎに出発、日立南ICから常磐道に入り、友部JCTから北関東道に曲がった。この道は走る車が少ないうえに全線片側2車線で走りやすい。栃木都賀JCTで東北道に入って佐野藤岡ICで一旦高速を下りてR50を20kmほど走る。この間はほとんど街をバイパスしているので快調に走れる。ETC休日割引がここで切れて高速料金が2倍かかるのが痛い。
下仁田ICで下りて道の駅下仁田に到着すると、トラベエさんご夫妻は既に到着してお待ちかねだった。
今日歩くルートの説明を受けて、登山口の大久保集落に向かった。大久保登山口に着いて大きな案内板を眺めながら、奥の下山口のどこかに1台デポして来ようかと考えていると、上から3人の男性が下りてきて、「工事用の車に占拠されていて奥の駐車場はだめだよ」と教えてくれた。この辺りの道は狭くて駐車できるところが見つからない。600mばかり引き返したところに広くなったところがあり、ここに2台駐車して歩き始めた。
登山口まで歩いて引き返して登山道に入ると、「今日は大勢入って行ったよ」とおじさんが話しかけてきた。この辺りの地主さんで、登山道脇の広大な畑地に野菜やワラビを作っていたり、家の周りには色々な花が植えられていた。クマガイソウやアツモリソウの育て方や苦労話を10分間ほど聞かされて、ついには「我家のアカヤシオも散ってしまったから、山頂ももうお仕舞いだよ」のご宣託まで受けた。
その先に数台の車が停まっている駐車場があり、ここから山道らしくなる
(大久保登山口)
(しばらく沢沿いを登る)

マメガタ峠への沢沿いの道を登っていくと、やがてなだらかな畑地になり、四ツ又山への分岐があった。右に曲がると柵に囲まれたワラビ畑があったが、この辺りまでくだんのおじさんの土地なのだろう。これを過ぎると植林の中の急登になり、少々汗を搾られた。
大天狗峠に登りつめると目の前にピンクの花が咲いている。一瞬アカヤシオだと思ったが、ヤマザクラの花だった。ヤマザクラの先に小さな大天狗の石像があり、ここから本格的な急登になった。
(分岐点あたりは畑地になる)
(植林の急登を登って大天狗峠)

ジグザグに登っていくと、まわりはツツジの潅木だらけだ。あちこちにツツジの花が咲いているのが見え、「何だ、まだ咲いているよね」とアカヤシオかと思ったが、少し色合いが違う。ミツバツツジだった。
高度を上げると、樹間にちらちらと鹿岳の二瘤が見えてきた。昨日の雨が今日の太陽に温められてガスになって、今日は残念ながら展望は余り良くなさそうだ。立派な烏天狗の石像を通り過ぎると四ツ又山第一峰の山頂だった。
(ミツバツツジ)
(山頂手前に烏天狗)

山頂には大きな石像がおわして、その後ろに山名板が立っていた。早速記念写真を撮りたかったが、大きなカメラを持った男性が石像の頭にカメラを載せてアカヤシオ越しの鹿岳を狙って動こうとしない。朝早くから登って来て、もう3時間も狙っているのだが、鹿岳がすっきりとした姿を現してくれないのだとぼやいていた。長時間粘っている人に申し訳ないが、少し席をずれていただいて証拠写真を撮り、薄ボンヤリの鹿岳の写真も撮った。そろそろ昼食の時間だが、山頂は狭く、次々と団体さんも登ってくるので次の第二峰に向かった。
(第一峰山頂の石像)
(第一峰から鹿岳)

第二峰はルートから少し離れているので登ってくる人も少ないので、石像の裏に陣取ってゆっくりと弁当を広げた。
次の第三峰は松越しの鹿岳の格好が良かった。もう少しガスが晴れてくれれば写真になるのだがなあ。
最後の第四峰にはアカヤシオがいっぱい咲いていた。特に少し下山口に寄った小広場は、回り全体がアカヤシオに囲まれていて、どこかの女王様のピンクの部屋にでも入ったような気分を味わった。
(四ツ又山第4峰山頂はアカヤシオ満開)

登ったら下らなければならない。アカヤシオの花が散り敷くロープを張られた崖を下り、雑木林を立ち木に掴まりながら下って痩せ尾根に降りると、目の前に鹿岳が大分近くに見えるようになっていた。依然ガスっているが、痩せ尾根の先端の岩場に上がってツーショットを一枚。
(四ツ又山から急坂下り)
(途中に鹿岳展望台)

もうマメガタ峠まで下ったと思ったら、まだまだ崖のような急坂の下りが続いた。マメガタ峠に着いて「ここから大久保に下ることも出来るが、鹿岳に登るか?」の質問。何とかひっぱり上げてくださいとお願いした。
マメガタ峠の近くはスミレの花が多かった。エイザンスミレやタチツボスミレ、ヒゴスミレ?など形もいろいろで可愛かった。いちいち座り込んでシャッタを押していると結構疲れてくる。
(マメガタ峠へまた急坂下り)
(マメガタ峠はスミレの宝庫)

鹿岳に近付いてくると、またアカヤシオが賑やかになってきた。ここまで来ても鹿岳の岩壁はまだすっきりとしない。くだんのカメラマンはどうしたかなあ。
(鹿岳麓のアカヤシオ)

鹿岳の足元まで来て、どこから取り付くのだろうかと岩壁を見上ていると、岩壁は脆くて登れないと聞いて安心した。大岩の後ろに回りこむように二瘤の間の鞍部に登るルートができていた。ウシコさんに先導されてロープや鎖に助けられながら鞍部まで登った。
鞍部は十字路になっていて、正面の急坂を下れば下高原、左一ノ岳、右二ノ岳だ。太い丸太で作られた梯子を登ると岩っぽい急坂が続いていた。山の形から多少の岩登りもあるのかなと覚悟していたので、意外に優しい登山ルートに一安心、それでも足を滑らせると一巻の御仕舞いになりかねない。一歩一歩慎重に登った。
(鹿岳鞍部へ岩場の登り)
(鞍部から第一峰に梯子)

山頂には摩利支天の石碑が立つ大岩があり、目の前にこれから登る二ノ岳が見え、反対方向には今下ってきた四ツ又山が見えていた。
ここのアカヤシオはまだ蕾だった。来週なら満開になって二ノ岳バックに良い写真になりそうだ。邪魔物のないところでアクセントのない二ノ岳の写真を撮った。
(一ノ岳山頂)
一ノ岳から二ノ岳を

鞍部まで下ると、二ノ岳から下ってくる団体さんに出逢い、上高原の急坂を下る人たちだったので、やり過ごすのに時間がかかった。
二ノ岳への登り口は一ノ岳よりもきつかった。梯子も長いし、鎖場も長かった。
(二ノ岳への登り)

山頂からは遮るもののない展望地、残念ながら遠くは見えなかったが、一ノ岳がすぐそこに見え、その左後ろに四ツ又山が見え、一ノ岳の真後に尖って形の良い山が見えていた。小沢岳という山で初心者でも登れるらしい。
(二ノ岳から一ノ岳、後ろに四ツ又山と小沢岳)

下山コースをどうするか御下問があった。マメガタ峠に戻るのが一番優しいコース。一ノ岳との鞍部から下高原に下るのは崖の下りもあり少々骨が折れる。 反対方向に木々岩方向に下って回り道をすれば遠回りになるが、変化があるかも、とのこと。宿に「遅くなるよ」と電話を入れて、木々岩ルートにしてもらった。我家は宿に泊まれば据え膳つきだが、トラベエさんは帰宅後も大変なのを忘れていた。
遠回りだから下りはなだらかなのだろうと早合点していたが、西上州にそんな山はなかった。転げ落ちるような急坂を2度も下ることになり、その上木々岩への道から左に分かれて下っていくと植林の伐採地に入った。踏跡もはっきりしなくなったが、ウシコさんは感良くルートを見つけながら倒木を乗越え乗越えしながら下って行った。
(急坂の下りが2回)
(植林の伐採跡)

ほぼ下りきったところから右手に大きな岩が立っているのが見えた。一本岩という岩らしい。一本岩を眺めながら一息入れた。
ここから少しで林道に出て、谷間を下っていって車道に出るところに、木々岩峠登山口の標識があった。やがて民家も出てきて下高原の集落を過ぎ、高原登山口を過ぎると両側が絶壁に挟まれたところもあった。良くもこんなところに道路を作ったものだ。
のんびりと1時間近く車道を歩いたが、道傍の民家は風情があるし、色々な花も咲いていて退屈しなかった。
(一本岩)
(下高原集落の車道)

次の日のルートについて希望を聞かれたが、勉強不足で提案できない。今日の山のアカヤシオが既に満開だったので、来週、この山に来るケースはなくなった。物語山という面白い名前の山があり、数年前の台風で壊われた登山口までの車道が修復されていればラクチンコースなので、みんなで揃って登るのに丁度良い。標高が似ているのでここも満開になっているかもしれないが、車道が復旧していれば時間があるので、もう一山下見しようとうことになった。集合場所は私達の宿の近くで、下仁田駅にしてもらった。
駐車場所で別れて宿に入ってゆっくりと休んだ。女将さんは表面上は愛想なかったが、親切にも翌日の朝ご飯を6時半からにしてくれた。





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