X126.里美の富士山

1.動 機
毎年春秋に行っている同期会の山歩きで、来年の春は里美の富士山を歩くことに決まっていて、そのルートの立案が私に委ねられている。年の瀬も迫って、家事いろいろと忙しい時になってきたが、明日が降水確率0%の予報を見ると家にいるのが勿体なくなり、この下見を兼ねて出かけてみることにした。
塩の草の車道終点の登山口から尾根道を登って里美の富士山に登頂し、薄葉沢に下って滝見物をして薄葉沢林道を歩いて登山口に戻ってきた。573mの里美富士には何度も登っていたが、その奥の2つのピークには4年前に水戸アルパインで歩いて以来登ったことがなかった。3つのピークを合わせて富士山と呼ぶようになっているようで、石の祠のある従来の富士山には「前峰573m」の立札があり、638mの三角点石のあるピークには「中峰638m」、その奥の最高峰に「奥峰655m」の立札が立っていた。

2.データ
a)山域:里美富士奥峰(655m)、里美富士中峰(638m)、里美富士山(前峰)(573m)
b)登山日:2010/12/25(土)晴
c)コースタイム:日立自宅 9.20 = 10:20 登山口 10:35 ---- 11:30 里美富士(前峰) ---- 10:50 中峰 ---- 11:55 分岐 ---- 12:00 奥峰 12:05 ---- 12:10 分岐(昼食) 12:35 ---- 12:55 薄葉沢出合 ---- 13:25 登山口 13:35 = 12:45 里美JA直販店 13:00 = 14:00 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:「里美牧場」
(里美富士−薄葉沢周回ルート)
(里美富士−薄葉沢周回ルート標高差)


3.山行記録
同期会の時に予想される集合時間に合わせて、我家を9時20分に出発した。途中、生田集落近くから富士山の写真を撮ってから、塩の草集落の車道終端の登山口には10時20分に到着した。
車道の終点には何本ものコンクリート製の電柱が置いてあり、左の薄葉沢林道から出てくる大型車の轍の跡が泥んこで残っていて、今や工事中のように思われた。車の通行の邪魔にならないよう林道出口から離して駐車し、身支度をしてから10時35分に右の尾根コースに向かって歩き始めた。
(生田集落と富士山)
(車道終点の登山口)

畑地の畔から植林の中に入ると、植林は間伐作業進行中で、直進方向の道は伐採材で塞がれていた。右に曲がる登山道を辿り、適度に出てくる道標のまま歩きなれた道を登って行った。
しばらくすると何本も倒木が前に立ちはだかるようになり、さらに林層が松混じりの雑木になってくると倒木の数が増えて来た。今年春歩いた時には倒木がこんなにはなかったと思いながら見渡すと、周りの松の多くが松食い虫にやられて立ち枯れ状態になっていた。折から木枯らしが吹きつけると、ミシミシと異様な音を出しながら泣いているようだった。大木に倒れかかられては叶わないと、倒木を乗り越えながら先を急いだ。
(道標完備の登山道)
(倒木多し)

途中休み時間を取りながら結構な急登を登りきると、11時30分2つの石の祠のある里美の富士山の山頂に到着した。登山口から1時間弱だった。
祠の脇には「里美富士・前峰573m」の新しい標柱が立っているので、ここは富士山の本峰ではなかったのかと見渡すと、傍らに古い「里美富士山頂」の山名板が立ち、立木にはカワスミさんの青い「里美富士」の山名板が取り付けてあった。ここが里美の富士山には違いない。

(里美富士山頂:前峰)
(富士山の山名板)

富士山登頂の証拠写真を撮ってから少し下り、生田の滝への分岐を右に分けて20分ほど登ると三角点らしき標石のある638mのピークに到着した。ここには「里美富士・中峰638m」と書かれた先ほどの前峰にあったのと同じ形の標柱が立っていた。
更に登って行くと5分ほどで左に向かって「薄葉沢へ」の分岐表示板があり、進行方向に「里美富士・奥峰」、来し方に「里美富士・中峰、生田の滝」と案内されていた。これで、富士山の3つのピークを一纏めにして富士山とし、里美の集落から見て前から順番に「前峰」「中峰」「奥峰」と命名されたことを理解した。
(三角点標石の中峰山頂)
(三叉分岐点)

それなら「奥峰」にも登らないと富士山を征服したことにはならないと云うことになりそうなので、道標に従って登って行った。分岐点から5分ほどで次のピークに登り着くと、そこにはやはり「里美富士・奥峰655m」の標柱が立っていた。
最高峰で昼食にしたかったが、木立に遮られて日当たりが余り良くなくて寒い。温度計を見ると気温は3℃だった。分岐点まで下って、日当たりの良いところで弁当を開いた。熱い味噌汁で胃袋は暖かくなったが、指先は木枯らしに吹かれて冷たかった。早々に下りにかかった。
薄葉沢への下り道は急坂が続く。厚く積もった落葉を踏むのは気持ちがいいが、うっかりするとズルリと滑るので油断ならない。寒い寒いと言いながら和子が飛ばすので、葉を落とした木立の間に白い那須連山が見えていたがシャッタを押す暇もない。よたよたと追いかけているうちに汗ばんできた。随分と早足で下ったので分岐から薄葉沢までの所要時間20分は、同期会の時のコースタイムの参考にならない。
(最高峰の奥峰山頂)
(落葉の急坂)

薄葉沢まで下って、沢沿いの林道を登山口に向かって歩いて行き、途中の「早瀬の滝」「薄葉沢ノ滝」「塩の草滝」など一つ一つ近くまで下ってシャッタを押していった。
(薄葉沢の滝)
(塩の草滝)

植林の林道を1km強歩いて登山口の駐車場所に近づくと、林道いっぱいの幅のある大型車の轍があり、脇には定尺に切った杉材が山になっていた。今日は土曜日なので作業がお休みなので良かったが、作業中だったら無事に通してもらえたかどうか怪しいものだ。、
(沢沿いの林道)
(出口に丸太山積み)

駐車場所に戻って、畑で柿の木の剪定作業中の男性としばらく話をしてから、帰りの車は駐車した道からまっすぐ伸びる道を走ってR349に出ると、R349からの入口に「薄葉沢の滝入口」の道標が立っていた。
ここから富士山を振り返ると、一番手前の前峰が中峰や奥峰を差し置いて一番立派に見え、富士山らしくも見えていた。
(R349からの入口)
(徳田からの富士山)

里美JAに立ち寄って野菜を買いこみ、「一周して歩行時間2時間半、同期会のハイキングには適当な距離だが、相当キツイ急坂もあるので前峰だけ征服して引き返すグループがあってもいいのかな」などとと話しながら我家に帰ってきた。




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