Y27.八方尾根スノーハイク
1.動 機 水戸アルパインクラブのスノーシューハイクの一回目は白馬村に出かけて、岩岳から白馬三山を、八方池から不帰の嶮を眺望しようと計画されたものだった。5年前のイエローフォール以来、頑なにスノーシューを拒んでいた雪嫌いな和子が、リーダの上手なお誘いに乗って水戸アルパインのスノーシューハイクに初参加することになった。珍しい人が参加した所為か生憎のお天気になったが、一日は綺麗な雪景色を眺め、次の日は白馬村の文化に接する貴重な体験をし、いつもとは一味違った楽しい山行になった。 2.データ a)山域:八方尾根(1684m) b)登山日:2011/2/27(日)晴、28(月)雨 c)コースタイム: 2月27日(日):日立自宅 3:55 = 4:05 日立電鉄南営業所 4:10 = 4:35 勝田駅 4:40 = 4:55 水戸駅 = 5:15 水戸IC = 5:45 桜川RP 5:50 = 6:35 佐野藤岡IC = 7:05 太田桐生IC = 7:10 波志江PA 7:20 = 9:05 松代SA 9:20 = 9:25 長野IC = 10:40 八方駅 10:55 =(スノーハイク)= 14:00 兎平 14:35 =(ゴンドラ)= 14:45 八方駅 15:05 = 15:15 白馬ハイランドホテル(泊) 2月28日(月):白馬ハイランドホテル 9:05 = 9:10 大出公園 9:40 = 10:15 八方文化会館 11:25 = 11:30 菊池哲男フォトギャラリ 12:35 = 13:05 美麻ポカポカランド(昼食) 14:05 = 14:50 長野IC = 15:20 東部湯の丸SA 15:35 = 17:05 波志江PA 17:15 = 18:00 佐野SA(夕食) 18:30 = 19:10 桜川RP 19:15 = 19:50 水戸IC = 20:10 水戸駅 = 20:35 勝田駅 = 20:55 日立電鉄南営業所 21:00 = 21:10 日立自宅 d)同行者:水戸アルパインクラブ会員11名(男性7、女性4)、和子 e)地形図:「白馬町」 3.山行記録 1)アクセス 前夜の天気予報では白馬の天気予報は、1日目曇り後雨、2日目雨だった。夜明け前に茨城を出発したバスが北関東道の終盤に入ると夜もすっかり明けて空には青空が見えだし、右手に山頂だけ白い赤城山、正面に真白な浅間山が見えてきて、余り晴れやかでなかった仲間の顔が明るくなってきた。上信越道に入ると左右に妙義山や浅間山、八ケ岳、美ヶ原を見ながら走ると目の前に北アルプスまで見えて来た。
長野道に入ると飯綱山が大きく見えはじめ、その左の高妻山が尖った山容を見せ、一般道に降りると白馬三山がだんだんと近づいてきた。バスの車窓から思いがけず素晴らしい展望を楽しむことができて大満足、できればこの展望がいつまでも続いてくれればいいのだが。
2)スノーハイク
途中のコンビニで昼食を調達してゴンドラの八方駅に10時40分に到着、往復乗車券を貰ってスキー客に交じって4人乗りのゴンドラに乗り込んだ。右手に気持よさそうに滑っているスキーヤーを眺めながら10分間の空中散歩、高度を一気に600m稼いだ。
ゴンドラを下りた兎平からは、西側の展望が広く、火打妙高から乙妻高妻、西岳にかけての雪山が綺麗だった。
兎平には、黒菱平から下って来るスキーヤや八方に下るスキーヤでいっぱいだった。目の前のゲレンデはデコボコだらけ、巧みに回り込んだり乗越えたり、上級者のスキーヤが上手に滑っていた。
左のペアリフトは強風で運休中、右の混みあっている4人乗りのアルペンクワッドリフトに乗った。久しぶりのリフト乗車、隣に乗ったスキーヤに促されるまで安全バーを降ろすことも忘れていた。冷たい風をまともに受けて少々寒いが展望は素晴らしかった。 リフトから下りるとき雪面がカチカチに凍っていて、足は滑りそうだし、リフトに引っかけられそうだし、怖い思いをして無事黒菱平に到着。
リフトでも300m高度を稼いで、ここの標高はすでに1700m、白馬三山から右に素晴らしい展望が広がっていた。
予定ではここからもう一つリフトを繋いで八方池山荘まで上がって、そこから八方池までスノーシューで登る予定だったが、強風のためこの上のリフトは運休。八方池山荘まで150mをスノーシューで登ることになった。5年ぶりの和子のスノーシュー装着のお手伝いをする。 雪面は表面が固まっていてスノーシューの歯では滑りやすい。ときどき突風が地吹雪とともに吹き付けてきて吹き飛ばされそうになり、左にトラバース気味に歩いた時には左足が利かず、何度も転びそうになった。アイゼンで登っていたグループも強風に恐れをなしたか、途中から下り始めた。仲間にも吹き飛ばされて20mも30mも下に流されて登り返す人も出て、和子はすっかり怖気付いて、ここから黒菱平まで下りて待っていると言いだした。私が何を言っても聞き入れなかったが、下山さんに「一歩一歩」と一言励まされるとまた歩き始める気になった。登る気になれば体力は一人前だ、突風に逆らいながら頑張って登っていく。
八方池山荘前に着いてもときどき襲ってくる突風はやまず、外では寒くて我慢できず、山荘の中に入って昼食を取った。レストランの熱いカレーライスやカレーうどんが美味しかった。
昼食を取りながら1時間ほど様子を見たが強風は一向にやむ気配はなく、八方池まで登るのは止めにしてここから下ることになった。
外に出るとだんだんと鹿島槍や白馬三山がだんだんと雲に覆われ始めており、雲の切れ間を狙って展望をバックに記念写真を撮った。 下りでは風は後ろから吹き付けるので歩くのも楽、目も開いておけるので前の高妻山などの展望を存分に楽しみながら歩くことが出来て、楽しいスノーハイクになった。
下りはリフト沿いの急坂をまっすぐ下り、途中からは尻セードで遊びながら黒菱平まで賑やかに下った。
登り始めにスキー場の人に「強風でリフトが運休になることもありうる」と注意されていたが、アルペンクワッドリフトは無事運転継続中。このゲレンデは急斜面の上、モーグルが出来そうなほど大きなデコボコだらけの雪面、尻セードもままならないので苦労しそうだと心配していたが一安心、スノーシューを脱いでリフトに乗った。下りのリフトは空いているので、リフトの上でシャッタを押すことも出来た。、
登り途中でも眺めた小蓮華、白馬乗鞍のから高妻山にかけての展望をもう一度ゆっくりと楽しみ、その前にある岩岳も確認した。岩岳は天気が良ければ今日登っているはずだった山だ。
雪山をゆっくりと眺めてからゴンドラに乗った。下りも前側の席に座って、白馬町の街並みを眺めながら下ると、今夜の宿白馬ハイランドホテルも街の向こうに見えていた。
八方池に着いてバスに乗ってホテルに入った。ホテルの部屋は白馬岳方向にあり、広い窓の向こうには、白馬町の上にジャンプ競技場やさっきまで遊んでいた八方スキー場や岩岳スキー場など並んでいたが、期待していたその上の白馬三山はすっかり雲の中に隠れていた。
ゆっくりと風呂に入って冷えた体を温め、部屋に帰って夕食までの時間をちょっぴり飲みながら過ごした。夕食前には街やスキー場に灯りが点りだして、また一段と綺麗になった。
みんなと一緒にバイキングの夕食を食べながら歓談し、部屋に戻ると窓の外は真っ暗の中にスキー場やジャンプ台がくっきりと灯りを点けていた。
3)白馬村観光
朝目覚めると外は予想通りに雨、売りの朝焼けの白馬三山など論外だった。和子は昨日のハイキングで充分に満足していて「今日は歩かなくてよさそう」と喜んでいる。レストランに入ると皆さんも同じ雰囲気、観光の行き場所の打ち合わせになった。 朝食後もゆっくり過ごして9時出発、先ずは近くの大出公園でバスを下りて一回り。リーダが「吊橋を入れた白馬三山を撮ると良い写真が撮れるのだ」と言いながら雪原の中をビューポイントまで案内されたが、勿論白馬三山は見えない。心眼で吊橋の上に白馬三山を描きながらシャッタを押した。 近くには数軒の古民家が建ち、色々な道祖神も祀られており、綺麗なせせらぎの畔を歩いて一回りした。
次に向かったのは八方文化会館。山とスキーで日本を代表する白馬村の歴史資料を色々と展示してあった。
八方尾根スキー場を拓いた福岡孝行氏の足跡を辿る部屋では、若いころ使っていたヒッコリーのスキー板や旧式のビンデイング、スキーウエヤなど話題を播いた。 養蚕や農家の暮らしなどのコーナー。現代では使用されていない農具や、囲炉裏のある暮らしの実物模型などが展示してあって、高校時代まで育った田舎の生活を思い出させた。 みんなの目を一番惹いたのは五竜岳から白馬三山にかけての大展望図だった。写真には親切に地名や山行ルートが書いてあり、今年不帰ノ嶮から天狗尾根への岩場を歩く計画がありそうなので、展望写真を前に勉強に熱が入った。
次は森の教会の隣に建つ菊池哲男の写真館に入った。菊池哲男は白馬の山岳写真家で、数々の素晴らしい山岳写真が展示されており、みんな時を忘れて見入っていた。
写真撮影の素晴らしさも見ものだったが、今まで水戸アルパインで連れ歩いてもらった山々の写真を見ながら想い出話しに花が咲いた。
4)帰途
他にも観光候補地はあったが、そろそろ帰る時間、おなかも空いたので美麻の日帰り温泉に立ち寄って信州そばなどに舌鼓を打った。今日はハイキングが無かったので入浴はなしで退散し、一路茨城に向かった。 信州では小雨模様だったが、上信越道の八風山トンネルを越えると、そこは真白な雪国だった。来る時にはこの辺りには雪がほとんどなかったが、ここに来て吹雪に出合って今日もまた銀世界の景色を堪能できた。
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