Z33. 蔵王スノーシューハイキング

1.動 機
 水戸アルパインクラブの3月のスノーシューハイキングは蔵王と黒伏高原だった。5年前に鳥兜山から三郎岳から地蔵尊辺りを歩いたのに対し、今回の蔵王の予定は、その南の地蔵山から熊野岳、刈田岳と歩いて坊平に下る展望コースの予定だったが、当日の猛烈な寒風のために全員寒さに耐えられなくなり黒姫ゲレンデへ下る短縮コースに変更された。その夜、秘湯銀山温泉に泊って暖かい温泉と豪華な料理で元気を回復し、2日目は風がおさまって黒伏高原の樹林帯の中のスノーハイキングを楽しむことができた。

2.データ
a)山域:地蔵山(1736m)、水無山(1030m)
b)登山日:2012/3/19(月)曇り一時吹雪、20日(火)曇
c)日程:
3/19:日立電鉄南営業所 3:30 = 4:40 水戸IC = 8:50 上山IC = 9:25 蔵王山麓駅 9:50 = ゴンドラ×2 = 10:20 山頂駅 10:40 ---- 10:55 地蔵山 11:00 ---- 13:05 黒姫スキー場 13:15 = 15:20 銀山温泉(泊)
3/20:銀山温泉 8:30 = 10:00 黒伏高原スキー場 10:30 = (リフト)= 10:40 リフト上駅(水無山) 10:45 ---- 黒伏高原 ---- 12:25 黒伏高原スキー場 12:35 = 15:30 東根IC = 19:55 水戸IC = 20:50 日立電鉄南営業所
d)同行者:水戸アルパイン会員8名(男3、女4) 和子は不参加
e)地形図:「蔵王山」「船形山」

3.山行記録
1日目(3/19):蔵王ルート
アクセス:日立自宅 3:15 = 3:25 日立電鉄南営業所 3:30 = 4:00 勝田駅 = 4:15 水戸駅 = 4:40 水戸IC = 5:20 中郷SA 5:30 = 安達太良PA = 蔵王PA = 8:50 上山IC = 8:55 コンビニ 9:05 = 9:25 蔵王山麓駅

2時半に起きだして、今回も不参加の和子の運転でバス会社の営業所まで送ってもらう。他の行事と重なって今回の参加者は8名、小型バスでもゆったりだ。東海、勝田、水戸と仲間を乗せて水戸ICから常磐道に乗ってもまだ薄暗い。寝不足を補おうと、うつらうつらしているうちに、バスは磐越道から東北道に入っている。南蔵王の山々は見えていたが、山形道入っても蔵王の山は雲の中だった。
 上山ICで高速を降りて朝食を食べながら蔵王道を登って行くと、路面にも段々と雪が積もっているようになってきた。これならモンスターも見られるかなと期待の声が聞こえてくる。

1日目山行:蔵王山麓駅 9:50 =(山麓線ゴンドラ)= 10:00 樹氷高原駅 10:10 =(山頂線ゴンドラ)= 10:20 山頂駅 10:40 --- 10:55 地蔵山 11:00 ---- 11:15 山頂駅 ---- 11:55 休憩 12:05 ---- 12:15 黒姫ゲレンデ上端 ---- 13:05 黒姫駅 13:15 = 13:40 上山IC = 14:10 東根IC = 14:25 道の駅むらやま 14:40 = 15:15 乗換場 = 15:20 銀山温泉(泊)
(蔵王ルート)
(蔵王ルートの標高差)

 蔵王山麓駅に到着すると、大勢のスキーヤーやボーダーがゴンドラ乗車口に行列を作っている。山麓線と山頂線共通の切符を渡されて、スキーヤーとボーダーでギュウギュウ詰の往復型大型ゴンドラに乗り込む。ストックとスノーシューを抱えて、手に持った切符を落とさないように気を付けながら、押しくらまんじゅうに堪えている間に中間の樹氷原駅に到着。次の山頂線の小型ゴンゴラは周回式で空いていてゆっくり座席に座っていけた。眼下の樹林の木々はすっかり雪を落としてしまっていて、期待したモンスターの姿はなかった。
 山頂駅の外に出ると、冷たい雪交じりの風が吹き付けて寒い、寒い。ダウンジャケットを取り出してカッパの下に着込んで防寒対策をした。この様子では刈田岳への縦走は無理だろうとの見通しだが、とにかく地蔵山にだけは登ってみようとロープを潜って山頂へ向かった。多分引き返してくるだろうからとお地蔵さんへのお参りは割愛して、開運の鐘だけ打ち鳴らして歩き出した。
(ゴンドラを二つ乗りついで)
(山頂駅の開運の鐘)

 山頂まで500m程だが、冷たい風が顔面に吹き付けて刺すように冷たい。皆さんは要領よくネックウオーマで顔の半分を隠しているが、何も用意しなかった私は、花粉対策用にザックのポケットに入れていたマスクで保護の真似ごとをして歩いた(昼食休憩時に、マスクにツララができているよと笑われた。吐く息の蒸気が結露してツララになったのだが、残念ながらこの珍しい現象の写真は撮り損ねた)。
 山頂に辿り着いたが、身体が飛ばされそうな程の強い風が吹いていて気温もマイナス10℃。体感温度は風速1m/s毎に1℃づつ下がると言うから、風速20m/sとするとマイナス30℃の世界だ。集合写真だけ撮ってすぐに下山した。
(猛吹雪の中の行軍)
(地蔵山山頂)

 寒風に耐えながら山頂駅まで引き返して、お地蔵さんの前でまた集合写真、すぐにざんげ坂を下り始めた。ここからは樹林に挟まれて山頂ほど風が強くないので助かる。
 ざんげ坂はスキーで見事なモンスターの間を滑り降りた記憶があるが、今日はここのところの高温続きですっかり雪を落としている。
(お地蔵様)
(ざんげ坂)

 モンスターはいなくても、霧氷を付けた樹林もなかなか美しい眺めだ。ところどころにモンスターもどきの雪の塊があったが、ストックで何か悪戯されているのが面白かった。
(霧氷原)
(オブジエ)

 ざんげ坂から樹氷原コースに入り、更に黒姫ゲレンデへとスキーヤーやボーダーを見送りながらゲレンデ脇を下って行った。
(樹氷原コース)
(黒姫ゲレンデへ)

 下に降りてからも山頂ほどではないが時々強風が吹き荒れて、雪を巻きあげて顔面を攻めてくる。女性のやわ肌には厳しかったようで、頬に凍傷の様な赤い跡ができていた。
 途中から樹林の中に入り込んで、風を避けてふかふか雪を踏みながら下って行った。
(下でも強風)
(林に入る)

 連絡通路に入ると、脇の斜面を尻セードで滑り下りて登り返す元気者も出る。ひたすら歩き続けていると、尻セードの快感で気を紛らわせたくなる。
 黒姫ゲレンデへ戻ってスキー場の建物に入って一息ついた。歩き始めて2時間半、5kmのハイキングだったが、仲間と一緒に寒さに耐えながら歩き通した達成感は十分だった。
(尻セードも)
(黒姫駅に到着)

 バスに乗って蔵王道路、高速、国道を走って道の駅むらやまに立ち寄って、今夜の宿の銀山温泉に向かった。銀山温泉は谷間の川沿いにあって、直接バスで入ることができず、500m前で宿の車に乗り換えて谷間への狭い道を下って行く。温泉街に到着すると、川の両側に鄙びた雰囲気の旅館が立ち並んでいい雰囲気だった。宿に入る前何度もシャッタを押した。
 宿では、男女4名づつなので、二部屋に分けられて丁度いい。早速温泉に入って身体を温め、先ずはビールで乾杯。
 夕食は18時半、会場に入るとテーブルに並べきれないほどの山海の珍味が並んでいる。献立表には13皿とあり、まだ出ていない皿もあるらしい。シソ酒で乾杯してから晩餐会の始まり、始まり。美味しい料理に舌鼓を打っているうちに、昼間の寒かった耐寒行軍も楽しかった思い出に変わって行った。この料理がとても美味しかったことが、今回の山行の評価を上げる一番の要素だったようだ。
(銀山温泉)
(豪華で美味しい夕食)

夕食を終ってから外を見ると、ガス燈に灯が入っていて照らされた町並みが一層情緒豊かになっている。連れだって何度もシャッタを押しながら温泉街の端から端まで歩いて回った。
 もう一度温泉で温まってから、今日は早めに就寝。夜中のうちに雪が降っていて、朝起きると雪景色の温泉街に様変わりしていて、三様の温泉街を鑑賞することができた。。
(夜の銀山温泉)
(一夜明けた雪景色)



2日目(3/20):黒伏高原ルート

銀山温泉8:30 = 8:35 乗換場 8:40 = 10:00 黒伏高原スキー場 10:30 = (リフト)= 10:40 リフト上駅(水無山) 10:45 ---- 黒伏高原 ---- 12:30 黒伏高原スキー場
(黒伏高原ルート)
(黒伏高原ルートの標高差)

 早寝したので、朝も早く目覚めて朝風呂に入ってから美味しい朝食を頂く。出発前にはコーヒのサービスも受けて出発した。黒伏せ高原のジャングルジャングルスキー場に着くと、この地域では評判のスキー場であるらしく、入口から駐車している車の列ができていた。駐車場入口から入ると、係員が出てきて駐車場は満杯だから少し引き返した路側を指示された。
 無事にバスを駐車場所に停めて歩き始める。雪の坂道を登って建物の中に入ると、そこから立派なエスカレータが上に上がっていた。トイレを済ませてエスカレータに乗ると、エスカレータは三段に繋がっていた。銀山温泉からの道すがら斜面に見えた斜面に立てに並んでいた小さな屋根はこの乗り次のところらしい。
(路側に駐車)
(三段のエスカレータ)

 最上段まで上がるとスキー場の案内図があった。長いリフトは2基あって、色々なコースで滑降ができるようになっているようだった。今日は EAST EXPRESS リフトでスキー場の最上部の水無山まで上がって、スキー場の東に広がる黒伏高原の樹林帯の中スノーシューでを下るとのこと。
 長いリフトに乗って水無山に登り、そこでスノーシューを着けて歩き始めた。
上に
(長いリフト)
(スタート)

 初めから樹林帯に踏み込んで尻セードを楽しんだりし、すぐにゲレンデに出てしばらくゲレンデ脇を歩いたが、またすぐに崖を滑り降りてふかふか雪の樹林の中に舞い戻った。。
(少しゲレンデ脇を通過)
(林に急降下)

 樹林帯は始めは雑木林で、雪をまとったつるアジサイの残り花や、健気に寒さに耐えている何かの冬芽などを愛でながら歩いて行くと、一時空が真っ青になって枯れ木が真っ白な雪面に淡い影をつくっているのが印象的だった。
(雑木林)
(一時は青空も)

 樹林はカラマツ林から杉の林に変わってきたが、ふかふか雪の感触は変わらない。時にはアンパンマンの様な自然の雪像もあって飽きさせない。
(カラマツ林)
(杉林のアンパンマン)

 地形は複雑な起伏を繰り返すが、トップでラッセルする元気な森さんは地形図片手のリーダと相談しながら上手く案内して行ってくれる。嬉しい尻セードがあったり、危なっかしいトラバースがあったり、昨日の様な風がないので、スノーシューハイキングの楽しさを存分に味わうことができた。
(嬉しい尻セード)
(慎重にトラバース)

 いつか林道に降り立って、てくてくと歩いて駐車場所に戻った。途中、右手に黒伏山の大岩壁が見えていた。以前、この岩壁を使った岩登りの資格試験を受けたことがあるとの話を聞き、水戸アルパインでもこの山の上を歩く山行を計画しようよとの話が出て盛り上がった。
(駐車場に戻る)
(黒伏山の絶壁)

帰途:= 黒伏高原スキー場 12:35 = 13:00 そば屋 14;00 = 14:05 東根の大ケヤキ 14:20 = 14:30 日帰り温泉 15:05 = 15:30 東根IC = 16:30 国見SA 16:40 = 17:50 阿武隈高原SA 18:00 = 19:20 東海PA 19:25 = 19:40 水戸IC = 20:00 水戸 = 20:20 勝田 = 20:50 日立電鉄南営業所

 楽しいスノーシューを終って、汗を流しに日帰り温泉に向かう途中、先ずは十割そばが売り物のそば屋に入って昼食になった。男性陣は食べ放題の板そばに挑戦し、森さんとリーダの二人は大森(大盛り)2板をペロリと平らげたが、私は大盛のあと小盛を追加するのがやっとだった。
 次に日本一と言う東根の大ケヤキを見に東根小学校に向かった。樹齢1500年、幹回り16mという大樹は近くで見ると確かに大きい。その大きさを実感しながら一回りした。
(十割そば食べ放題に挑戦)
(東根の大ケヤキ)

 日帰り温泉も350円とリーズナブルなお値段なのに、清潔で気持のいい露天風呂付きの温泉だった。すっかり気分が良くなって、茨城までのバスの中は笑いの絶えない旅になった。
 



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