Z36.花園山と栄蔵室山

1.動 機
茨城担当の3人で、水戸アルパインクラブの来年春の例会候補として、七つ滝、花園山、栄蔵室を結んで歩くハイキングを考え、我家が一昨年の12月に歩いた周回コースを参考に、今の登山道状況の確認とコースのバリエーションを考えるために下見山行をすることにした。花園神社から花園山へ登るのに、長い林道歩きを避けるべく十二神将のところからの踏跡をアタックしてみたが、籔道が長くて不合格、栄蔵室から奥之院峰への道でも単調な林道歩きを避けようと破線の道を歩いてみたが、これも途中で道が不明瞭になってこれも不合格になった。余り下見山行の効果は出なかったが、3月末としては珍しく雪の残った山道を気持ちよく歩き、一昨年の我家の山行では見落とした女体山を拝観することができた。

2.データ
a)山域:花園山(798m)、栄蔵室(882m)
b)登山日:2012/3/29(木)晴
c)コースタイム:
日立自宅 8.10 = 8:20 日立南IC = 8:40 中郷SA 9:00 = 9:10 北茨城IC = 9:30 花園神社駐車場 9:40 ---- 9:45 十二神将 ---- 11:00 650m ---- 11:35 一般道合流 ---- 11:50 花園山(昼食) 12:40 ---- 13:10 南登山口分岐 ---- 13:35 展望所 13:40 ---- 13:50 栄蔵室山 14:00 ---- 14:05 富士見台 ---- 14:10 林道出合 ---- 14:25 一般道分れ ---- 14:50 ?点 15:30 ---- 沢歩き ---- 15:50 一般道合流 ---- 16:00 奥之院峰分岐 ---- 16:05 月山分岐 ---- 16:10 月山 ---- 16:15 男体山 ---- 16:25 女体山 ---- 16:45 七つ滝入口 ---- 16:55 花園山分岐 ---- 17:10 花園神社駐車場 17:25 = 17:45 北茨城IC = 18:05 日立南IC = 18:20 日立自宅
(花園山栄蔵室周回コース)
(花園山栄蔵室周回コースの標高差)

d)同行者:下山さん、平野さん、和子
e)地形図:1/25000 「 磐城片貝」

3.山行記録
 いつも集合場所に早く着くお二人を余り待たせないようにと早めに我家を出発したが、日立南ICで常磐道に乗るとすぐに、下山さんから{もう着いたよ」と携帯が入った。集合時間の20分前に中郷SAに到着したが、お二人さんは首を長くして待っていた。最近日立トンネルで渋滞することが多いので、相談して余裕を見て出発したのだそうだ。
 北茨城ICで高速を降りて県道10,153,27と繋いで花園神社駐車場に着いて歩き始めた。七つ滝への林道を歩き始めるとすぐのところに十二神将の社があり、その下の渓谷を渡る木の橋があり、その先に登山道も見えた。「ここから登山道に入って花園山に登ることができれば、林道を歩くよりもずっと面白いコースになる」と意見一致した。
 登山道は始めは歩きやすい道が続いて嬉しがらせたが、やがて倒木が遮るようになって怪しい雰囲気になってきた。登山道は何ヶ所かで分岐があったが、その都度地形図を見て相談しながら花園山への稜線に舵を取るべく進んでいった。
(十二神将の橋を渡る)
(倒木)

 そのうち踏跡も怪しいところを歩くようになり、滑り落ちそうな急斜面をトラバースしたり、身の丈ほどもある篠竹を掻き分けながら歩くことになった。「これは下見じゃなくて探検隊だよ。こんな道を皆さんには案内できないよな」とぼやきながら1時間15分も歩いて650mのピークにあがると、やっと何とか踏跡らしきものが見えてきた。
(へつり)
(笹籔)

 35分ほど稜線の踏跡を辿って歩くと広い登山道に出た。一昨年我家が歩いた道だった。ここからは快調に歩いて登り着いた最初のピークに地形図では花園山としてあるが、ここには「花園山へ0.3km」の道標が転がっている。
 少し下ったところに「登山口・花園山」の道標が立つ分岐があり、その先の・798のピークに「花園山山頂」と書いた立派な山名標柱が立っていた。こっちが本当の花園山である。4人揃って集合写真を撮った。
 歩き始めて、もう2時間以上が過ぎていて、お腹がぺこぺこ、弁当を広げた。
(一般道に合流)
(やっと花園山山頂到着)

 ゆっくりと昼食をとって次に向かう。先ほどの「登山口・花園山」の道標まで引き返して、登山口の方向に曲がる。しばらくは笹原のなだらかな道だったが、すぐに雪が残る道になってきて雪を踏みながら歩くと、また「登山口」の道標が直角方向を示していた。
 急坂を下ると、笹平の平原に降り立ち、笹原の中をうろうろして沢を何度か渡る。
(道標もあり)
(徒渉)

沢沿いの道を歩いて行くと、直進方向が「南登山口」、左が「栄蔵室」の道標が立っていた。
(沢沿いの道)
(南登山口分岐)

 栄蔵室方向は雪の積もった急斜面の登りであり、立木に掴まりながら、一歩一歩登って行った。
 登り切ってしばらくは細い道だったが、やがて林道の様な広い道になってきた。お日様を受けて雪面が真っ白で綺麗だった。さすが、茨城県一の高原地帯だけの事はある、北面に積もった雪は消えないでたっぷりと残っている。
(雪道の登り)
(雪の林道)

 林道をしばらく歩くと展望の開けたところに出た。磐梯山が白い鋭鋒をのぞかせており、その右に安達太良山や吾妻連峰も白く見えていた。
(展望所から磐梯山、安達太良山、吾妻山)

 展望を楽しんでから少し歩くと栄蔵室への登山口が分岐しており、歩行距離を細かく書いてあって分りやすい案内板が立っていた。このマップは南登山口への分岐のところにもあった。
(栄蔵室登山口のマップ)

 丸太の階段道を登り、巨大なNTTの通信鉄塔のピークをやり過ごすと、すぐに一等三角点のある栄蔵室の山頂だった。すぐ後に登ってきたつくばからおいでのグループの方に集合写真のシャッタを押していただいた。
(栄蔵室へ)
(栄蔵室山頂)

 山頂から少し下ったところに「富士見台」という展望台があり、関東富士見百景の看板が付けてあった。今日は見えるはずもないが、展望図には奥久慈男体山の上に富士山の絵が画いてあったので、実際に見ることができたラッキーな人がいたのだろう。
 富士見台から下る道には、「この先はハイキングコースではありません」の道標があったが、坂道を下り切ったところには「栄蔵室山頂⇒」の道標が立ててあった。
 林道に出てしばらく歩くとまた雪が積もった道になり、下りでは滑らないよう気を使うことになったが、人の歩いていない雪面を踏むのは気分がいい。
(ハイキング道に非ず)
(雪の林道)

林道を歩いて行くと、行く手に「通行止め」の標識が立っている。この通行止めの道が奥之院峰への近道の林道で一昨年我家も歩いた道だが、平凡な林道歩きに変化を求めて右に分れる破線の道を歩いてみることにした。しばらく林道の様な広い道が続いたが、やがて破線の道は山に登る籔道になった。左の道は奥之院へ近づくが笹が茂っており、右の林道は立派だが奥之院から遠ざかる。右の道がその先で左に曲がることを願って300m程歩いてみたが、どこまでも真っ直ぐ南下するのみだった。諦めてカラマツ林の道を引き返し、ササの茂る道に入って行った。
(通行止めの一般道から分れる)
(行きどまって、笹の道へ)

広い道は杉林の中に入るとすぐに消えてしまい、あとは地形図頼りに谷合に下り、沢沿いを当初の林道目がけて下って行った。
 徒渉を繰り返し沢沿いの石を拾いながら下って行き、最後は物凄い籔を漕いで林道に飛び出した。本日一番の籔漕ぎだった。
(澤下り)
(籔漕ぎ)

 林道を歩いて行くと、奥之院峰への分岐があり、ここにも立派なコースマップが立っていた。これを見て、一昨年我家が見過ごした女体山を通る道を下ってみることになった。
(奥之院分岐のマップ)

 分岐から急坂を下って奥之院と月山の分かれ道に着き、右の月山に向かった。月山の祠はすぐに見つかったが、男体山の祠はいくら探しても見つからなかった。土台の後ろに祠の跡の様な窪みがあったので、大震災で転げ落ちたのだろうか。
 登山道を下って行くと、道の脇の岩の上に石の祠と名板が立っていた。こんな登山道のすぐ脇にある祠をなんで見落としたのだろうか。おっちょこちょいの私ならよくあることだが、和子の眼にも入らなかったのは不思議でならない。証拠写真を撮ってもらった。
 女体山からしばらく急坂下りが続き、鎖やロープもある難所が続いた。
(女体山はあった!)
(鎖場、ロープ場)

 急坂を下って林道に出てからのんびり300m歩くと七つ滝の登山口に到着した。時間が許せば、七つ滝と奥之院にも登ってみたいところだが、もう16時45分、遅すぎた。花園山への一般道の入口を確認しながら林道を歩いて17時10分に駐車場に戻った。
(七つ滝、奥之院峰入口)
(花園山への入口)






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