B55.禅頂行者道(MAC)

1.動 機
 水戸アルパインクラブの5月例会は、禅頂行者道を細尾峠から入ってハガタテ平まで歩いて古峰神社に下りるコースだった。禅頂行者道については2004年に下山さんご夫妻と一緒に細尾峠から三ノ宿山を通って日光に下った時に(53.ツツジ三昧の日光薬師岳)細尾峠から薬師岳までを歩いており、2011年に夕日岳から三ツ目・ハガタテ平・唐梨子山・大岩山・行者岳・古峰ヶ原・横根山の間を歩いていた。今回のコースでは細尾峠までの旧道歩きと、ハガタテ平から古峰神社までの間が未知の道だった。私は副幹事の一人だったが、登り600m、下り900m、距離15kmのきついコースを最後尾を付いて歩くのがやっとのことで、リーダの役目は何も果たせなかった。

2.データ
a)山域:薬師岳(1420m)、夕日岳(1526m)、地蔵岳(1483m)
b)登山日:2014/5/18(日)晴
c)コースタイム:
日立自宅5:00 = 5:09日立南IC = 5:45桜川ロードパーク6:20 = 7:06宇都宮IC = 7:22日光口PA7:35 = 7:53日足トンネル出口・旧道入口8:05 ---- 9:10細尾峠9:20 ---- 10:03薬師の肩 ---- 10:09薬師岳 ---- 10:15薬師の肩10:25 ---- 11:10休憩11:20 ---- 11:42三ツ目 ---- 12:00夕日岳12:35 ---- 12:50三ツ目 ---- 13:04地蔵岳13:15 ---- 13:35ハガタテ平SA13:45 ---- 14:25休憩14:35 ---- 15:15林道ゲート ---- 15:30駐車場15:35 = 16:20ニューサンピア栃木(入浴・夕食)17:38 = 17:58鹿沼IC = 壬生PA = 18:50桜川ロードパーク18:55 = 19:29日立南IC = 19:40自宅
(禅頂行者道の歩行軌跡)

(禅頂行者道の歩行標高差)

d)同行者:水戸アルパイン会員17名、和子
e)地形図:1/25000 「日光南部」「古峰原」

3)山行記録
 出発前にトラブル発生。バス会社の駐車場4時25分発に合わせて目覚時計を掛けておいたのだが、設定を間違えてベルが鳴らなかった。和子が気が付いたのは既に4時10分、とても間に合わない。慌ててバス会社に電話してバスに発車してもらい、次の東海駅で乗車する臨時幹事の平野さんに事の顛末を話して一旦参加キャンセルの旨を連絡した。電話してから、今から出発しても北関東道を走れば、最終乗車場所の桜川ロードパークでバスに乗ることが出来ることに気が付いて連絡し直した。 すぐに着替えして出発したが、慌てたので携帯を持つのを忘れて、この後連絡不能になった。
 我家を5時に出て、道が空いていたので桜川ロードパークに着いたのは5時45分、バスよりずいぶん早かった。ここで乗る予定の深谷さんがやってきて目を丸くされ、顛末を話して呆れられた。
 ここから先はバスの中、道は空いていて富士山も見えていて歓声が上がる。日光口PAで身支度を整え、歩き始める日足トンネルに着いたのは予定時間よりも30分近くも早かった。このコースをご存じの福地さんが風邪でお休みなので、トンネルを出てから旧道に入る山道が判らず、結局国道から旧道への分岐点まで走った。
 旧道入口で平野さんの音頭で準備運動と「エイエイオー」の気合を入れて、下山さんのリードで歩き始めた。この旧国道が長いこと長いこと、30分も早く着いたのだからゆっくりペースで歩くのだろうと思っていたら、リーダのペースの速いこと、固い舗装道路を一生懸命付いて歩く。副リーダとして中間を歩けと指示されたが、ところどころに咲いているツツジの写真を撮ったりしていたら、いつものように最後尾に下がってしまった。何度も折り返す九十九折の道をショートカットしょうと狙ったが、石垣で作られた壁は登りにくい。
(準備運動:旧道入口)
(長い長い旧国道)

 途中、赤い水準点の旗があり、下に4個の石に囲まっれた標石があった。角張った三角点標石とは違って自然石のような形で、これで測量の基準になるのか心配になった。
 水準点の上の斜面の藪に、和子が目敏く山神社の標石と石祠を見つけた。行者道を歩く日なので、歴史物にシャッタを押しておいた。
(水準点標石)
(山神社)

 何台もの車に追い越され、長い車道にぶつぶつ言いながら1時間以上も歩いて細尾峠に到着、やっと休憩。路側には15台もの車が停まっていた。
 一休みしてから「前日光高原」の道標が立つ山道に入って行く。
(細尾峠に到着)
(細尾峠から山道)

 急坂をミツバツツジに慰められながら登り、途中から巻道に入って古峰ヶ原に向かう分岐点の薬師の肩に登りつき、ここから薬師岳へは一登りだった。
 三角点のある山頂からは日光連山や、これから登る夕日岳と地蔵岳も見えていたが、証拠写真を撮っただけで引返す。 
(ツツジの山道)
(薬師岳)

 薬師の肩まで下って一休みし、登り下りを繰り返す尾根道を歩いて行く。ところどころに石祠や不動明王の石像があって、古くから行者道であった歴史を感じさせてくれた。
(薬師の肩で休憩)
(不動明王と石祠)

 小さなアップダウンだが、登りでは結構こたえる。しんがり役の平野さんに励まされながら頑張る。
 雑木林の中の尾根道で樹木に遮られて展望は良くないが、ところどころで樹間に日光の山が見えていた。特に奥白根山のまだ雪を頂いている白い峰が印象的だった。
(奥白根山)
(皇海山)

 三ツ目の手前の下り坂は、ミツバツツジやカラマツの新緑が綺麗な道だった。立ち止まりながら何度もシャッタを押すので、ますます皆さんとの間があいてくる。一旦離れるとなかなか追いつけない。
(ツツジ眺めながら)
(カラマツの新緑)

 夕日岳への分岐点である三ツ目は1491mのピーク、そこへの登りは結構な急坂で苦しい登りだった。
 今日の最高峰、標高1526mの夕日岳は稜線上から外れていて、三ツ目から往復することになる。出発前は皆さんに付いて歩けそうにないときはここで待機することも考えていたが、ここに引き返してから先は地蔵岳への登りがあるだけでほぼ下り一方、何とかなりそうだと皆さんに付いて行く。
(苦しい急登)
(三ツ目から夕日岳へ)

 少し下って緩やかに登っていくと山頂手前の急坂が待っていた。左の樹間に日光連山が見えており、山頂まで登ればこれが遮るものなく見えるのだと、自分に言い聞かせて頑張る。夕日岳の山頂に登りつくと、期待通りに女峰、男体山から皇海山までの山並みが綺麗に見えていた。この景色をおかずにして弁当を広げ、連山をバックに全員集合の記念撮影。居合わせた親切な男性にシャッタを押していただく。
 山頂の先にはアカヤシオの群落があり、今回一番のアカヤシオだと張り切ってシャッタを押したのだが、後で見たらなぜか写っていなかった。残念!
(夕日岳山頂)
(アカヤシオ)

(夕日岳からの日光連山)

 三ツ目に引き返し、一旦下って地蔵岳へと登り返す。地蔵岳の山頂標前で集合写真を撮り、少し先に下ったところに石祠があり、そっちの広場に下ってから一休み。集合写真のシャッタを押して頂いたのは夕日岳でもお願いした男性だった。
(地蔵岳へ最後の登り)
(地蔵岳山頂)

 これからの長い下り道を頑張ろうと、平野さんの「エイエイオー」の喝が入る。
(お地蔵さん)
(気合を入れて)

 地蔵岳からの下り坂は急斜面で、登山道は樹林の中の九十九折の道になる。どんどん下る。
 植林帯を過ぎるとミツバツツジの綺麗な道になり、皆さんもシャッタ押しが忙しくなった。
(植林の中の九十九折)
(ツツジのプロムナード)

 ハガタテ平まで下って一休み、真直ぐ行けば古峰ヶ原峠に繋がる行者道だが、ここで左の谷間に下って行く。道はこれまでの尾根道から沢筋の道に変わり、初めは植林帯を下る。
(ハガタテ平)
(急坂下り)

 やがて山菜もありそうな灌木帯になり、コバイケイソウの群落があったりして緑の多い気持ちの良い雰囲気になってくる。
 やがて細い水流が現れ、何本かの沢を石伝いに渡った。
(コバイケイソウの群落)
(沢を渡る)

 山道をひとしきり下るとニリンソウの群落が現れ、やがて砂利道の林道へと変わった。
(ニリンソウ)
(林道に出て)

 この林道は長かったが、ヤマツツジやアオダモの花を眺めながら歩いて行くと、ゴロ石が転がる川に立派な橋があった。
橋を渡って5分ほどのところにゲートがあり、これを抜けると舗装された県道に出た。
(橋を渡って)
(ゲートを通って県道へ)

 往き来する車に気を遣いながら駐車場まで長い車道歩き、左手には広大な古峯園の庭園がありヤマツツジが綺麗に咲いていた。
 駐車場に着いたのは16時半、予定よりも1時間早かった。トイレを使ってバスに乗り、汗を流しに鹿沼のニューサンピア栃木に向かった。どの道を走ったのか分からなかったが、古賀志山のギザギザの山容が見えてきて、ニューサンピア栃木のでっかい建物はそのすぐ近くにあった。日曜日のこととて広い駐車場は車でいっぱい、入浴施設”華ゆらり”温泉は、浴槽が大きく露天風呂もあって洗い場も広くて団体にも快適だった。汗を流して気持ちよくなり、温泉内の食事処で夕食をとって、頑張った一日の終わりに大満足、鹿沼ICで高速に乗って一路茨城に向かった。途中で見えた日光連山に沈む夕日が綺麗だった。
(県道歩き)
(夕日と日光連山)

 桜川ロードパークでバスを一番に下車して、深谷さんと一緒に皆さんに手を振って見送る。我家はいつも皆さんに見送られて最後に下車する習わしなので初めての体験だった。19時前に深谷さんとサヨナラして高速道を快調に走り、仲間のバスを水戸IC直前で追い越し、日立南ICには19時半に到着した。バスで日立電鉄南営業所まで乗ってくるより1時間早く我が家に帰着、ゆっくりとデータ整理をしてから寝床に入った。

ツツジの写真:
 目を楽しませてくれたツツジ達を、少し大きな写真で載せてみます。
(シロヤシオ:旧国道)

(ミツバツツジ:薬師岳登山道)

(アカヤシオ:三ツ目付近)

(ヤマツツジ:古峯園)




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