B113.鶏足山と焼森山

1.動 機
 三ヶ月前に、整形外科で山の会のTaさんとばったり出会ったとき、「歩くのが遅くなって、みんなに付いて歩くのがきつくなってきた」と嘆きながら、「弱虫仲間HoさんOsさんと話し合って時々楽ちん登山をしている」との話があった。同類の私には耳寄りな話なので「次の登山の時には声をかけてほしい」とお願いしていたら、今月になって「11月8日に鶏足山に行くことになった」との電話がきた。どんなコースを歩くのかは聞かなかったが、山仲間との賑やかな山歩きが楽しみで、とにかく一緒させてもらうことにした。台風が接近してきてお天気が心配だったが、幸い当日は一日だけの好天気になって予定通り山行できることになり、我家の車でTaさんを拾ってから集合場所の笠間スーパの駐車場に入ると、HoさんOsさんの他に健脚のSeさんの顔もあった。コースは赤沢富士から鶏足山に登って鶏石まで足を伸ばしてから焼森山に登って引き返してくる周回コースで、女性5人の楽しい会話を聞きながらゆっくりとした幸せな山歩きを楽しむことができた。山行後には、水戸IC近くの和光院に寄り道して、プチ四国八十八ヶ所霊場のお参りまでしてきた。

2.データ
a)山域:赤沢富士(富士ヶ平山)(340)、赤沢山(三角点峰)(430.5)、鶏足山(420)、焼森山(423)、和光院
b)登山日:2014/11/07(金)晴
c)コースタイム:日立自宅 8:10 = 8:30Taさん宅 = 8:35東海IC = 8:45水戸IC = 9:10笠間イオン(集合)9:35 = 9:50登山口PA10:05 ---- 10:10富士登山口---- 10:30赤沢富士 ---- 10:40林道 ---- 11:00赤沢三角点峰11:05 ---- 11:15鶏足山11:25 ---- 11:35鶏石11:40 ---- 11:50鶏足山(昼食)12:50 ---- 13:00三角点峰 ---- 13:10弛み峠 ---- 13:20焼森山13:35 ----13:45弛み峠 ---- 14:05林道 ---- 14:20富士登山口 ---- 14:25登山口PA(解散)14:40 = 15:10和光院15:40 = 15:50水戸IC = 16:05東海IC = 16:10Taさん宅 = 16:20スーパ16:50 = 17:00日立自宅
(鶏足山−焼森山周回コース)

(鶏足山−焼森山周回コースの標高差)

d)同行者:山仲間4名、和子
e)地形図:「中飯」

3.山行記録
 我家の愛車を運転してTaさん宅前に予告していた8時半に到着すると、もう家の前でお待ちかねだった。Taさんは最近も鶏足山に行ったことがあるらしく、現地にあったというガイドマップを貰った。コースはみんなが集まってからという事で、四方山話をしながら東海スマートインタから高速に乗り、水戸ICで降りてR50を西進、集合時間の20分前に集合場所の笠間イオンの広い駐車場に到着すると、Seさんがもう到着済みでストレッチ運動をしながら待っていた。私がトイレを使っている間に、OsさんとHoさんも到着、しばし久しぶりの顔合わせの挨拶をしてからコースの相談。結果、コースは赤沢富士から鶏足山に登って鶏石まで足を伸ばしてから焼森山にも登って引き返してくる周回コースになった。我家が事前に「W33.赤沢富士から鶏足山と焼森山」や「Z23.焼森山・鶏足山から花香月山まで」を読み直したりしながら下調べして、こんなコースがいいなと思っていたと同じコースになり、同類の人の考えることは同じなんだなと内心にんまり。

3−1)周回登山
 SeさんOsさんはHoさんの車に相乗りし、土地勘のあるHo車の先導で県道226沿いの鶏足山登山者用の駐車場に向かう。駐車場は新しく整備されていて、広くて全面舗装され気持ちの良いトイレも付いている。
 身支度をして出発、昨日までとは打って変わった青空の好天気のもと、恰好のいい赤沢富士を目の前に見上げながら茶畑の間の田舎道を歩いていく。
(駐車場から赤沢富士)
(茶畑の中)

 5分も歩くと赤沢富士への登山口があり、見覚えのある大きな「鶏足山登山道案内図」の看板もあった。ポストがあって、中にはTaさんから貰ったと同じガイドマップが詰まっていた。
 ここから赤沢富士まで登る道は我が家には初めての道、綺麗に整備されているが、山頂まで登り一辺倒、浅間神社中宮跡の看板を見送りながらきつい登りが続いた。それでもTaさん先導のペースはゆっくりなので、汗はかかないで会話も弾んだ。
(富士登山口)
(急登の連続)

 山頂に登りついて一休み、近くには7年前に立てられた「赤沢富士(富士ヶ平山)」の由来を書いた大きな看板が立っていて、5年前に読んだことがあるが、改めて読み直してみる。一休みして、山頂標識の前で記念写真を一枚撮ってから再出発。
 ここからはHoさん先導で登って行く。少し下ってから登り返すとすぐに林道を横切ることになる。林道を少し左に歩いていくと「鶏足山」の道標が立っていて、右に別れる登山道を登っていった。
(赤沢富士山頂:富士ヶ平山)
(林道を横切って)

 登りは一旦緩やかな気持ちの良い道になり話が弾んだが、間もなく急登になる。
(なだらか道)
(急登)

 登ったところに「富士山」の標識があり、条件が良ければ駿河の富士山が見えるらしいが、今日は晴れていても昨夜降った雨が蒸発して靄っていて何も見えない。(写真をクリックすると、こんな風に富士山が見えますよと立ててあった看板の写真が出てきます。)
 看板の富士山を見て満足することにして少し登るとすぐに赤沢山に到着した。山頂には430.5mの下赤沢二等三角点があり、脇に三角点の標識があり、鶏足山へ260mとあった。今日は展望もきかないので、すぐに鶏足山に向かった。
(富士山展望台)
(三角点峰:赤沢山山頂)

 急坂を下って登り返して鶏足山の山頂に到着。360°絶好の展望台だが、今日は残念、遠くは霞んでいて期待していた日光、那須連山の姿を年見ることができない。近くに花香月山や八瓶山が見え、その向こうに風神山が見えるような見えないような。太平洋の白波が見えていると言う人もいた。
(鶏足山山頂からの展望)

 山頂には焼き物らしい小さな祠が建っていて、笠間焼だろうかと話題になった。中には小さな坐像が祀ってあって「平成24年12月、友部町A」と書いた木札が見えた。
丁度登ってきた単独行の女性に記念写真のシャッタを押してもらって、私も仲間に入れて貰うことが出来た。
(山頂の祠)
(鶏足山山頂での記念写真)

 「この先に苦手な急坂があるのでここで待っている」というHoさんを置いて5人で下り始める。すぐ先に弘法大師が護摩を焚いて修行したという護摩焚石があり、私一人でちょっと寄道、その岩の上に上がってみた。
 遠くは見えないが、右端に小さな芳賀富士を入れて日光方向にカメラを向けてシャッタを押した。
(護摩焚石)
(護摩焚石からの展望)

 Hoさんが嫌がるだけに岩っぽい急坂があり、ここを下って登り返したピークに分岐があり、右の「鶏石」に向かって下る。結構きつい下りが続く。
(次のピークは分岐点)
(鶏石へ急坂下り)

 「鶏石」の名板の向こうに変わった形の大岩があり、そういえば鶏のトサカの形に見える。 裏から見たらどんな形に見えるか確かめたくて、少し下りながら裏に廻り込もうとしたが、真裏は崖になっていて回り込めず、ななめ裏からが限界。「鶏石」には見えなかった。
(鶏石)
(裏側からの鶏石)

 鶏足山に戻ってHoさんと合流、休憩中の女性集団が先に行ってから、板切れを横たえただけの簡易ベンチに陣取って弁当を広げた。色々な話題が賑やかに飛び交い、食材もいろいろ廻ってきてお腹いっぱいになった。
 三角点峰に戻ってそのまま通過し、一度下って登り返し、次のピークから大きく下ったところが弛み峠で「赤沢下山口」の道標があった。ここから今回のコースで唯一の階段道になった。
(弛み峠)
(階段登り)

 山桜の木が多い気持ちの良い尾根道を歩いて行き、焼森山に近づくと大岩が立ちはだかる。座禅岩の名板が付いていて、頭を越えようかと考えて先頭のTaさんが偵察に岩の上に上がってみたが、その先がやばいようだと言って、岩の脇腹に切られた足場を辿ってトラバースすることになった。
(山桜の尾根)
(座禅岩)

 座禅岩を慎重に通過するとすぐに焼森山の山頂だった。
(焼森山到着)
(焼森山山頂)

 南方に難台山から茨城の山々が並んで見えており、Seさんは明日は目の前に一番大きく見えている雨巻山に登るとのこと、お元気で羨ましい。
(鶏足山山頂からの展望)

 弛み峠まで引き返して、ここから右の分岐に入っていく。急坂を覚悟していたが、始めはなだらかなトラバース道だった。
(弛み峠から下山道へ)
(始めはトラバース道)

 途中に地蔵岩という看板のある大岩があり、どう見たらお地蔵様になるかみんなで悩む。昔は横に転がっている一回り小さな岩が大岩の上にあって、お地蔵さんの頭だったのでは」との意見が大勢だったが、お地蔵さんが横になって寝ている姿と見てはどうだろうか。
 その先に藤井川の源流の立札があったが、その下の穴が藤井川の最初の一滴が湧き出る泉らしかったが、今日は完全に干上がっていた。
(地蔵岩)
(藤井川の源流)

 やがて杉の植林の中の急坂を下るジグザグ道になった。
 谷間に下っても気持ち良く手入れされた植林が続いたが、やがて倒木が続くようになった。大杉が根っこから剥がれて倒れており、この地帯の岩盤までの土層が浅くて根張りが弱く、台風のような強風に耐えられなくて倒れたものと思われた。
(ジグザグ下り)
(倒木帯)

 倒木帯を過ぎると、林道に出た。出口には左に別れる分岐があり、「鶏足山登山口、ファミリーコース入口」の道標が立っていた。
 植林の中に続く林道を気持ちよく歩いて行き、右に作業道を別けると舗装された赤沢の部落道に出て、茶畑の間を歩いて駐車場に戻った。
(林道に出て)
(里道へ戻る)

 14時半に駐車場に全員揃って無事帰着、4時間半の楽しい山歩きだった。解散前に、先日茨城朝日に出ていた「和光院の八十八ヶ所霊場巡り」の記事を紹介したが、皆さん興味はありそうではあったが、今日は帰宅の時間とのことで、ここで挨拶を交わして解散。

3−2)四国八十八カ所霊場
 Taさんは我が家の車に乗った手前か、一緒に八十八ヶ所巡りに付き合ってもらうことになった。ナビに和光院の住所をインプットして案内をして貰い、30分ほどで和光院に到着した。和光院の敷地は広くて駐車場も2ヶ所あり、入った駐車場からは霊場巡り場には遠かった。
 本殿の入口には大きな椎の木が聳えていて、説明板には樹令500年の水戸市指定文化財(天然記念物)だとのこと。
 本殿の横には、これまた水戸市指定文化財の不動堂があった。余り古い建物に見えなかったが、説明板によれば、1755年に着工されて以来茅葺屋根だったものを、1974年に現在の桟瓦寄棟造りに改造されたとのこと。
(和光院)
(不動堂)

 和光院のHPによれば、「不動堂の後ろの庭に四国八十八カ所の霊場の地より砂を頂き、各霊場のご本尊を祀り八十八カ所巡りを移しました。四国まで行けない方達もここを巡っていただき、またここをお参りした方が四国の霊場を巡っていただければと思っています。」とのこと。
 不動堂の裏の広い敷地には四国霊場開創1200年に合わせて造られたという太子堂があり、その脇から入る巡礼路が巡らされていて、路の両側に5m間隔ぐらいに石に彫られた仏像が並んでいた。
(大師堂)
(四国霊場巡礼路)

 一つ一つの霊場には納札入のポストがあり、寺務所で求めたお札に住所氏名を書いて納める仕来たりである。
 奥ノ院のあるお寺については、同じ霊場でも二つの場所を取って別の石像が立てられていた。
(一番札所:霊山寺)
(一番札所:霊山寺奥ノ院)

 八十八霊場を廻った後には、本殿の前に立つ遍路大師像にお参りして巡礼の締め括りになる。
(八十八番札所:大窪寺)
(結願所:遍路大師像)

 久しぶりに山仲間との賑やかな山歩きが出来、おまけに四国八十八ヶ所霊場巡りまでやって、充実した一日になりました。




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