C81.奥久慈男体山(大円地から持方)

1.動 機
 水戸アルパインクラブ(MAC)の月一回定例山行の8月は、大円地登山口から男体山に登る一般コースが案内されていた。それでも現地大子の気温は連日38℃を越えており、ここのところの暑さに負けてしばらく山行を避けている我家が皆さんに付いて歩けるかどうかを心配しながらの参加だったが、大円地駐車場に集まったのは我が家の他には、幹事のHnさん,会長のKbさん、超ベテランのTaさんの三人だけだった。コースも、男体山からの下りは一般コースで崖近くをそのまま引き返すよりも、日陰が多く緊張しなくて歩ける一旦持方に下ってから大円地越に登り返す周回コースに変更になっていた。30℃近い高温のもと、汗びっしょりになりながらも、三人の優しいサポートを受けながら久し振りの山歩きを無事楽しく歩き通すことができました。

2.データ
a)山域:男体山(654m)
b)登山日:2015/8/5(水)晴
c)コースタイム:
6/28:自宅 6:40 = 7:45 大円地駐車場 8:05 ---- 8:15 健脚コース分岐 ---- 9:05 大円地越 9:15 ---- 9:45 持方分岐 ---- 9:55 男体山山頂 10:20 ---- 10:35 袋田分岐 ---- 10:55 持方 11:00 ---- 11:10 大円地越 11:25 ---- 12:05 大円地山荘(昼食) 12:55 ---- 13:00 大円地駐車場 13:10 = 14:20 自宅
(男体山ハイキングの歩行軌跡)
d)同行者:MAC会員3名、和子
e)地形図:1/25000 「大中宿」

3.山行記録
 集合場所の大円地駐車場は何時も車でいっぱいなのを見てきていたので、満車だったらどうしようかと心配していたのだが、着いてみるとガラガラの駐車場で、会長のKbさんとTaさんの二人がお待ちだった。すぐに幹事のHnさんが到着して、今回の参加者は我が家を入れて5人だけ、MACの仲間もこの暑さの中での山行を敬遠したのだろう。我々の車の他に停まっている車は一台だけ、今日の男体山登山は変わり者だけの山歩きになるらしい。
 奥久慈パノラマラインの舗装道を少し歩くと、目の前に男体山の岩頭が見えてくる。「今日はあそこまで400m登ります、頑張ろう!」との掛け声。Hnさんのこの声を聞くと私も何とか歩き通せるような気になってくるから不思議だ。
(大円地駐車場)
(男体山を仰いで出発)
 茶畑の畔の登山道を歩いて行くと、健脚コ−スとの分かれ道、今日は右の一般道に入ってなだらかな登り道を歩いて行く。リーダのHnさんはゆっくり歩いている積りなのだろうが、我が家のいつものペースよりも随分速い、何んとか遅れないように懸命に後を追いかける。
(健脚コースを分けて)
(緩やかな登り)
 歩きやすい一般道も、途中、雨で濡れて滑りやすい粘土丸出しのところや、崖崩れが起きた後の石がガラガラ重なった道など、気を遣いながら歩くところも出てくる。上から若い男性が速足で下ってきて「山頂には虫が多いですよ」と注意してくれた。駐車場に我々の車以外に一台だけ停まっていた車の持ち主だろう。
 キツネノカミソリの群落があって、写真を撮る名目で一息入れる。
(崖崩れ場所通過)
(キツネノカミソリ)
 立ち休みを入れながら1時間登って大円地越の峠に到着、ベンチに座って一息入れる。もうシャツは汗ばんでいる。
 峠から左の男体山への道に入ると、雑木の緑が太陽の光を受けて綺麗に見えてきて気持がいい。
(大円地越で一休み)
(緑の登山道)
 一般コースは急登や鎖場は殆どないが、ちょっとした岩場があったり、登山道の左側が急に切れ落ちて崖になっていたりして、それなりに気を遣う。左に奥久慈の展望が広がっているが、脇見はしておれない。
(ちょっとした岩場)
(滑落注意)
 それでも道傍にカワラナデシコやヤマユリ、ママコナのような可愛い花が咲いていると、思わず立ち止まってシャッタを押す。ヤマユリは山頂にもたくさん咲いていい匂いを振りまいていた。
(カワラナデシコ)
(ヤマユリ)
 山頂の手前には、標高634mのところに「スカイツリーと同じ高さの眺望です」という大きな表示板がある。少し先で奥久慈の山並みとその間の集落を眺める。
 「もうすぐ山頂だよう!」の声が聞こえてくると、目の前に山頂の通信鉄塔の頭が見えてきた。
(スカイツリー登頂!)
(山頂の通信鉄塔)
 山頂に登りついたが、外に誰もいなくてMACの独り占め、シャッタを押してもらう訳に行かず、セルフタイマーで集合写真を撮った。
 それぞれ陣取っての大休憩だが、Hnさん、Taさんのザックから保冷パック詰めの冷たい羊羹やミックスゼリーが出てきて、みんなに振る舞われた。汗をかいた後の冷たい食べ物、おいしかったー!。重いものを持ち上げて頂いて感謝、感謝。
 下りの体勢に入ったところに、健脚コース側から単独行の男性が登ってきた。この男性には見覚えがあった。先月の月例山行の時に、この山頂でMACの女性と「あーらしばらく」とやっていた那珂町の男性だった。今回出会った登山者は、登り途中で出会った男性と、この男性の二人だけだった。
(記念写真)
(御馳走様!)
 下りは「一般コースを戻ると結構危ないところもあるが、持方へ下って大円地越へ登り返すと、日陰も多いし気を遣うところもないルンルンコースです」ということで、ここから少し先まで歩いて持方へ下ることになった。それでも山頂すぐの道が崩れかけたところがより酷くなっていて、ロープを頼りに慎重に下った。その脇にホトトギスの花が一輪だけ咲いていた。
(崩れ進行)
(ホトトギス)
 左に健脚コースを分けて少し登って下ったところ、先月の男体神社への分岐の少し手前右に持方への分岐がある。灌木の隙間の分岐道を下るとすぐに杉の植林の中に入り、ジグザグに急坂を下っていく。やがて右に見覚えのある沢が現れ、和子の話ではシロヤシオ尾根に取りついた沢だと言う。会長に「二人だけでこんなところから登ったの!?」と驚かれていた。
(持方分岐)
(植林地)
 男体山への登山口を過ぎると、間もなく住宅や畑地がある持方の一角に出た。「茄子や玉蜀黍の出来がいいなあ」などと品評会をしながら一休みして、大円地越への登山道に入る。
 手入れの良い道をなだらかに登って行くと、あっけないほど早く大円地越に登りついた。一般コースを下るよりも変化もあったし、面白いコース選択だった。
(持方集落)
(登り返し)
 大円地越のベンチに座って汗を拭き、タオルを絞ったら、汗がたらたらと滴り落ちた。脇にあった温度計を見たら29℃を示していた。午前中の山頂近くで30℃に近くになるこんな日に山に登ってくる人はいない、静かな山歩きができるわけだ。
(大円地越到着)
(29℃!)
 大円地越から少し下ったところの岩壁に、イワタバコの群落があり、和子が「花が咲いている!」と言う。その気で良く見ると、あちこちに小さな薄紫色の可愛い花が咲いている。リーダは先に行ってしまっていたので、後で写真でゆっくり見ようと思って、とりあえず数回シャッタを押して通り過ぎた。あとで見たら、狙いがずれていたり、手振れしていたり、残念でした。
(イワタバコ)
 何度か立ち止まって待ってもらいながら、一生懸命皆さんのペースに付いて歩いて、12時丁度に大円地に無事下りついた。
 登山口にある大円地山荘に入ってお昼御飯、みんな手延べのそばを注文した。「先ずは梅干しでも」と薦められて、一粒貰った塩っぱい味と冷たい水とで生き返る。
(大円地戻り)
(大円地山荘)
 我家の注文したのは”男体オロシソバ”だったが、オロシの他に付いてきた千切大根は物凄く細く切りそろえられ冷たく晒されていて、奥さんに薦められてソバと混ぜて食べたらとっても美味しかった。食後のデザートの手づくりアイスクリームも丁度いい甘さで絶品だった。
 山荘入口に見たことのない白い花が咲いていて、奥さんに「なんという花ですか」と伺いをたてると、「銅盃と言う花で、他の花を追い出してしまうほど生命力が強い。良かったら持っていきなさい」といって、一部を掘り出して分けて貰えた。来年は我が家の庭にも咲くことだろう。
(男体オロシソバ)
(銅盃)
 奥さんにお礼を言って別れ、入口の沢に泳ぐ小魚の群れを眺めて駐車場に戻ると、待っている車はやはり我がグループの車以外は一台だけだった。
(魚の群れ)
(大円地駐車場)
 お三方に優しくサポートしてもらったお礼を言って分れ、暑い中を無事歩き通した充実感に包まれて、珍しく寄道もしないで一路我が家に向かって車を走らせたのでした。


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