V42.イワウチワオフ

1.動 機
シモンさんのパソコン通信仲間では、アカヤシオ、山菜、ネマガリなどと色々と名目を付けて、年に数回パソコンから離れて直接顔を合わせて山遊びをする行事「オフ」を行っている。今回は、シモンさん幹事で、初めて茨城のイワウチワを案内するイワウチワオフが行われた。一昨年62会で歩いた下檜沢の「長崎沢・沼ノ沢三角点」の南に隣接する群生地と、花の百名山高鈴山の群生地とが案内されて満開のイワウチワを堪能したほか、那賀のカタクリも案内された。大子憩いの森で宿泊して、料理自慢の奥様方の美味しい料理をいただき、楽しい語らいの一夜を楽しんだ。
(イワウチワの花)


2.データ
a)山域:下檜沢イワウチワ山(331m)、高鈴山(623.3m)
b)登山日:2008/04/05(土)晴、06(日)晴
c)コースタイム:
4月5日 日立自宅 8:35 = 9:25 道の駅桂 9:45 = 9:55 那賀カタクリ山 10:45 = 11:30 下檜沢路側 11:40 ---- 12:15 イワウチワ群生地(昼食) 13:05 ---- 13:50 林道 ---- 14:15 下檜沢路側 14:20 = 15:15 大子憩いの森(泊)
4月6日 大子憩いの森 6:20 = 6:35 袋田の滝 7:15 = 7:30 大子憩いの森 9:10 = 9:55 御岩神社駐車場 10:00 ---- 10:40 奥の院 10:45 ---- 11:05 大岩の下 11:25 ---- 12:00 高鈴山(昼食)12:45 ---- 13:25 奥の院 ---- 13:55 御岩神社駐車場 14:30 = 15:15 日研入口 15:40 = 15:50 日立自宅
d)同行者:パソコン通信メンバ6、和子
e)地形図:1/25000 「常陸大沢」「袋田」「町屋」

3.山行記録
8時半過ぎに我家を出発して、集合場所の道の駅桂に向かった。定刻前に到着して集まっていた皆さんに挨拶し、シモンさんから今回の予定を聞いた後、直販店で今夜の食材などを仕入れて出発した。

1)那賀カタクリ山
すぐ近くの旧緒川村那賀のカタクリ群生地に着いて県道12号沿いに駐車し、カタクリを眺めに道を横断した。群生地にはアズマイチゲの白い花とピンクのカタクリが咲き誇っていた。先日孫と一緒に来た時よりも花数がずっと増えていて華やかになっていた。
裏に回ると、日影の小川沿いでは昨夜の雨でカタクリは花を閉じていた。しかし、山に上がると陽の当たるようになって、いっぱいに花を広げたカタクリが多くなり、千葉や群馬から来られたメンバは歓声を上げて盛んにシャッタを押していた。
存分にカタクリを鑑賞してから道の反対側の斜面を見ると、タンポポ、オドリコソウ、オオイヌノフグリ、ナズナなど春の野の花がたくさん咲いていた。その斜面を登ってみたが、上にはスミレぐらいしか見られなかった。
カタクリ山の地主のおばさんが出てこられて「カタクリは昔からポツポツと咲いていたのだが、樹木を伐採してから群生するようになり、大勢の人が見にこられるようになった。ゆっくり見て行ってちょうだい」と優しいお言葉。家の周りにはミツマタやレンギョウ、スイセン、サクラソウなど色々な花が彩を添えていた。本当に花がお好きなお家のようだ。
(カタクリ群生)
(反り返ったカタクリ)

花を堪能してから次に向かうべく車を停めた県道に戻ると、道端につくしが列をなして生えていた。これを目にした料理自慢の奥さん方は、今晩の食材があったと、そこら辺のつくしを採り尽くした。

2)下檜沢のイワウチワ山
那賀から旧緒川村直販店風車に立ち寄ってから旧美和村の下檜沢に向かい、県道321号沿いに5台を連ねて駐車した。軽トラのおじさんがいぶかしげに眺めているので、近寄って聞いてみると、鑑札無しで漁をする人が多いので監視しているとのことだった。「イワウチワの花を見に行くの」というと「採取していくのかい」と、こんな花を観賞だけに山に登る人間がいることが信じられない表情だった。
ポケナビで見ると、一昨年、62会で歩いた時に下ってきた寄藤沢よりも大分南である。一昨年と同じルートを歩くとばかり思っていたので意外だった。シモンさんに付いて行くと、小さな橋を渡って民家の庭に入り、更に住居と物置の間を通り過ぎた。始めから民家に入り込むはずがないとシモンさんに確認すると、下りでここに出てきたとのこと。
(イワウチワ鑑賞ルート)

すぐに山道になり、真っ赤な花をいっぱい付けた大きな椿の木を通り過ぎて急登を登って行くと、崖のような急傾斜の北斜面にちらほらとピンクのイワウチワが見え始めた。だんだんと花数が多くなり、やがて足の踏み場もないほどの群生地が現れた。
株を痛めないように気を遣いながら足場を選び、それぞれに気に入った株を選んではシャッタを押し捲った。
(足の踏み場もない群生地)
(どこまでも続く)

白やピンクの花が、「私を撮ってちょうだいよ」と言っているように風にそよぎながら、可愛い顔をこちらに向けていた。
(純白のイワウチワ)
(ピンクのイワウチワ)

存分にシャッタを押してから、風を避けた斜面でそれぞれに用意して来た弁当を広げた。自慢の惣菜が回ってきた。
「これから上にはこれ以上の群生地はないので、ここから引き返すか」とのシモンさんのご下問に、みんなまだ歩き足りない様子で、もっと山の上に上がって行って尾根通しに寄藤沢の林道に下りて周回することになった。ここから先にも藪道はなく、ところどころ咲いていたイワウチワの花を愛でながら気持ちよく歩いていった。林道直前では急坂の下りになったが、問題なく下って林道に出ると、林道沿いにはキクザキイチゲやニリンソウ、ネコノメソウ、スミレなどの花が迎えてくれた。
県道に出ると、道端に今度はカンゾウの若い芽がたくさん出ていて、これも今夜の食材に少々採取された。

3)大子憩いの森
憩いの森の駐車場に着くと周りは桜の木に囲まれていたが、花はまだ硬い蕾のままだった。少し標高が高いだけなのに大分気温が低いようだ。着いたのは定刻の16時よりも前だったが、今日は他の利用者もいないので問題なく入れてもらえた。8人に3部屋の和室が割り当てられ、部屋割りが決められた。まだ時間も早いので、それぞれ好みの飲み物を出し合って酒盛りが始まり、これからのアカヤシオやネマガリ、山菜オフの予定日など話し合われた。ビデオで明日登る「花の百名山高鈴山」を勉強して、イワウチワはこの地方ではイワザクラと呼んでいたこと、トウゴクサバノオという初めて聞く花の名前も知った。
17時になると風呂も用意されて汗を流し、その間に用意された料理に、持ち寄った惣菜なども出し合って、豪華な夕食が始まった。自慢の料理を腹いっぱい食べて、ストーブを囲んで消灯時間の22時近くまで山歩きなどの話に花が咲いた。
広い部屋に布団を敷いて、暖房のエアコンを入れたままで朝までゆっくりと眠った。
(ご馳走がいっぱい)
(楽しい語らい)

4)袋田の滝
群馬のご夫婦は袋田の滝をまだご覧になったことがないというので、朝食前にシモンさんと二人で案内することにした。川本車に4人乗って6時20分に出発し、袋田の無料駐車場に車を置いて滝展望台まで歩いたが、この時間はどの店も戸を閉めたままで、観光客の姿も全く見えない。滝近くまで車を持ってきても問題なさそうだった。その代わりに、駐車場近くからは、たくさんの鯉のぼりの連なりと、生瀬富士の岩頭との変わった組み合わせの眺めを楽しむことが出来た。
この時間では袋田の滝展望台へのトンネルは閉まっているだろうと思って吊橋に向かったのだが、通路は開放のままだった。無料で展望台に入ることが出来たのだ。300円×4儲けた気分になって展望台に上がると、今日は水量も多くて一段と素晴らしい滝に見えた。群馬のご夫婦も「こんなに近くから滝を見ることが出来るとは思わなかった。写真で想像したよりもずっと迫力があって素晴らしい滝だ」とお褒めのお言葉。茨城県人も鼻が高い。
(鯉のぼりと生瀬富士)
(袋田の滝)

憩いの森に帰ると、朝食の準備は万端整っており、自慢の焼そばが出たり、夕食に負けない美味しい朝食をまた腹いっぱいちょうだいした。
借りた食器や鍋、布団やシーツ、浴衣の片付けなどをして、宿泊代を精算して出発した。設備の整ったこれだけの宿で一泊1410円也、春休みなのにどうして貸切になるのか不思議だが、アンケートには「また利用したい」と書き込んだ。

5)御岩山−高鈴山
5台の車を連ねて猪の鼻峠を越え、R349を南下して御岩神社の駐車場に入った。満車を心配したが、5台の車は全部駐車できた。駐車場脇にはミズバショウやニリンソウがみずみずしい花を咲かせていた。
身支度を整えて神社に向かう。迎えてくれる三本杉にまず感嘆符。仁王門をくぐり本殿にお参りして横を見ると、早咲きのシャクナゲが早くも赤い花をほころばせかけていた。
(ミズバショウ)
(三本杉と山門)

参道にはショウジョウバカマやカタクリの花が咲いており、奥の院に向かって歩くと昨夜勉強したばかりのトウゴクサバノオの白い可憐な花も咲いていた。、
(ショウジョウバカマ)
(ドウゴクサバノオ)

奥の院前の注連縄が張られた大岩にはイワウチワが花を開き始めていた。こんなところにイワウチワが根を張る理由が色々詮索され、誰かが植えつけたのだろうとの結論のようだった。
奥の院から先イワウチワの花畑への道には入らないでどんどん登っていってから脇道に入り、岩場を横切ったり下ったりしながらロッククライミングの練習場の下に案内された。
(奥の院)
(岩場の上り下りも)

岩に張り付いたように咲くイワウチワは、写真の被写体にもってこいだ。下檜沢とは一味違うイワウチワに、皆さん絞りを変えたり明るさ調整をしたりと色々条件を変えながら熱心に撮影されていた。
(岩に張り付いたイワウチワ)
(光り輝くイワウチワ)

賀毘礼の峰まで登りついてアセビの花の写真を撮ってから皆さんの後を追いかけようとした時、眼鏡を掛けていないことに自分で気がついた。引き返して探そうかと思ったが、皆さんに無断では拙い。あとを追いかけたが、山道と巻き道で行き違ったか、なかなか追いつかない。引き返していると亀楽会のIwさんと出会い、おしゃべりしながら山頂まで一緒にに歩いた。
山頂では皆さん心配しながらお待ちかね、すぐに弁当を開いた。昼食後、展望を楽しんでから集合写真を撮って下山になった。下りは皆さんは植林伐採地を下ることになったが、我家は眼鏡がどこかで見付かるかもとわずかな望みを抱いて往路を下った。
賀毘礼の峰、ロッククライミング練習場、奥の院など重点的に探したが見当たらない。なんと奥の院から少し下ったところのトウゴクサバノオの花が咲いているところに眼鏡はあった。ここから賀毘礼の峰まで眼鏡無しで、誰にも気づかれず、自分でも気付かず写真を撮りながら歩いていたのだ。御岩神社の駐車場で皆さんと一緒になると、「本当に眼鏡は必要なの」と不思議がられた。
ここで次回オフでの再開を約して散会になった。

5)日立研究所のサクラ
皆さんと別れて日立まで走る間、あちこちでサクラが満開になっているのがだんだんと気になってきた。我家に帰る前に日立研究所の入口道路の桜並木を眺めに立ち寄った。日本桜百選の平和通り並みの桜のトンネルなのだ。今日は日曜日、入口道路は開放されて車の乗り入れも出来た。車を置いて守衛門までの間の桜のトンネルの中を歩き、花の向こうに太平洋を眺めながらのお花見散歩を楽しんだ。
(サクラのトンネル)
(サクラ越に太平洋を望む)





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