Y118.御前山近くの三つの富士山

1.動 機
一昨年の4月に関本富士に登って茨城の富士山18座を全部登ったと喜んでいたが、先日の山行時、茨城には富士の名前が付いた三角点がまだ4ヶ所あるよとシモンさんから耳打ちされた。早速国土地理院のHPで「茨城県の富士」として検索してみると、下表の5か所が出て来た。一番上の富士山は何回も登ったことのある赤沢富士だが、あとは知らないところばかりだった。5番目の小坂富士は小さいながらも山のようだが、それ以外は山ではなさそうなので、小坂富士を茨城の富士山の19座目として登録すれば、あとの三角点は無視してよさそうだ。
この報告をアップするとすぐにシモンさんから「多賀富士が落ちているよ」とご注意があった。国土地理院のHPを見直してみて、三角点検索時にデフォルトが「正常時のみ」となっているのを「成果不良も含む」に変更すると、{TR45540150001 四等三角点 K也1 多賀富士}が出て来た。花貫渓谷の奥にある551.0mの三角点だった。(2011/11/28追記)

赤沢富士275.4
筑西市桃山中近くのグランド70.6
竜ヶ崎市城の内3住宅街23.8
下妻市東部中学校敷地内29.2
水戸レイクスCCの南境界の小山99.7
(茨城の富士のつく三角点)

11月22日は「いい夫婦の日」、我家がいい夫婦でいるのは山の中が一番なので、今日もどこかのお山に出かけようと話している時、この小坂富士が浮かんできた。小坂富士は標高100m、麓からの標高差が30mほどの山なので、この山だけに出かけるのでは面白くもない。近くに「赤沢富士」と「御前山の富士山」と2つの富士山があるので、これを合わせて、「三つの富士山」を踏破することになった。
(三つの富士山)


2.データ
a)山域:小坂富士(100m)、赤沢富士(275m)、富士山(183m)
b)登山日:2011/11/22(月)晴
c)コースタイム:
日立自宅 9:20 = 10:10 小坂集落 10:20 ---- 10:27 小坂富士 10:30 ----10:40 小坂集落 = 11:25 林道路側 ---- 11:30 白山神社道標 ---- 11:35 道標 ---- 11:45 赤沢富士12:10 ---- 12:25 破線の道 ---- 12:30 林道路側 12:35 = 12:50 道の駅かつら(昼食) 13:30 = 13:45 青少年旅行村 ---- 13:50 階段始点 ---- 14:00 富士山 14:10 ---- ロッジ村---- 14:20 青少年旅行村 14:30 = 15:20 常陸太田スーパ 15:55 = 16:10 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「野口」「徳蔵」

3.山行記録
1)小坂富士
出勤時間帯が過ぎてから我家を出発して、ナビに小坂富士の登山口の小坂集落を目的地にして最短距離で指示すると、R293から県道61号(日立笠間線)に入り、何か所も工事中を一方通行で通過して、青山小入口で地方道に入った。
(小坂富士登山コース)
(小坂富士登山コースの標高差)

目的地近くに到着したが、近くに富士山らしい形の山は見えない。少し離れたところに三角錐の形の良い山が見えるが、地形図を見ると小坂富士は目の前に見える民家の裏のこんもりとした森に違いないようだ。通りかかった土地のおじさんに「小坂富士はどの山ですか?」と尋ねると「ここが小坂だよ」との返事。「小坂の富士山がどれか知りたいんですが」と重ねて聞いてみたが「そんな山、知らないよ」とそっけないご返事。今では土地の人にもあまり知られてはいないようだった。
自己責任でこの山が小坂富士と決めて、民家の左手の農道を入るとすぐに引き返すように登っていく登山道があった。
(小坂富士)
(登山口あり)

登山道に入るとしばらくは上に向かって良く踏まれた道が続いたが、やがて杉の植林の中であやふやになってきた。とにかく山頂に向かって上に上にと登って行くとすぐに山頂部に着いた。そこには小さな石の祠と4等三角点とがあった。
あっけないのでツ−ショットの証拠写真を撮る気にもなれず、三角点と石祠を一緒にして和子一人での写真を撮った。
(植林の中)
(小坂富士三角点)

山頂のすぐ先がゴルフ場との境界で、猪除けのためか境界に沿って2本の電線が張り巡らされていた。この境界線上を歩く積りでいたが、プレー中の人が気にしているようなので、お邪魔にならないように谷筋に下る踏跡に入ることにした。
途中踏跡は左の籔の中に入って行ったので、そのまま谷筋を下って行くと、民家の横の畑地に下り立った。籔の道を辿ったらどこに出るのか確かめたくて、道に出てから少し左に歩いていくと、森の中から階段道が下ってきているのが見えた。
(水戸レイクスCC)
(畑地に出た)

2)赤沢富士
駐車場所に戻って、次の赤沢富士に向かった。赤沢富士には白山神社からと、その北の谷筋を歩いて登ったことがあるが、今日は最短距離の赤沢富士の南を通る林道から登ることにした。県道61号から国道123号に入って北上し、地方道を白山荘まで入ってその先の分岐で道を間違えた。しばらく間違った林道を走ってしまったが、途中で気が付いて引き返したが10分ぐらいロスした。
(赤沢富士登山コース)
(赤沢富士登山コースの標高差)

白山荘まで引き返して方向変換、正しい林道に入りなおした。この道は狭い上に林道わきが全線縁石で保護されているので道をはみ出しての幅寄せが出来ず、対向車が来たら長いバック運転を余儀なくされる。幸い対向車は一台もなく、無事に赤沢富士の下に到着した。そこは林道の左脇が少し広くなっていて、ここに駐車することができた。
赤沢富士への破線の道はもう少し林道を先に行ったところの筈だが、駐車場所の南側から踏跡が登ってきていたので、林道の反対側を良く見てみると、籔の間に少し隙間があった。この籔の隙間を潜るように通ってみると、その先に何となく踏跡が先に伸びていた。
(赤沢富士)
(林道に駐車)

籔から少し草むらを歩くと、どこでも歩ける手入れされた植林帯になった。
植林帯を上へ上へと登って行くと、白山神社からの登山道に出て、その先に「右白山神社、左赤沢富士」の道標が立っていた。
(植林帯を登る)
(白山神社コースに合流)

ここからは歩きやすいハイキング道を辿り、山頂直下の西側までトラバース道を歩いてから、左に向かう登り道に「赤沢富士」の道標を見て山頂に向かって急登した。
(巻道を歩いて)
(道標から登る)

10分程登ると3等三角点のある赤沢富士の山頂に登り着いた。「いい夫婦」に見せかけるように、両手を繋いでハートマークを作ってぎこちない証拠写真を撮った。
高鈴山や那珂川の流れを眺めながらしばしコーヒタイム。10年前に登った時に凄い籔漕ぎをした事など、この山には思い出話が多い。
(赤沢富士山頂)
(高鈴山遠望)

下りは急斜面を直滑降して近道してトラバース道をショートカットした。ハイキング道に下りてから、今度は地形図の破線の道に入ってみた。この破線の道は半分ぐらい籔になってしまっていて、棘に刺されながら歩くことになり登り道よりも苦労させられた。
(急坂を下る)
(破線の道)

3)富士山
林道を引き返して県道61号に出て北上、道の駅かつらに立ち寄って暖かいそばとうどんを頂いた。今日は寒いので、暖かい食事が何よりだ。
(富士山登山コース)
(富士山登山コースの標高差)

昼食を食べてから、県道212号を下伊勢畑まで走ってから青少年旅行村に向かった。県道から眺める富士山の形はなかなか良かった。
旅行村入口にあった第二駐車場はパスして更に登って行き、ロッジ村への道から左の分岐に入ってトイレ脇のキャンプ場に駐車した。シャワー棟の下の駐車場に2台の車が停まっていたが、季節外れの平日のためか旅行村内には人っ子一人見当たらなかった。
(富士山)
(キャンプ場に駐車)

駐車場所から少し登ってハイキング道に入って5分も歩くと、右に登る擬木で出来た階段道になった。この階段、何処まで登ってもまだまだ現れ、山頂に登り着くまで続いた。途中、ロッジ村から来る道との合流点があり、思いついてここから階段の段数を数えてみたら194段あった。ここから下の段数は、下山時に和子が数えたところ132段だったという。合計326段の長−い階段道だった。
(整備されたハイキング道)
(326段の階段)

山頂には立派な展望台があり、北西に日光連山から那須連山までの山並み見渡すことが出来、北には那珂川の向こうに先日歩いたばかりの鍋足山や奥久慈男体山が見えていた。今日はお天気が良くて山歩きも一段と楽しくなる。
展望を楽しんでから、福田さん作成の山名板を入れて証拠写真を撮って下山にかかった。下る前に、5年前に同期会ハイキングでここに登った時にみんなで探しても見つからなかった三角点を念のために探してみたがやはり見付けることは出来なかった。帰宅後、国土地理院のHPで調べたら、ここの三角点名は中郷といい亡失となっていた。
私は階段道から分岐点で同期会で歩いたロッジ村の道に入ったので平らな道を紅葉を楽しみながら歩くことができたが、和子にはここからも階段を下って、そこから下の段数を数えて貰った。
(富士山頂)
(下りはロッジ村に迂回)

二人が合流して駐車場に着いたのは14時20分、洗濯物を干したままで出て来たのでもう帰らなければならない。この辺りに来たときは立ち寄るのを常にしている三王山からの展望は今日は止めにして、途中スーパに立ち寄っただけで我家に16時頃到着した。




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