C31.盛金富士

1.動 機
 茨城県の山では、4月初めになるとイワウチワの花が咲き始める。町内のKoさんやOmさんにイワウチワの花を見て貰いたくて盛金富士に案内したかったが、去年4月、八溝山からの帰りのバスの中から盛金富士を見上げた時に、北斜面一帯が伐採されて裸地になっているのが見え、裸地になってはイワウチワは咲かないだろうと心配になった。確認のために去年5月に登ってみようと思って出掛けた時には登山禁止の表示があって、それ以来盛金富士にはご無沙汰しているので状況が判らない。今回はそのイワウチワ群生地確認のための山歩きだったが、群生地は無事残っていることがわかり、下山は初めて歩く南尾根のコースを歩いて下って、結構嬉しい山歩きになった。ナビの電池が切れていて軌跡が残せず、地図も持参しなかったので、歩いたコースの記録はないが、写真だけを頼りにこの記録を書いてみた。

2.データ
a)山域:盛金富士(341)
b)登山日:2015/3/12(木)曇
c)コースタイム:日立自宅 11:10 = 12:05下小川駅12:15 ---- 12:20登山口 ---- 12:50休憩所 ---- 13:00盛金富士山頂13:35 ---- 14:10下山口 ---- 14:20下小川駅14:25 = 水府直売所 = 15:30日立自宅
(下小川駅のハイキングコース図)

d)同行者:和子
e)地形図:「山方」

3.山行記録
 11時過ぎに我家を出発して、登山口の下小川無人駅の駐車場に昼過ぎに到着した。駅前の「下小川周辺のハイキングコース」案内図には、特記事項はないので伐採はされていたとしてもハイキングに支障はなさそうだ。弁当は山頂で食べることにして、準備をして歩き始めようとした。この時、ハプニング発生!ナビのスイッチを入れたら、電池切れで表示がすぐに消える。地図も持たなかったので、記憶だけが頼りの山登りになったが、まあ、何とかなるだろう。
 一つ上の道路沿いの登山口に着くと、以前のままの「富士山頂へ登山古道」の立札が立っていて、その脇には登山者用の杖が何本も立てかけてあるのも以前のままだったが、富士神社の鳥居だけがピーカピカの真新しいものに建て替えられていた。
(下小川駅)
(登山口の鳥居)

 見覚えのある登山道を10分も登って行くと、目の前に伐採された斜面が現れた。向かいの山までの斜面が一面綺麗に伐採されている。周りに樹木が立っていない尾根道を歩いていると、今まで歩いたことのない道のような気がして、ナビも地図もないと、今どの辺を歩いているのかさっぱりわからない。
(階段道)
(やはり伐採されていた)

 振り返ると伐採のお蔭で展望が良くなっていて、奥久慈の山々が大子から山方にかけて広く見えていた。左端に愛宕山、高いのは太郎山長福山の右に男体山の岩峰、近くに上高塚山と熊の山、後に尖って目立つのは明山---などだろうか。
(展望は広くなっていた)

 これだけ広く伐採されていれば、イワウチワ群生地も全滅だろうなと思いながら、更に伐採地を登って行く。
 休憩所のベンチも無くなったのかと思いながら登って行ったのだが、伐採地を過ぎて右に曲ると、見覚えのある「盛金富士ハイキングコース」の道標とテーブルベンチのある休憩所が見えてきた。
(伐採地を登る)
(休憩所)

 休憩所を過ぎると雑木林は伐採されておらず、イワウチワの群生地は無事に残っていた。イワウチワの葉っぱをあちこちに見ることができ、今年も可愛いイワウチワの花を眺めることができると嬉しくなった。
(樹林は残っていた)
(イワウチワもあった)

 伐採された尾根を少し歩くと、向かいの斜面に擬木の階段道があったが、その右の尾根筋に「盛金富士ハイキングコース」の道標があって踏み跡が登っていた。このコースの道沿いにもイワウチワの葉っぱがあちこちに群生していたので、伐採作業はイワウチワに気を遣って行われたものと思われた。
(階段道とハイキング道)
(ハイキング道)

 鉄塔の道と合流してから巻道に入ると、いつもの展望所からは、奥久慈男体山が以前と同じように綺麗に見えていた。
 歩き始めて45分、13時に富士権現の石祠が祀ってある山頂まで登りついて、ベンチに座って弁当を広げた。お腹はすいていたし、イワウチワの群生地が無事だったことも確認できたので気分も良く、おまけに展望も良いので昼食はとても美味しく頂けた。
(奥久慈男体山を展望)
(山頂の富士権現の石祠)

 南山-太郎山と並ぶ奥久慈の山並みの向こうには、八溝山の端正な姿を望むこともできた。
(北東方向:八溝山方向)

 蛇行する久慈川の上には、明山ー鷹取山雷神山の山並みが見え、高鈴山の通信鉄塔も見えていた。
(西方向)

 登ってきたと反対側に「下小川駅方面下山口」の道標が立っている。以前はこの道が歩行禁止になっていたことがあるので少々気持ちが悪かったが、和子が「この道を歩いてみたい」と言い張るので、初めてのこのコースを歩いてみることにした。
 始めは物凄い急坂のジグザグ下り、踏み跡はしっかりしているがずるずる滑りそうで、立木を掴みながら慎重に下っていった。
(下小川駅方面下山口)
(始めは急坂下り)

 急坂下りは長くは続かず、やがて気持ち良く歩けるなだらかな道になり、久慈川を見下ろすことができる見晴らしのいいところもあった。
(気持ちいい盛金富士ハイキングコース)
(久慈川展望)

 やがて杉の植林帯に入って下って行くと、石仏が祀ってある所で、道は急に左に折れる。
(植林帯に入る)
(石仏)

 ここらは60度ぐらいありそうな急斜面を折り返しながら下って行く。ところどころ安全柵が付けられているが、踏み外したらただでは済まない。慎重に下る。
(急斜面をジグザグ下り)

 谷間の広い道に出てしばらく歩くと、右下に広大な砕石工場が見えていた。下小川駅前の道を盛んに走っているダンプカーはこの工場にやってくる車だったのか。
(谷間の道に出て」)
(砕石工場)

 更に下って行くと舗装された車道に出る。ここが下山口、すぐの民家の庭には、動物をかたどったツゲの造形が2体あった。家主の気長な根性が凄い。
 すぐに山頂からのアンテナコースが左から合流し、やがて久慈川の流れが見えるようになって来ると下小川駅はすぐだった。
(下山口の民家)
(久慈川沿いの道に出る)

 2時間足らずの山歩きだったが、結構充実した気分で車に乗り、途中、水府のJA直販店で野菜を買い込んで我が家に帰ってきました。




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